チアキはヒグマに襲われた母親の捜索に加わり、相棒の伊藤と決別する=安島藪太「クマ撃ちの女」8〜10

幼い頃に姉とともに熊に襲われた経験がありながら、おじに教わったことがきっかけで「猟の沼」に入り込んでしまった単独行の女性猟師・チアキを主人公に、東京から来た出版社のライター・伊藤とともに、北海道での「クマ撃ち」を描く狩猟コミック「クマ撃ちの女」の第8弾から第10弾。

前巻で、猟の魅力に取りつかれ、定職につかずにクマ撃ちをしている妹チアキを「猟」から足を洗わせようとやってきた姉チカと叔父カツヤと、鳥撃ち猟につれていかれる話の結末が描かれるとともに、親子連れを襲った、チアキがかつて遭遇した耳なしクマとの再対決が描かれます。

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あらすじと注目ポイント

第8巻 チアキは猟への復帰を許され、穴持たずのクマ退治に参加する

前半では第7巻に引き続き、叔父カツヤに連れられて「山鳥撃ち」にやってきたチアキとチカの話の結末篇です。カツヤは幼い頃に二人に山の面白さを教えてくれた人なのですが、それが姉チカがクマに襲われた原因となったと後悔の念ももっていて、この章は、チアキが主役ではなくて、叔父タツヤの贖罪篇ですね。

中盤からは、親子連れを襲ったクマの駆除の話です。
家族でのドライブの途中、山間のところで、子供を茂みの中でおしっこをさせていた母親と息子のうち、母親がクマに襲われ、山中へ引きづられていきます。。母親は北海道出身のようなのですが、慣れによる油断があったようですね。

通報を受けて、警察と猟友会が被害者の捜索に出、捜索隊にはチアキも加わるのですが、事件直前に現場で確認された映像をみると、かつてチアキと姉のチカを襲い、牛牧場で再び遭遇した、右耳のない「牙欠け」の穴持たずのクマです。

因縁の相手に対し動揺が隠せないチアキなのですが、という展開です。

第9巻 チアキは伊藤を囮にする鬼畜行動で、彼と決別する

捜索隊の慎重な捜索活動にイラついたチアキは、パートナーの伊藤とともに単独行動にでます。牧場で「牙欠けクマ」の襲われた経験から、クマが被害者の遺体でつくった雪饅頭を探し出して、それを利用してクマをおびきだそうという作戦なのですが、ここでチアキはパートナーの伊藤を囮として使い、被害者の遺体を利用するという暴挙にでます。

結果的には「遺体の早期発見」ということで落ち着くのですが、これが彼との決別のきっかけとなってしまいます。やはり、チアキは他の人間との共同行動のできない人物なんでしょうか・・。

後半部分からは、東京から猟師になりたくて北海道にやってきている中野が「押しかけ弟子」となってチアキの懐に入り込んできます。彼女はクマ撃ちの猟師ではなく、シカ撃ちの猟師に目標を変えているのですが、先日の捜索行でチアキの様子を見て弟子入り志願をしてきた、ということなのですが、実は別の魂胆があることが次巻で明らかになってきます。

第10巻 チアキは押しかけ弟子の中野にダメ出しされる

今巻では、押しかけ弟子となった中野を連れて、チアキの「猟師教育」が始まっています。このあたりは、北海道の「猟」の深掘り情報ということで楽しく読んでおきましょう。

本編のほうでは、書物やネットの知識が中心で、猟友会の猟師や、先輩猟師について実地で学習していない中野に対し、チアキの「実地指導」がされるのですが、一挙手一投足、注意される中野はかなり凹んでしまうのですが、法律すれすれのチアキの指導方法にだんだんと隙間がでてきていますね。

そしてそれは吹雪に襲われて遭難寸前になったり、シカ撃ちの女性猟師「宮下」と出会うことで、中野のチアキに対する不信感は絶頂を迎え・・という展開です。ここには、中野がチアキに弟子入りした本当の狙いが関係しているのですが、その詳細は原書のほうで。

レビュアーの一言

2023年5月時点で、北海道では2023年1月から5月の間に3件のヒグマによる人身事故が発生し、幌加内町の朱鞠内湖湖岸で釣り客の男性が襲われて死亡するという事故もおきています。近年では、山裾部だけでなく、市街地へ出没することも増えているようで、1990年代に「春グマ駆除政策」が転換したことをきっかけにヒグマの頭数が増加していることや人に追われることがなく人を怖れない個体がふえているのでは、といった推測がされているようです。
コミック内のことと安心せず、注意が必要なのは間違いないですね。

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