熊撃ち猟師+マタギ兵士がアシリパを守る「エゾオオカミ」を狙うー「ゴールデンカムイ」3〜4

アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、明治期の北海道を舞台に、かつてアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金塊を巡って、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った第七師団所属の情報将校・鶴見中尉を相手に、金塊の在り処を記した「刺青人皮」の争奪戦を繰り広げる、明治の北海道版ゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第3弾から第4弾。

前巻で、第七師団兵士の追撃を逃れて、アシリパの村に潜伏していた杉元だったのですが、単独で村を出て小樽で「刺青人皮」の情報を集め始めたところで、第七師団の鶴見中尉の部隊に捕まったしまった杉元。彼の脱出行と、アシリパの守り神・エゾオオカミのレタラを狙う猟師との対決が描かれます。

第3巻 エゾオオカミ・レタラを狙って熊撃ち猟師が動く

第3巻の構成は

第18話 救出作戦
第19話 駆ける
第20話 喰い違い
第21話 亡霊
第22話 伝説の熊撃ち
第23話 猟師の魂
第24話 生き抜いた価値
第25話 ユク
第26話 山の掟
第27話 殺しの匂い

となっていて、第七師団の鶴見中尉の部隊につかまった杉元の救出に脱獄王・白石とアシリパが向かいます。白石は小樽にいたところを偶然、アシリパに見つかり、金塊の分け前をもらうことを条件にアシリパの味方になっています。

捕らわれている杉元のほうは、鶴見中尉の部下・二階堂兄弟に虐待死されそうになるのですが、兄弟のうちの一人・洋平を斃します。彼の内蔵を使った、自分も重傷を負ったと偽装し、鶴見中尉の目をごまかして師団の兵舎からの脱出に成功します。

一方、アシリパを襲った第七師団のマタギ上がりの谷垣は、伝説の熊撃ち「二瓶鉄造」と合流します。アシリパを守るエゾオオカミ・レタラが二人の「猟師」の狩猟魂に火をつけたようですね、二人はそれぞれの「マタギ」と「熊撃ち」の猟師の知識を共有しながら、レタラを追って、雪山を分けいっていきます。

・そして、刺青人皮を捜索しているもう一派である土方歳三のほうは、新選組の生き残り・永倉新八や柔道王・牛山辰馬と組んで人皮探しをしています。てはじめに彼は勢力拡大をするため、ならず者を率いている囚人仲間の「渋川善次郎」を仲間にしようとするが交渉が決裂し、彼らを血祭りにあげるのですが、土方歳三の幕末時の「鬼の顔」が垣間見えるシーンです。

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第4巻 熊撃ち猟師・二瓶、エゾオオカミに敗れる

第4巻の構成は

第28話 錯綜
第29話 老人と山
第30話 言い伝え
第31話 二〇三高地
第32話 怪奇!謎の巨大島
第33話 呪的逃走
第34話 接触
第35話 求愛
第36話 役立たず
第37話 初春
第38話 フンペ

となっていて、エゾオオカミ・レタラを追う熊撃ち「二瓶鉄造」とマタギ上がりの第七師団兵士・谷垣がアシリパたちを襲撃します。

二瓶の狙いはエゾオオカミを撃つことなのですが、谷垣の狙いは杉元たちの持っている「刺青人皮」で、その隠し場所を白状させるために、アシリパを人質にします。しかし、彼女を連れていく途中、沢にしかけられた鹿用の仕掛け弓「鹿垣」にかかり毒矢のトリカブト毒がまわり戦線離脱します。

谷垣が使いものにならなくなったのを見た二瓶は谷垣にかわってアシリパを人質にしてエゾオオカミ・レタラをおびき寄せます。二瓶がとことん「レタラ」に執着するのは金目当てではなく、最後のエゾオオカミを自分の手で仕留めたい、という猟師の執着心ゆえのようですが、ここでは、エゾオオカミと熊撃ち猟師との死闘をお楽しみください。勝負は意外な横やりによって、二瓶の負けで決着することになります。

アシリパの拉致中に仕掛け弓の毒矢で負傷し、アシリパの村に運び込まれた谷垣は、アシリパの村に運び込まれ、治療を受けるのですが、彼の口から、鶴見中尉の野望が語られます。
それは、日露戦争の激戦地二〇三高地で第七師団の将兵1万人が半分以下になるほどの犠牲をはらって戦果をあげながら、戦後、第七師団を格下げし、冷遇した「日本陸軍」への反逆、つまり第七師団を母体として北海道に軍事政権をつくること。つまりは、北海道を搾り取ってきた内地からの独立を目指すもので、このへんは、明治新政府から独立し、「蝦夷共和国」をつくろうとした土方歳三の思いと似通ったところがありますね。

こうしてみると、北海道と沖縄という日本の北と南の地域は、昔から日本の中央政府の権威を揺るがす火種を抱えたところであったようですね。

さて、小樽では土方歳三たちも動き始めます。銀行を狙っているのでてっきり軍資金の確保かと思いきや、本当の狙いは銀行の金庫に保管されていた「和泉守兼定」。彼の新選組以来の愛刀ですね。ついでに、巻の後半では、アシリパたちから「無能」扱いされ、名誉回復のために土方たちの隠れ家を探索してきた白石を逆に捕まえ、彼を逆スパイとして使い始めます。

さらに、この巻では、アシリパと猟に出て、一生同じ相手と暮らすというエゾフクロウの番(つがい)のエピソードをきっかけに杉元の幼馴染との過去の淡い恋バナも回想されていますので、杉元のストイックな生き方の理由の一端が少しわかります。

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【レビュアーの一言】アシリパは「味噌」の虜になる

今まで杉元が持っていた「味噌」を「オソマ」つまりは「うんち」だ、といって敬遠していたアシリパなのですが、第七師団の駐屯地から杉元を救出しての帰り道、馬をつぶしてつくった桜鍋で味噌の旨さに目覚めます。
「味噌」という調味料が、アイヌ民族に伝わっていなかったというのは知りませんでしたが、アシリパはこれがやみつきになったようで、村で属する鹿肉の鍋「ユクオハウ」

にも

と味噌仕立てでないと満足できないようになっているようですね。

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