【ネタバレ】ゴールデンカムイ 28(第272話~第278話)=杉元は財閥令嬢に惚れられたイケメンだった

アイヌの娘「アシリパ」と日露戦争の生き残りで「不死身の杉元」と呼ばれた杉元佐一たちが、極東アジアを舞台に、幕末の新選組の生き残りの土方歳三や日露戦争で頭蓋骨の上半分を失った情報将校・鶴見中尉率いる第七師団を相手にアイヌ民族が明治政府打倒のために集めていた大量の金の争奪戦を繰り広げる明治のゴールドラッシュストーリー『野田サトル「ゴールデンカムイ」(ヤングジャンプコミックス)』の第272話から第278話まで。

単行本的には第28巻に収録されています。

最終章に入ったことを記念して、2021年7月29日から2021年9月20日(好評のため、9月17日までの期限を3日延長)の間、無料解放されているゴールデンカムイ」。このサービスは終了しました

完結を記念して2022年4月から5月8日まで新たな読み放題サービスが展開されています。

見逃した〜から読む暇がないよ〜という方にむけてあらすじをレビューしておきます。

前話までで、鶴見中尉たちによって札幌の教会内に拉致されたアシリパは、金塊に関わる者に訪れる過酷な運命の重さに耐えかね、金塊が隠されている場所の鍵を、鶴見中尉の前で喋ってしまうのですが、アシリパが偽物刺青人皮の見抜く方法に気づき隠し場所探しで一歩前進します。さらに、杉元の陸軍入隊前の財閥令嬢との恋バナっぽいエピソードが描かれます。

第272話から第274話までのあらすじ

アシリパがこの「鍵」の言葉を呟いたところで、土方の味方になっている「有古イポブテ」が教会内に乱入。その後、札幌麦酒宣伝車に乗った杉元と白石も突入し、アシリパを助けだします。この騒ぎの中で、有古上等兵は月島軍曹に銃撃され負傷してしまうのですが、有田特務曹長によって病院へ運ばれ一命をとりとめます。

そして、この後、アシリパは死んだ房太郎の記憶から、本物と偽物が入り混じっている刺青人皮の判別方法がわかったと叫びます。一方、鶴見中尉のほうも暗号をとく鍵の正当性を確認したらしく、それぞれが独自に「金塊の埋蔵場所」の謎に迫って行きます。

アシリパは、以前、刺青人皮が水に濡れ、そのあとに金属の窯に触れた時、黒く変色したものとしなかったものがあったことを思い出したことと、贋作師の熊岸長庵が死ぬ間際に言い残した「剥製屋が作ったものには共通する「こだわり」があるかもしれない。材料から真作よりもこだわったものを使った」という言葉から、通常、皮をなめすには安価なミョウバンを使うのですが、こだわりのあるはく製屋・江戸貝弥作は、本物より柔らかく上等な革になめすことのできる植物由来のものを使っているため、その差がでることに気づきます。
これにより偽物を除いて、残った本物の革から、暗号を解く鍵である父のアイヌ名「ホロケウオシコニ」をヒントに謎解きを進めていきます。

第275話から第278話までのあらすじ

人皮の謎は、海賊房太郎が教えてくれた「アイヌが大昔に集めた金塊を最初に隠した場所」(これは後話で、函館のロシア領事館であることがわかります)に向かう列車内で解くことにするのですが、その乗車中の杉元の回想が描かれます。これは第263話の

のシーンに関係しています。

話のほうは、家族に結核患者がでたために「村八分」になった故郷を捨てて、杉元が東京で出てきたときまで遡ります。杉元は、東京で陸軍士官学校の生徒たちと揉め事を起こすのですが、。このケンカの仲裁に入ったのが、当時、陸軍士官学校の教官をしていた「菊田」で、彼が杉元につけたニックネームが「ノラ坊」ですね。

菊田は杉元の風貌が、北海道の旭川第七師団の師団長の息子で士官学校の候補生である「花沢勇作」の替え玉にして、彼に財閥のお嬢様「金子花枝子」と見合いをさせようという魂胆です。

実は、この花沢勇作の父は、彼を連隊旗手にしたいのですが、花沢の妻は旗手は死亡率が高いため、反対。勇作を財閥の令嬢と見合いさせ、関係をもたせて結婚させてしまおうと考えます。軍隊には、童貞でないと旗手になれないという不文律があるらしく、これを使おうという作戦ですね。この計画を察知した花沢連隊長が菊田に依頼し、見合いに替え玉をたてて、勇作の「童貞」を守ろうという作戦です。

(この「花沢」という名前でわかるとおり、この親子は、このシリーズに出てくるスナイパー「尾形」の父親と弟で、彼が謀殺した相手なのですが、これはずっと後のお話です。)

菊田軍曹は喋り方から服装、橋の上げ下げまで、陸士の候補生らしく杉元を教育するのですが、見合いの食事の席ででたのは、訓練していない洋食のエビフライ。フォークを二本持つという失敗をするのですが、持ち前のイケメンぶりでクリア、ついでに令嬢の心も射止めてしまいます。

そして、帝国ホテルで見合い相手の金子花枝子と二度目のデートしている偽花沢勇作(杉元佐一)は制服にビーフスチウをこぼされ、別室で着替えをすることになるが、これは花枝子の企み。彼が裸になったところを襲おうというものです。

この童貞の危機に、鶴見少尉たちが乱入してきます。鶴見たちは陸軍の第一師団長から、花沢家の騒動を闇に葬るよう命令を受けていて、勇作との結婚にこだわる花枝子の口を封じるために、拳銃を持ち出してくるのですが、ここで杉元は大暴れ。
勇作(杉元)の代わりに月島の撃った銃弾を菊田軍曹が受けて負傷します。

危機を救ってくれた杉元に惚れ直した花枝子は彼に求婚しますが、親も家も財産もない杉元は拒否し、彼は陸軍へ入隊をすることを決意します。

レビュアーの一言

杉元と菊田特務曹長との意外な関係が明らかになるのが275話から第278話までの注目ポイントなのですが、もう一つは、アイヌの隠し金塊の話を、鶴見中尉は独自に探してきたわけではなく、陸軍の上層部内では周知の事実であったところです。

金塊の争奪戦は今は第七師団との争いになっているのですが、これからの進行によっては、中央軍の介入も十分考えられるところですね。

追記>

2022年4月28日発売の「週刊ヤングジャンプ」22・23合併号で完結を迎えています。それを既年して2022年5月8日まで無料読み放題期間が延長されています。まだ読んでいないよ〜という読者はこれが無料で読める最後のチャンスになるかもしれないですね。

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