大事なオンライン会議の前に読んでおきたいおススメ本を紹介

リモートワーク、オンラインワークが拡大されて、通勤時間や対面での交渉が経る一方で、オフィスワークの時からムダが多い、と言われ続けてきた「会議」は減るどころか、リアルに対面できない不安感を埋めるかのように、むしろ増えているようです。

ただ、オンライン会議のコツやノウハウといったところは、まだまだ発展途上のところが多いのが実情で、不慣れなビジネスパーソンも多いはず。というところで、大事なオンライン会議・説明会の前に読んでおきたいおススメ本をピックアップしてみました。

オススメ本と注目ポイント

「超・会議術 テレワーク時代の新しい働き方」の注目ポイント

まず一番目に紹介するのは『越川博司「超・会議術 テレワーク時代の新しい働き方」』。本書は働き方改革のコンサルタントをしている筆者が、クライアント企業の社員への聞き取りなどを活用して、オンライン方式を含めた「会議」の効率化についてまとめたものです。

構成は

第1章 あなたの時間を奪うムダ会議はこれだ!
第2章 会議改革に必要な「5つの心構え」
第3章 会議は準備で「9割」決まる
第4章 成果を上げる会議の「仕切り術」
第5章 オンライン会議を成功に導く「7つのルール」
第6章 効率と効果を高める!オンライン会議ツール活用術

となっていて第1章と第4章は、以前から「ムダ」の多い代表格として扱われているのに、無くならない会議のどこにムダがあり、意識改革が必要かといったところからはじまり、どうしたら効率化できるかといったことが分析・アドバイスされているのですが、リアル対面の会議だけでなく、オンライン会議の効率化に使えるネタが多くでてきます。

たとえば、『やめる会議を決める』だとか、『「アイデアを出す会議」と「決める会議」を訳て行う』や『会議のアジェンダ(目標、到達点)を共有する』といった、会議そのものを効率化するアイデアがたくさん紹介されているのですが、「オンライン会議」の場合に注目したいのは

「A3サイズ1枚」(通称ペライチ)フォーマット

ですね。
これはトヨタとかマイクロソフトなどで採用されている会議資料の形式で、
①見慣れたフォーマットを使うことで誰もが見やすい
②作り手の作業負荷が減る
といったオフィスワーク・オンラインワーク共通のメリットがあるのですが、資料の事前配布がほぼ必須である上に、会議の時には内職自由でという特性の「オンライン会議」の場合は、特に、参加者の議論の中心点をつくる意味で重要かと思います。よく、お役所の会議などでは、オンラインで印刷の手間がいらないせいか、何ページもある資料がどかんと提示されることが多いのですが。これは説明会ならまだしも、議論する「オンライン会議」では厳に慎みたいところです。

さらに、会議の議事録もEverrnoteやOnenoteなどのデジタルノートアプリを使って進行しながらメモを残したり、会議中にわからないことがでてきた時は、すぐにスマホかPCで調べて、その場でリンクや情報を書き込んでおけ、といったTipsも紹介されてます。たしかに、リアル対面の会議の時は、なにか調べものがでると「持ち帰り」になることが多いのですが、これは「オンライン」時代にそぐわない対応かもしれません。

本書の第5章では「オンライン会議」をうまく運営するためのポイントに触れられているのですが「高性能マイクを使う」「Webカメラは目線の高さにおく」といったテクニカルなことがアドバイスされているのですが、分量的にはちょっと抑えめ。しっかりとテクニカルなところをおさえておきたいのであれば、次の「開始3秒で差がつくWeb会議のコツ」のほうがおススメです。

超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方
超・会議術~テレワーク時代の新しい働き方

「開始3秒で差がつくWeb会議のコツ」の注目ポイント

オンライン会議やオンライン説明会は、リアル対面の会議とは環境的にもかなり違っているので、しゃべり方だけでなく、照明や画面に映るアングルなど、テクニカルな面できになるところが多いもの。本書『三枝孝臣「開始3秒で差がつくWeb会議のコツ」(東洋経済新報社)』は、元日テレのプロデューサーで、現在コンテンツ・プロデューサーをしている筆者が、Webを使った会議やプレゼンでの演出のコツをまとめたものです。

構成は

第1章 Web会議で100%好かれるのは、どっち?
第2章 開始3秒で差がつくホームポジションのコツ
第3章 驚くほど印象が変わるライティングと音声のコツ
第4章 立体的な画面をつくる背景演出のコツ
第5章 相手が聞き取りやすい話し方のコツ
第6章 相手との距離を縮める会話のコツ
第7章 時間内に亜目的を達成するWeb会議のコツ

となっていて全部で70のTipsが紹介されていて、たとえば「おでこを見せたほうが自信がえるように見える」「Web会議のリアクションでは身振り手振りはあまり使わない方がいい」といった演出面から、「15度あごを上げて話すと声の伸びが良くなる」や「会議のスタート時には声のトーンを高めにする」といったアナウンサー的なテクニックまで幅広く紹介されています。

中でもおさえておきたいのは第6章と第7章のところで、「相手と自分の時間の割合は7:3」とか「相手の名前を呼ぶと会話がスムーズに進む」であったり、「会議は40分を基本に5分の休憩タイムをとる」「参加人数が多い時は、発言者以外は映像オフ」といったアドバイスはかなり実用的なネタです。

開始3秒で差がつくWeb会議のコツ―簡単なのに結果が驚くほど変わる!
この1冊で、Web会議の悩みをぜんぶ解決! 本書は、Web 会議のコツをイラストとともにわ...

「オンライン講座を頼まれた時に読む本」の注目ポイント

リモートワークの拡大・長期化は、こうしたオンライン会議の機会を増やしているだけでなく、情報伝達や研修を目的とした「オンライン」による説明会なども増加させています。リアルで相手の顔色や反応がわかるのと違って、オンラインの場合は相手の反応がいまいちつかみづらいということも言われています。

本書『天笠淳「オンライン講座を頼まれた時に読む本」(日経BP)』は人事コンサルタントとして、Web配信によるセミナーを数多く手がけている筆者が自身のオンライン講座の運用経験を踏まえながら、ポイントをアドバイスしたもので、突然のオンライン研修や説明会の講師を命じられてビックリしている方におススメです。

構成は

第1章 テレワークの加速と学習機会
第2章 オンライン・コミュニケーションが上手くいくコツ
第3章 オンライン講座を成功させるコツ
第4章 オンライン講座配信システムを活用する
第5署 音声と映像に関する配信環境づくり
第6章 事例偏ーオンライン講座をやってみた

となっていて、第1章と第2章は総論的なアドバイスが多いので、切羽詰まっている人は第3章、第4章当たり異を集中的に読むといいでしょう。
「オンライン講座で使うテキストは①情報量を多くする、②事前配布する がコツ」や「オンライン講座は5時間が限界」といった実践的なTipsを始め、全般的な、オンライン講座=オンライン説明会のポイントがつかめると思います。

オンライン講座を頼まれた時に読む本
オンライン講座を頼まれた時に読む本

レビュアーから一言

「afterコロナ」となっても、時間や場所的な制約にとらわれないオンライン会議やオンライン説明会・研修は引き続き利用されていくことが予測されてるのですが、その効率的なやり方や、効果的な手法はまだまだ手さぐり状態というのが実際のところでしょう。
ここでかっちりノウハウをマスターしておけば、ライバルに一歩先んじることができるのではないでしょうか。

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