干場弓子「楽しくなければ仕事じゃない」=出版界の牽引者が語る「仕事のやり方」とは

ビジネス書、自己啓発書を中心に、取次を経由しない書店との直取引を行う出版社として、尖った書籍を発刊し続けてる「ディスカヴァー・トゥエンティワン」の社長である筆者が、「仕事に関するアドバイスなどで、一般には、やるべき正しいこととされている」ことやキーワードについて、今までのビジネス経験から、あえて、異論や違った視点を持ち込んで、若いビジネスパーソンが頼りにしがちな「働き方の常識」を揺さぶっているのが、本書『干場弓子「楽しくなければ仕事じゃないー「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書」(東洋経済新報社)』です。

構成と注目ポイント

構成は

CHAPTER1 働く人を惑わす10の言葉1 キャリアプラン
CHAPTER2 働く人を惑わす10の言葉2 効率
CHAPTER3 働く人を惑わす10の言葉3 好きを仕事にする
CHAPTER4 働く人を惑わす10の言葉4 夢をかなえる
CHAPTER5 働く人を惑わす10の言葉5 ロールモデル
CHAPTER6 働く人を惑わす10の言葉6 ワークライフバランス
CHAPTER7 働く人を惑わす10の言葉7 嫌われてはいけない
CHAPTER8 働く人を惑わす10の言葉8 リーダーシップ
CHAPTER9 働く人を惑わす10の言葉9 自己責任
CHAPTER10 働く人を惑わす10の言葉10 自己成長
おまけ 視点を変える 明日を変える

となっていて、本書の目的は「仕事を楽しむことの楽しさを伝えること」とあるので、ある種のふんわりとしたお仕事本を連想する方があるかもしれませんが、そこは剛腕で知られる出版社社長の著作とあって、「楽しい仕事はあるが、楽な仕事はない」と断言されているので気を引き締めて読んだ方がいいかもしれません。

なので、この頃、大流行の「キャリアプラン」についても

キヤリアプランの最大の問題は、自分の可能性を、今の自分に限定してしまうことにある。
(中略)
多くの場合、現実は、わたしたちが思うこと以上に可能性に満ちているのだ。

であったり、物事をやらないことの理由に使われることの多い「効率性」についても

無駄に使った(ように見える)20%の力、100の投資は、消えたりはしない。その人の中に確実に残る。残って、次の成長の礎になる。
(中略)
非生産的なこと、無駄を排した組織(小グループから国家レベルまで)は衰退する、というか実際、衰退してきた。・・・少なくとも、人生のお楽しみは、そうした「余計な」ものの中にあるんじゃないか。

と言った感じで、小気味いい「逆説」が展開されていて、このへんは、お利口そうな人(あくまで「そう」な人ですよ)に、とうとうと喋られ、やりこめられながらも、何かしら納得できないところが澱のようにたまっている時には、そのわだかまりを溶かしてくれることは間違いないです。

さらには、「あなたのかなえたい夢は何?」と言われて、自分のやりたいことが思いあたらなくて、自分は何も成し遂げられないのではと、悩んでいる人には

大きな野望や野心、ハングリー精神、壮大な夢がなくても、人はさまざまなことをモティベーションに、物事成し遂げられる。
だから、ハングリー精神や夢がないことを、モティベーションが湧かないことの理由にしてはいけない。

といった言葉が、尻っぺたを蹴り飛ばして前へ進ませてくれることになるかもしれません。なにせ、筆者のおススメの「成功の法則」は

①「できない」の代わりに、「もしできるとしたら」と言う言葉を使う
②小さくても、できることから、とにかく手を動かし、やってみる
③結果を見て、フィードバックを受け、またつくり直す

ということで、「犬も歩けば棒にあたりが、歩かなければ何も起こらない」ということだそう。

さらには

持続的に高い実勢を上げている営業スタッフは、ある意味、どこかKYである。空気えおを読めない・・・多少、相手がイヤな顔をしても、たじろがない。というか、気がつかない。別の言い方をすると、「いい人」を必要以上にない。

ということだそうなので、他人の顔色に影響されやすくて悩んでいるあなた、もっと「鈍感」になってもいいようですよ。

このほか、「ロールモデル」や「ワークライフバランス」など、最近よく見かける「ビジネス・ワード」「リーダーシップ」についても、ちょっと違った角度からのアドバイスがされてますので、詳細は原書のほうで。

Amazon.co.jp: 楽しくなければ仕事じゃない―「今やっていること」がどんどん「好きで得意」になる働き方の教科書 eBook : 干場 弓子: 本
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レビュアーの一言

とかくビジネスマンは将来のことをよく考えて動くべきだとあちこちから「指導」されるもので、そのたとえ話としてでてくるのが、イソップの「アリとキリギリス」の話なのですが、ここで筆者は「キリギリスはアリより不幸なのか?」と疑念をさしはさみます。

今この瞬間、「幸せでいる」ことのほうは、遠い先に「幸せになる」ことより、ずっと必要なことなんじゃないか?

という言葉は、準備ばかりして飛び出せない私たちや、今を「暗いもの」と考えがちな私たちが、とりあえず一歩踏み出さしてくれそうな気がします。

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