アイヌの娘・アシリパは釧路で博物学者の刺青をゲットー「ゴールデンカムイ」11~12

アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、明治期の北海道を舞台に、かつてアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金塊を巡って、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った第七師団所属の情報将校・鶴見中尉を相手に、金塊の在り処を記した「刺青人皮」の争奪戦を繰り広げる、明治の北海道版ゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第11弾と第12弾。

第11巻 釧路の大湿原に出没する変態博物学者を捕まえろ

構成は

第101話 鯉登少尉叱られる
第102話 稲妻強盗と蝮のお銀
第103話 あんこう鍋
第104話 恐怖の猛毒大死闘! 北海道奥地に大蛇は存在した
第105話 夏の虫
第106話 弾より速く
第107話 眠り
第108話 大湿原
第109話 カムイノミ
第110話 支遁動物記

となっていて、大雪山に逃れたアシリパたちは、白石奪還に使った詐欺師・鈴川の話にでてきた囚人を探すため釧路へ。

これは「のっぺらぼう」のいる網走を目指すと考えるであろう第七師団の目をごまかす意味もあります。山中に潜んでいる間の食糧調達で使うリス狩りの罠「プラーシカ」はサバイバルの原点ともいうべき簡単な仕掛けながら、パフォーマンスの高い罠なので、非常時に備えて覚えておきましょうか。

この巻では、元第七師団の兵士で今は土方たちに味方している「尾形」の素性が判明します。彼は、近衛歩兵第一連隊連隊長の息子で、一時跡取りに、という話もあったのですが、庶出(愛妾さんの子)であったので本妻に子供ができると母親は捨てられ、その後、母親は精神に変調をきたすこととなります。尾形は、幼少時はその母を、成長してからは、戦場で弟を、戦後に父親を自分の手にかけているようですね。

小樽で土方たちの帰りを待っている手下の夏太郎と亀蔵は稲妻強盗の坂本慶一郎と蝮のお銀と手を組んで賭場荒らしへ。
しかし、彼らを待っていたのは鶴見中尉率いる第七師団の精鋭たちです。

第七師団の鶴見中尉は、「稲妻強盗+蝮のお銀」が刺青人皮を持っていると睨んだ上に、稲妻強盗の体にある刺青を狙って待ち伏せをしかけていたというわけですね。ここで「稲妻強盗+蝮のお銀」vs第七師団の大バトルが繰り広げられますので、ボニー&クライドばりのアクションをお楽しみください。

一方、釧路の湿原では鶴の舞を踊るアシリパを見つけて、チカパシ+インカラマツが合流します。しかし、谷垣は、この近辺で「獣姦」を繰り返している犯人と間違えられて、地元のアイヌたちに追われています。この獣姦を繰り返しているのは、詐欺師・鈴川の言っていた囚人の博物学者・姉畑支遁。谷垣たちは四日前にこの人物と出会い、一緒に野宿したのですが、姉畑は谷垣の銃を盗んで逃走していたため、その銃を見た村人たちが谷垣を犯人と思い込んだようです。地元のアイヌたちに捕まり、処刑されそうになる谷垣を救おうと、アシリパたちが動き出すのが、巻の後半戦です。

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第12巻 網走近くで、盲目の盗賊団に接触

構成は

第111話 忘れ形見
第112話 ウコチャヌプコロ
第113話 さよなら姉畑先生
第114話 エチンケ
第115話 蝗害
第116話 青い目
第117話 網走へ
第118話 尻拭い
第119話 コタンコロカムイ
第120話 奇襲の音

姉畑を探して湿原に入るアシリパたちなのですが、姉畑のほうは「羆」と交尾するために鹿の死骸をおとりにして湿原に潜伏しています。

いくら変態博物学者の行動とは言っても命と「入れ墨」に関わることなので、羆に向かって行く姉畑の救出に全員で向かうのですが、ヤチマナコに落ちたり、水にぬれて矢じりの毒が流れてしまったり、銃が故障したり、とさんざんな目にあいます。
死力を振り絞ったったのがアシリパで、大の苦手の蛇を掴んで羆になげつける雄姿を見せます。

姉畑の入れ墨を手に入れた後、釧路町の港でアシリパたちは、ウミガメ漁に出るのですが、そこで、インカラマツから父親を殺したのはキロランケでなおかつ、網走監獄にいる「のっぺら坊」はアシリパの父親ではないという衝撃の情報が提供されます。
ただ、インカラマツは鶴見中尉と手を結んでいるので、どこまでが本当の情報なのかは未確定だが、仲間内に不信の種をまいたことには間違いないですね。

ここで、物語は、網走監獄に転じます。ここに収監されている「のっぺら坊」は毎日房を移動させられているような厳重な警戒をされています。この移動の規則性を探るため、第七師団から密偵を送り込んでいる状況で、第七師団の実質の指揮官である鶴見中尉と、この網走監獄の典獄・犬童史郎助の間にはかなりの対立関係があるようですね。

巻の後半では、釧路を出発し、塘路湖近くまで到達したアシリパたちは、ここで地元のアイヌから最近この地域を荒らしまわっている全員が盲目の盗賊の噂を聞きます。彼らはここから北へ60キロいったあたりにある「硫黄山」で働かされていた囚人たちで、硫黄鉱山から吹き出す亜硫酸ガスで目をやられた者たちが徒党をくんでいるようです。さらにこの盗賊団の首領には「奇妙な入れ墨」があるという噂があることから、この首領を捕まえようと杉元たちが乗り出していくのですが・・という展開です。
今巻では、この盗賊団との接触までで、実際の戦闘シーンは次巻へ持ち越しとなります。

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【レビュアーの一言】アシリパ飯は二つの「オハウ」

今回注目したい「アシリパ飯」は、第12巻ででてくるヒグマの肉で作った「カムイオハウ」

とウミガメの肉でつくったオハウ「クンネ・エチンケのオハウ」ですね。

ウミガメのオハウのほうは、海水を水で薄めて昆布や干し魚で出汁をとり、砂浜で取ったオカヒジキも具材に、甲羅、肉、内臓を煮込んだ、海の幸ともいえる汁物で、全員喜んで食しているのですが、ヒグマのオハウのほうは、ヒグマと交接している姉畑の姿が目に浮かんだせいか、アシリパたちは口をつけずにこの村を離れているので、お味のほうは「不明」なままです。

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