デザイン」カテゴリーアーカイブ

”デザイン思考”の大御所が語る佐藤可士和「世界が変わる「視点」の見つけ方 」

佐藤可士和さんといえばビジネス現場で「デザイン」というものが語られるようになった、その大元締めというか元祖的なイメージが当方にはある。

その佐藤可士和氏の「デザイン論」を語った第一章と第三章の間に、慶応大学で氏が「未踏領域のデザイン戦略」というテーマで講義と実習を行ったときの記録を挟めた、デザイン思考お理論と教育を語るといった感じに仕上げられているのが本書『佐藤可士和「世界が変わる「視点」の見つけ方 (集英社新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

巻頭言 デザインの可能性について
第一章 「デザイン」を広義に解き放つ
第二章 「未踏領域」をデザインするー慶應SFCでの実践記録ー
 1 授業の組み立て
 2 学生たちのプレゼン事例
 3 学生たちの感想
 4 Q&A
 5 対談 佐藤可士和×オオニシタクヤ
第三章 「視点」をつかむためのヒント

となっているのだが、今回は、第一章と第三章を中心にレビュー。
当方が、まず注目したのは

アウトプットがグラフィツクでも、プロダクトでも、あるいは空間でも、僕の場合、常に核に置いているのは「コミュニケーション」です。
いい換えれば、僕のデザイナーとしての専門領域は「コミュニケーションのデザイン」であり、そのコミュニケーシヨンを最大化するメディアとして、グラフィツクや空間がある、という思考プロセスになります

というところで、「デザイン」というとどうしても「ビジュアル」なアート的なものを思い浮かべるのだが、佐藤可士和氏の「デザイン」とはそれとは違って、よりビジネス活動や日常生活の活動に近いところにあるようである。

続きを読む

クリエイティブ・ディレクションをきちんと学ぶには、まず本書から ー 六本木未来大学 編「0→1(ゼロトゥワン)を生み出す発想の極意(日本経済新聞出版社)

Web情報によると、六本木未来会議のクリエイターインタビューで、水野学さんが提唱した構想に基づき、クリエイティブディレクションを学ぶ学校としてつくられたのが「六本木未来大学」であるそうな。

さらに、本書によるとデザインは「多くの人にとっては、学ぶ機会も殆どなかったのにも関わらず、「当然」わかりますよね」と日々実践を強いられている状態」の中で、「学ぶ機会がないのなら、その機会をつくってしまおう!と、デザインを必要としている全ての人が、デザインを学べる場として立ち上げた」もので、本書は2015年から2018年9月まで行われた講義録の中からセレクトして収録されたものである。

【収録と注目ポイント】

収録されている講義は

「クリエイティディレクションって何ですか?
 ー水野学 クリエイティブディレクター」

「伝わるアイデアって何ですか?
 ー小西利行 POOL inc.ファウンダー」

「人が動く企画って何ですか?
 ー嶋浩一郎 博報堂ケトル代表取締役社長」

「物欲なき世界のクリエイションって何ですか?
 ー菅付雅信 グーテンベルグオーケストラ代表取締役」

「ビジネスのデザインって何ですか?
 ー夏野剛 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授」

「クリエイティブディレクションに必要な法との付き合い方って何ですか?
 ー水野祐 弁護士」

となっていて、デザインやクリエイティブディレクションに知識の深い方々の、多様な視点からの講義が収録されている。初っ端は、水野学さんの講義で始まるのだが、氏の著作はこのブログでもいくつかレビューしているので、ここは、他の人の言説で気を引かれたところをいくつ紹介すると、まず、クリエイティブディレクションの必要性のあたりは、小西利行氏の

続きを読む