祖父のガンに悩む家族への薬剤師のサポートとは?ー荒井ママレ「アンサングシンデレラ3」

コミック

最近流行の医療ドラマや医療コミックでも、脇役としての登場もなかなか少ない「薬剤師」にスポットをあて、市中の総合病院の調剤部門に勤務する、お団子にまとめた髪がトレードマークの若手新米薬剤師「葵」を主人公にした病院医療コミックの「アンサング・シンデレラ」シリーズの第3弾。

今巻ではシリーズで初の連続もので、がん治療で苦闘する家族を、葵がどうサポートずるかが読みどころです。

【構成と注目ポイント】

構成は

第11話 説得と納得
第12話 霧の中
第13話 病なき病
第14話 それぞれの闘い
第15話 最後の砦

となっていてまず、第11話は、インフルエンザの大流行で調剤に追いまくられ疲弊する薬剤部チームの姿が描かれます。インターネットが普及してから、当方のような一般人の「薬」に関する情報は格段に増加しているのですが、玉石混交であることは間違いなく、専門家である「薬剤師」の悩みがわかりますね。

第12話から第15話までは。老舗の料理店「しばさき」の一人娘の「拒食症」ぽい状況から始まる連続話です。通常なら過度のダイエットとかが原因に疑われるところなのですが、彼女の原因は祖父の末期の胃がん。祖父に告知しないまま治療を続けるのが彼女の精神的な負担となっていて・・・という展開です。

がんの治療には放射線とか手術といった方法もあるのですが、抗がん剤治療は当然セットになるわけで、今回は「葵」が「がん薬物療法」の院内の認定薬剤師の指導をあおぎながら患者さんたちに関わっていくという話です。

とくにがん治療は長期間にわたるのが通例で、今話の場合も、告知してから家族皆で祖父の治療に向かっていくのですが、抗がん剤が効いて症状が安定してから、季節が移り病状が進んいく中で、愛する人が死んでいく、という状況に直面する残された家族。

医療スタッフの一員である「薬剤師」としてどう向き合うか「葵」の正念場です。

【レビュアーから一言】

今巻では「認定薬剤師」という門外漢には耳慣れない言葉が出てきます。認定薬剤師というのはネット情報によると「「認定薬剤師制度」による一定期間の研修や実技を通して、定められた単位を取得し、最新の知識や技術を有していると認められた薬剤師のことです。薬剤師としてふさわしい資質を維持するため、常に自己研鑽に努めていて、時代に即した薬学ケアができる薬剤師であることの証明になります」ということで、20種以上の認定薬剤師があるようですね。種類によってキャリアアップにつながるかどうかもあるようで、本書でもでてきた「がん治療」のほか「プリイマリ・ケア」、「在宅療法支援」「妊婦・授乳婦薬物療法」なんてのが人気のようです。
薬剤師さんといえば、偏差値の高い医療系大学をでないと取得できない資格なので、一回資格をとれば安泰かな、と思っていたのですが、今の時代はいろいろスキルアップしないといけなくなってるんですね。

アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり 3巻 (ゼノンコミックス)
泣けるほどの仕事、したことありますか?みどりが小児病棟で担当した、拒食症の&...

【スポンサードリンク】

コメント

タイトルとURLをコピーしました