黒い剣士ガッツは海の孤島に巣食う海神を人魚のアシストで打ち斃す=ベルセルク35〜37

中世ヨーロッパを思わせる、キリスト教に似た宗教が強大な力を持ち、貴族階級と王権が支配する「ミッドランド」を舞台に、身の丈を超える巨大な剣を武器に、悪魔となった上に恋人を陵辱した、かつての盟友への復讐を志して旅を続ける死人から生まれた男「ガッツ」と、自らの国をこの世界につくりあげようと、暗黒の世界に落ちながら「蝕」の模倣によって再生した男「グリフィス」を軸に、剣と悪魔と魔獣が戦う「ダークファンター」シリーズの名作・三浦建太郎「ベルセルク」シリーズの「幻造世界(ファンタジア)篇 妖精島の章」の前半部分をレビュー(単行本第35巻から第37巻)。

前巻までで、クシャー帝国のガシュニカ大帝を倒し、幽界と現世が融合した世界がい訪れたのですが、グリフィスが支配するその世界で繰り広げられる魔獣討伐と、キャスカの心を取り戻すため妖精島を目指すガッツたちの新たな旅が描かれます。

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あらすじと注目ポイント

第35巻 ガッツたちの乗るシーフード号は「海神の島」に退避し、ナマコの魔物に襲われる

第35巻の構成は

ー千年帝国の鷹篇 鷹都の章ー
ファルコニア

ー幻造世界篇 妖精島の章ー
幽霊船①
幽霊船②
幽霊船③
孤島
鳴る瀬ろの娘
禍海の者共
人触手
触手船

となっていて、冒頭の第一話は「千年帝国の鷹篇 鷹都の章」の最終話です。グリフィスがもたらした世界がどんなものか見ておきましょう。

第二話からは「幻造世界篇 妖精島の章」の開始です。幽界と現世とが融合したため、いたるところで魔物と現世の生物との合体が始まっていて、第33巻でシーホーク号に撃退された「髭骸骨船長」率いる海賊船・鮫乗り船長号が、深海に棲むナマコの魔獣と一体化して襲ってきます。
第33巻ではほとんど「クズ」状態だったのですが、魔物と合体してそこそこ強くなっていてシーホーク号に被害を及ぼすのですが、ガッツにはまだまだ敵わないようですね。

で、海賊船にあちこち破られて、浸水している箇所も出てきたため、シーホーク号は近くの島へ退避します。こんなとき、お調子者のイシドロは早速上陸して、海沿いにある巨大洞窟に入ろうとするのですが、見知らぬ少女に「海神の住処なので近づいてはいけない」と忠告されます。イシドロとシールケは、この漁師の少女・イスマから島の海神と人魚の伝説を教えてもらいます。

ガッツたちは島内の村内にある一軒きりの宿屋兼酒場で食事をとっているのですが、夜になるにつれ、怪しい風体の客が増えてきます。そして、宿屋の主と「海神様の復活祭でさぁ」の言葉をきっかけに、海賊船にとりついていた海の魔物たちが襲ってきて・・という筋立てです。

第36巻 海神の島で、大量のナマコの魔物と海神との大戦闘が始まる

第36巻の構成は

ー幻造世界篇 妖精島の章ー
満月①
満月②
獣士
海神①
海神②
海神③
震臓(しんぞう)
深き呼び声
人魚①

となっていて、前巻の最期から続く海神の手先のナマコの魔物や髭骸骨船長の海賊船との戦いが継続しています。大量のナマコやウミウシの魔物が襲ってきたことで、ガッツは狂戦士の甲冑と一体化して戦いを進めるのですが、シールケは近くにいないため、彼女が憑依してのコントロールは不可能です。
狂戦士の甲冑に精神を支配されそうになるガッツなのですが、ここで、光輝く精霊がキャスカのイメージを彼の心に送り込んできて、ガッツの心を引き戻し・・という筋立てです。ここでも、第28巻で登場した小さな子どもが現れているのがなにかのヒントでしょうね。

中盤では、この島を支配している「海神」の巣に、ガッツ(狂戦士の甲冑)+シールケの布陣で乗り込みます。シールケがガッツに憑依している間、船を守る呪力がなくなるのですが、これをシールケに魔術を教わっているファルケーゼが「四方の陣」を張って防御を引き受けます。
シーホース号には、髭骸骨船長率いる海賊船とナマコの魔物が押し寄せてきて、船に残っているイシドロやロデリック率いるイースの兵士たちとの大戦闘が始まります。

一方、ガッツ(狂戦士の甲冑)+シールケが海神のいる洞窟に潜り込んでみたのは、巨大なタコの魔物です。ガッツ(狂戦士の甲冑)+シールケは、海神の口から体内に入り込み、心臓目指して進んでいくのですが・・という展開です。

そして、戦闘の最中に海に落下したイシドロを救おうとして、海に飛び込んだイスマが驚きの変身を遂げることになります。

第37巻 イスマたち人魚の「歌声」攻撃が海神内のガッツをアシストする

第37巻の構成は

ー幻造世界篇 妖精島の章ー
人魚②
声連(セイレン)
浮上
流星
 遠い日の春花①
 遠い日の初花②
 遠い日の春花③
幌馬車
楽土

となっていて、人魚に変身したイスマは彼女の母親人魚と再会し、仲間の人魚たちとともに海神に向かった「歌声」を歌いかけます。すると歌声と鼓動が互いに音を打ち消しあい、心臓の動きだけを目と耳の効かなくなったガッツに伝えます。それで心臓の位置をつかんだガッツは、大剣を振りかざし、力を振り絞って海神の心臓を叩き切って海神を斃します。

そして、ここでも海神の中に取り残されたガッツを救出するため、光輝く精霊が、シールケたちの道標となっていくところ注目しておきましょう。

中盤の「流星 遠い日の春花」はガッツがまだ若く傭兵暮らしをしていたころのエピソードです。負け戦で捕虜となったガッツが逃亡を図って投獄された牢獄で出会った「花の妖精 チッチ」との心あたたまるお話です。

後半部分では、鍛冶屋の里に残っていたリッケルトとエリカが里を出、グリフィスのいる鷹の都(ファルコニア)へとやってきて、次巻以降の後半部に続いていきます。

レビュアーの一言

タコに似た海の怪物というと、一番に思い浮かぶのは「クラーケン」でしょう。
クラーケンはノルウェーに伝わる怪物で、島や砂州のように巨大な魚介類で、多数の角と足をもつとされています。食べたものを吐き戻して撒き餌として魚を大量に集め、一挙に食らって長期間かけて消化するといわれています。
正体は巨大なカニ、タコ、ヒトデといった説が乱立しているのですが、現在はダイオウイカというのが一番有力なようですね。

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