へうげもの

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「数寄」と「政治」のすれ違いは昔から根深いもの — 山田芳裕「へうげもの 十服」(講談社文庫)

さて十巻は、加藤・福島らの石田三成を除こうとする反乱に始まる1599年閏3月3日に始まり、関ヶ原(1600年10月21日)の直近の1600年9月8日まで。 反乱騒ぎで、石田三成は五奉行を辞し、前田利家の亡くなり、いよいよ世の実権は「徳川へ」...
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巨星が堕ちるときには大振動があちこちでおきるもの — 山田芳裕「へうげもの 九服」(講談社文庫)

第9巻で、とりあげられる時代は、慶長の役が始まる1956年から石田三成を除こうとする加藤・福島の反乱(?)が起きた1599年3月2日まで 冒頭、禁教令が発布され、高山右近を見せしめとして処刑しようとする石田三成に対し古田織部は九州であった三...
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熟すれば「数寄」と「統治」は袂を分かち始めるのだね — 山田芳裕「へうげもの 八服」(講談社文庫)

第8服の「へうげもの」文庫版は。1595年2月伏見邸の完成から1596年伏見城の山里丸が建築される頃まで ざっくりと、この巻で筋をレビューすると 前巻で、伊達政宗と大騒ぎをした、蒲生氏郷は病死している。 織部は唐津務めを良いことに朝鮮に渡り...
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時代の文化的象徴の壁が崩れる時は、かくも劇的か — 山田芳裕「へうげもの 七服」(講談社文庫)

武人にして茶人である数寄大名・古田織部を描いたコミックの文庫版の第7巻。 年代は1991年2月24日から1595年9月。 秀吉が刺客に襲われ千鳥の香炉が鳴いて危難を逃れたエピソードから、利休の処刑を経て、伊達政宗と蒲生氏郷が和解するまで。 ...
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茶人大名の戦国絵巻〜北条氏滅亡から利休が捕らわれるまで — 山田芳裕「へうげもの 六服」(講談社文庫)

武人にして茶人である数寄大名・古田織部を描いたコミックの文庫版の第6巻。 時代は1590年6月下旬から1591年2月まで。 事件的にいうと戦国関東の雄・北条氏の滅亡から始まる。 その後、織田長益が出家して織田有楽斎となったり、利休の娘・お吟...
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茶人大名、小田原でさらに脱皮する — 山田芳裕「へうげもの 五服」(講談社文庫)

さて、本日は続いて「へうげもの 文庫版」の第五巻をレビュー。 年代は1588年1月~1590年5月 歴史的なエポックは、小田原の北条攻め。 先立って、あの山上宗二が北条氏に厄介になり彼の居場所を発見するのだが、これが彼の悲劇的な死の発端にな...
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禁令の出た時の立ち居振る舞いに、人の本質は顕になるものであるな — 山田芳裕「へうげもの 第四服」(講談社文庫)

さて、引き続き、古田織部のコミックもの「へうげもの」に文庫版第4巻をレビューしよう。 年代は1586年~1587年。歴史的な出来事としては、家康の上洛、秀吉の九州攻め、禁教令の発布、聚楽第の完成と大茶会といったところで、秀吉の天下がこれから...
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太平になりそうになると、なにやら蠢くのが世の常か — 山田芳裕「へうげもの 三服」(講談社文庫)

このところ、続けてエントリーしている、古田織部シリーズの文庫版第三巻。 時代的には1582年6月〜1586年6月。本能寺の変の後、秀吉の中国大返し、そして光秀が破れて秀吉の天下となるところ。市井の説による、明智光秀が天海僧正となる話は、どう...
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茶人大名の「本能寺」 — 山田裕裕「へうげもの 第二服」(講談社文庫)

茶人大名 古田織部を主人公にした歴史コミックの文庫版第二巻。 構成は 第十四席 mt.富士レストラン 第十五席 レイン フォール ダウン!? 第十六席 今宵はイートイット 第十七席 幻惑されて 第十八席 天下を憐れむ歌 第十九席 未来への讃...
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茶人大名という異色の人物を主人公にした戦国歴史もの — 山田芳裕「へうげもの 第一服」(講談社文庫)

歴史コミックの構成は、もちろん、歴世の英雄をもろにとりあげる「良い子の伝記」モノのようなものもあるのだが、コミックとしてきちんと読めるものは、英雄の側に異物(例えば、未来からタイムスリップした高校生なんてのだよね)をすべりこませるか、歴史上...