ガッツはキャスカを連れ、蘇った白い鷹への復讐の旅を再開する=「ベルセルク」22~24

中世ヨーロッパを思わせる、キリスト教に似た宗教が強大な力を持ち、貴族階級と王権が支配する「ミッドランド」を舞台に、身の丈を超える巨大な剣を武器に、悪魔となった上に恋人を陵辱した、かつての盟友への復讐を志して旅を続ける死人から生まれた男「ガッツ」と、自らの国をこの世界につくりあげようと、暗黒の世界に身を売り、蘇った男「グリフィス」を軸に、剣と悪魔と魔獣が戦う「ダークファンター」シリーズの名作・三浦建太郎「ベルセルク」シリーズの「千年帝国の鷹篇 聖魔戦記の章」の前半部分をレビュー(単行本第22巻から第24巻)。

前巻まででアルビオン修道院の「蝕の模倣」で、グリフィスが復活を遂げた後、ガッツをグリフィスへ一矢報いるため、新しいメンバーとパーティーを組み、再び復讐の旅へと出かけていきます。

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あらすじと注目ポイント

第22巻 ガッツはキャスカと新しい旅に出、グリフィスは異国軍に戦いを挑む

第22巻の構成は

ほころぶ世界
剣の丘の再会
獣剣士対黒い剣士
不変
戦記の序章
クシャーン猛襲
鬨の風①
鬨の風②
雪と炎と/前篇
雪と炎と/後編

となっていて、アルビオン修道院の「蝕の模倣」によって、グリフィスが蘇り、闇が現実の世界へ浸みだしてきているのを子供たちが感じ始めた頃、ガッツとキャスカは、鍛冶屋のゴドー親方の家へと帰還します。

すでにゴドー親方は亡くなっていて、親方の娘エリカと鷹の団の生き残り・リッケルトが鍛冶屋と鷹の団の戦死者の墓標を守っています。

ここで4人一緒に暮らそうと誘うエリカたちに対し、ガッツはどうするか決めかねているのですが、そこ」に現れたのが不死者ゾッドを従者にした蘇ったグリフィスです。

グリフィスに蘇った経緯を問い質そうとするガッツに対し、グリフィスを守るかのようにゾッドが立ちはだかり、二人の間で激しいバトルが始まります。そして、ガッツの問いかけに対し、グリフィスは「自分の国を手に入れるという夢は変わっていない」と告げ、姿を消してしまいます。

グリフィスへの復讐を果たすため、今度はキャスカを連れて、ガッツの新しい旅が始まります。

後半部分は、ミッドランドの西方の城塞「ジェド」に攻めかかるクシャーン軍から始まります。城を落とし、住民を捕虜にして虐殺と略奪を始めようとするクシャーン軍の前に現れたのが、不死者ゾッドを連れたグリフィスです。彼は臣従を申し出た「月光の騎士・ロクス」、暗殺集団バーキラカの追放者「夜魔(ラクシャス)」を配下に加え。クシャーン軍を圧倒していきます。

第23巻 ガッツは新しいパーティーで旅を続け、グリフィスの軍隊はますます大軍となる

第23巻の構成は

冬の航路①
冬の航路②
こぼれた時間
我牙(がき)
荒れ野の再会
戦魔
飛剣の御旗
光と闇の翼
星降る夜
嬰児の如く

となっていて、冒頭では雪山の中を、襲ってくる「魔」を撃退しながら旅を続けるガッツたちが描かれます。ただ、キャスカは幼女レベルの精神状態に退行しているので、同行の旅はけして楽なものではありませんね。
この辛さを「魔」に付け込まれて、ガッツはキャスカを殺そうとしてしまい、彼女の信頼をとことん失くしてしまうこととなります。

中盤部分では、前章でガッツの弟子格となった「イシドロ」に再会します。さらに、ガッツを探して、聖鉄鎖騎士団を離れたファルネーゼと彼女の部下セルピコとも会い、ここらか、ガッツ、キャスカ、イシドロ、ファルネーゼ、セルピコの新たなパーティーが結成させることになります。実のところ、キャスカはファルネーゼに懐いていくことになるので、キャスカが同行できているのは、ファルネーゼのおかげですね。

そして後半部分では、ミッドランドに侵攻してきたクシャーン軍に対し、戦を挑むグリフィス率いる新生「白い鷹団」の姿が描かれます。

グリフィスは、彼に従う元ミッドランド兵のほかに、投降したクシャーン兵、「魔物」から転身した「戦魔兵」、かつての敵国チューダーに滅ぼされた北の小国連合軍の亡命軍を吸収して、クシャーンへの一大抵抗軍を組織しています。

ここにミッドランド貴族「ミュール」の軍隊も加わり、グリフィス軍は、ミッドランド正規軍の一部も加わり、クシャーン軍へと対峙していきます。

第24巻 若き魔女・シールケがガッツのパーティに新規参加。

第24巻の構成は

獣鬼(トロール)
魔女
霊樹の館①
霊樹の館②
幽界(かくりよ)
魔石
元素霊(エレメンタル)
イーノック村
野望と追憶
獣鬼襲来

となっていて、パックの勧めに従って、彼の故郷のエルフの島を目指すため、港を目指して峠越えをしていたガッツ一行なのですが、そこで、イシドロとファルネーゼ、キャスカがトロール(獣鬼)の群れに襲われます。

見た目はずんぐりむっくりのしょぼい姿なのですが、意外に素早く、凶暴で、持っている棍棒による一撃は相当の破壊力があります。油断をあった逆に斃されそう人なるイシドロだったのですが、彼を救うように出現したのが魔術師姿の少女・シールケです。

彼女はファルネーゼたちの周りに結界を張った上で、火の魔術によってトロールを撃退し、どこかへ消えてしまいます。

そして、イーノック村の村人から村を襲い始めたトロール(獣鬼)とそれから村人を守ってくれる魔女の話を聞いたガッツたちは、森の奥深くに進み、森の中の「霊樹の館」に住む魔女「フローラ」に出会います。彼女は、ファルネーゼたちの素性を言い当て、ガッツとキャスカに「烙印を二人を待っていた」というのですが・・という展開です。

中盤部分では、フローラや彼女の若き弟子・シールケから、この世の構造や、ベヘリットの秘密が語られるのですが、詳細は原書のほうで確認してくださいね。

後半部分では、フローラが、シールケにガッツ一行の旅に同行するように命じ、ガッツたちにはは、二人の魔女によって、「生贄の烙印」を護符で封じたり、魔法の呪具を与えます。

そして、イーノック村を大挙して襲うトロール(獣鬼)の群れとの戦いの火蓋が切って落とされます。

レビュアーの一言

23巻の終わりから24巻にかけて、村を襲い、ガッツたちと戦うことになるトロール(獣鬼)は、もとは北欧に伝わる妖怪の一種で、華や耳が大きく毛むくじゃらの巨人という姿であったのですが、後世になるにつれ、小型化し、デンマークでは「白く長いあごひげの老人」、スカンジナビア半島諸国では、長塚や土墳の下に住む小人の妖精の姿で描かれるようになっています。

ちなみに、ネットスラングで「トロル行為」というのは、インターネット飢えのオンラインゲームやソーシャルメディアでの迷惑行為・荒らし行為をいうのですが、妖怪のトロールの行動に由来していると思われます。

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