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半藤一利「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」(文芸春秋)

昭和史をはじめ近世日本の歴史評論の名手である半藤一利氏によるリーダー論。 リーダー論というものは、ビジネスの現場には付き物で、大概のビジネスマンが、出処進退あるいは何か組織内の自分の立ち位置や行動を起こす時や上司の批評をする時にそこかしこに...
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”スローシティ”は”懐古主義”ではない — 島村菜津「スローシティ 世界の均質化と闘うイタリアの小さな町」(光文社新書)

「現代都市というものは、足を踏み込んで、最初はなかなか刺激的だ。わくわくする。し かし、ものの半時もすれば、友を見失ってしまうんだ。」 冒頭で、イタリアのスローシティの日本視察団が漏らす言葉である。 ゆるやかに流れる時を観光に、あるいは地域...
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空き家を取り巻くお寒い現状 — 長嶋 修「「空き家」が蝕む日本(ポプラ新書)

日本全体の人口減少の話や地方創生・地方の活性化の話が喧しくなり始めるのと並行して、「空き家」の問題が様々な形でクローズアップされてきている。それは、空き家による都市の空洞化の問題であったり、空き家を活用したリノベーションの話であったり様々で...
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移住定住もアーリー・マジョリティへ移行か ー 『いなか暮らしの本』編集部「おひとりさまの田舎ぐらし」(宝島社新書)

ありきたりの、地域おこし・地域振興系の、”田舎が一番”の「移住・定住」オススメ本かと思う向きもあろうが、あえてレビュー。 構成は 第1章 自分らしさを求めて  大工仕事もお手のもの。セルフビルドで始める田舎暮らし  スープがメインのカフェで...
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都会少女の成れの果てにエールを ー 酒井順子「オリーブの罠」(講談社新書)

いわゆる「雑誌」は古今東西、数多く出版されているのだが、時代をつくった「雑誌」といった当方が思い浮かぶのは、「平凡パンチ」「PLAY BOY」「少年ジャンプ」「アスキー」といったところで、男性ゆえのバイアスがかかってしまっているのだが、女性...
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「職人の組織」の運営は、意外に日本的なポイントが大事であった ー 鈴木敏夫「仕事道楽 新版 ー スタジオ・ジブリの現場」

ジブリのプロヂューサーである鈴木敏夫氏が「宮崎 駿」「高畑 勲」そしてジブリの会社としての誕生から現在まで、「ナウシカ」「トトロ」をはじめとするジブリの作品数々の誕生からリリースにまつわる逸話を語ったのが本書。 構成は 序にかえてー体にしみ...
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社会起業の成功は”熱気”が不可欠な気がしてきた ー 佐野章二「社会を変える仕事をしよう」(日本実業出版社)

「ホームレスに仕事を与える」という難題を解決するため、仕事を失ってホームレス状態になった人たちに、雑誌の販売の仕事を提供する。・・具体的には、300円の雑誌10冊を無料で提供し、販売者となったホームレスの人はその売上3000円を元手に、以後...
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社会起業家は新しい「公的サービスの担い手」になりうるか  ー 「社会に役立つ」を仕事にする人々(洋泉社)

最近、公的サービスの代替あるいは代行をするにはどういう主体がよいのか、といったことを考えていて、その一つの「解」となる可能性の一つが「社会起業家」ではないかと思い始めている。 数年前の民間委託ブームの時に主体となりうるか、と考えられていた「...
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都市(まち)は死なない ー 嶋田洋平「ぼくらのリノベーションまちづくり」(日経BP社)

最近、仕事の関係で「空き家問題」について調べたりしている。「空き家」の増加はメディアでもかなり取り上げられているのだが、高度成長で様々なインフラが膨れた後に人口減少社会を迎えつつある「日本」なので、やむを得ないものではあるのだが、やはり数字...
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「空き家」は田舎だけの問題ではない ー 牧野知弘「空き家問題ー1000戸の衝撃」(祥伝社)

最近とみに社会問題化してきた「空き家」の問題なのだが、それについて2014年段階でレポートされたのが本書。しかし、この問題、今の段階でも抜き差しならない課題と認識されているか、となるとそのあたりは心許ない状態にある。 構成は はじめに 地方...