辺境駐在員

ミステリー

人形作家の頼りない父と、しっかりした娘のほのぼのミステリー ー 藤野恵実「ハルさん」(創元推理文庫)

仕事が立て込んで気持ちがささくれている時や、あれこれうまくいかない時に、読書によって気を紛らすというのは、精神の安定を図る上で有効な手段であるのだが、そんな時にチョイスする本は、どちらかというと軽めのものがよくて、そのあたり、ミステリは種種...
トラベル

“外ごもり”も変化する ー 下川裕治「生きづらい日本人」を捨てる(講談社新書)

沖縄・アジア、とりわけタイの滞在記・旅行記で、我々の旅への思いをかきたてる下川裕治氏が、海外に流れていき、そこに移住する人々を取り上げたルポの第2弾。第1弾の「日本を降りる若者たち」は2007年の発刊で、比べる若者をはじめとした日本人の意識...
仕事術

Seria フリーノート368をモレスキン風に使ってみた感想

人気のノートゆえ、長い間お目にかからなかったのだが、年末の手帖シーズンということで偶然ゲットしたseriaのフリーノート368。 定番は「ほぼ日手帳」風に、毎日1ページといった感じで使うのが多いのだろうが、当方は飽きっぽいので、おそらくは1...
ワークスタイル

ひさびさにダイスキンを発見した

今週は「軟禁状態」のような仕事環境が続いて、昨日の東京行き以外、食事も自席でとり、会議質っぽいところへ缶詰、といったことでプラっと外出することもできず、ブログ更新も滞りがちといった状態であったのだが、ひさびさの休日ということで底を付いてある...
ビジネス

移住定住もアーリー・マジョリティへ移行か ー 『いなか暮らしの本』編集部「おひとりさまの田舎ぐらし」(宝島社新書)

ありきたりの、地域おこし・地域振興系の、”田舎が一番”の「移住・定住」オススメ本かと思う向きもあろうが、あえてレビュー。 構成は 第1章 自分らしさを求めて  大工仕事もお手のもの。セルフビルドで始める田舎暮らし  スープがメインのカフェで...
ビジネス

都会少女の成れの果てにエールを ー 酒井順子「オリーブの罠」(講談社新書)

いわゆる「雑誌」は古今東西、数多く出版されているのだが、時代をつくった「雑誌」といった当方が思い浮かぶのは、「平凡パンチ」「PLAY BOY」「少年ジャンプ」「アスキー」といったところで、男性ゆえのバイアスがかかってしまっているのだが、女性...
グルメ

缶詰は意外に侮りがたいものの象徴であるか ー 『日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36』(講談社+α文庫)

美食もの、食い物本は数々あるが、本書のように「缶詰」のみを取り上げたものは見当たらないといっていい。 取り上げられている缶詰は むきそば、またぎ汁、極上いちご汁、本格鯖、がめ煮、タコライス、ふくちり、つぶ水煮、金目鯛、炙りビントロオリーブ油...
今 柊二

食べ物で知る「今」と「昔」の隔たり ー 今柊二「定食と文学」(本の雑誌社)

文学の主要テーマは、恋愛(SEX)、諍い(戦争)、食べ物で大概のものは分類できると思うのだが、今回の定食シリーズは「文学」の中の「定食」を取り上げようという乱暴なもの。 構成は 第一章 二大定食作家 林芙美子と獅子文六  コラム 林芙美子と...
ビジネス

「職人の組織」の運営は、意外に日本的なポイントが大事であった ー 鈴木敏夫「仕事道楽 新版 ー スタジオ・ジブリの現場」

ジブリのプロヂューサーである鈴木敏夫氏が「宮崎 駿」「高畑 勲」そしてジブリの会社としての誕生から現在まで、「ナウシカ」「トトロ」をはじめとするジブリの作品数々の誕生からリリースにまつわる逸話を語ったのが本書。 構成は 序にかえてー体にしみ...
トラベル

「横丁」は都会の魔力の表れか ー 矢吹申彦「東京の100横丁」

「横丁」の定義っていうのはよくわからないところで、本書には 地産地消と相俟って、地域の活性化のための屋台村が元気だと聞く。屋台村と云っても屋台型に限るわけではなく、幾つかの店が入る固定型施設、いわば横丁。 (中略) 確かに酒場と旨いものが並...