時代小説・歴史小説

上田秀人

徳川信康と築山殿の処刑の原因は「一向一揆」?=上田秀人「継ぐ者」

徳川家と武田家とのし烈な戦いが行われている最中におきたのが、徳川家康の跡取りとして、織田信長の娘・五徳を妻女にもらい、勇猛果敢な武将として知られた「徳川信康切腹事件」です。武田家の陰謀とも、織田信長の徳川家の勢力を削ぐための策略、あるいは徳...
井原忠政

浅井の遺臣・与一郎は越前国崩壊と長島の殲滅戦を目撃する=井原忠政「長島忠義 北近江合戦心得二」

織田信長に攻め滅ぼされた近江の戦国大名・浅井長政の家臣で弓の名人であった主人公・遠藤与一郎が、主家の滅亡後、信長の家臣・豊臣秀吉の足軽となり、浅井家再興のために、心ならずも信長の天下統一に力を貸していく、お家再興物語「北近江合戦心得」シリー...
門井慶喜

東京の地下に「鉄道」を通した男の物語=門井慶喜「地中の星」

明治5年、新橋と横浜の間を日本で始めての鉄道が開通してから40年以上が過ぎ大正年間。現在の23区である東京市内の鉄道は、路面電車をあわせて、一日平均70万人が乗車する「大混雑」する交通手段となっていました、混雑状況は現在の東京と同じなのです...
時代小説・歴史小説

海上を走る日本初の「鉄道」を敷設せよ=梶よう子「我、鉄路を拓かん」

徳川幕府を倒して、新政権をつくった明治新政府は、列強諸国に囲まれた「大人の中の子供」のような状況を打破するために、数々の近代化政策を打ち出していくのですが、なかでも国土防衛や、産業振興に大きく寄与した「インフラ」といえば、港湾とあわせて、日...
井原忠政

熊撃ち猟師は、鳥居耀蔵の指示で幕閣の若手エリートを狙撃する=井原忠政「殿様行列 人撃ち稼業(ニ)」

秩父の山中で熊を撃って暮らしていた、腕利き猟師の玄蔵が、恋女房の希和が隠れキリシタンであることから、江戸幕府で、綱紀粛正の大改革を行って政治の実権を握ろうとする水野老中の懐刀・鳥居耀蔵に目をつけられ、反対派の暗殺にから出される幕末スナイパー...
伊東潤

「天下統一」は「武力」と「茶道」で成し遂げられた=伊東潤「天下人の茶」「茶聖」

戦国末期から安土桃山時代にかけて、武将や豪商たちの間で爆発的に流行し、今でも日本文化の「粋」といわれる「茶道」。この時期、茶の宗匠としてだけではなく、織田信長や豊臣秀吉政権の相談役として、武器の調達や政策にまで関与していたのが、今井宗久、津...
伊東潤

謙信の「義」の継承者・上杉景虎、景勝の野望の前に散る=伊東潤「北天蒼星 上杉三郎景虎決戦録」

毘沙門天の加護を信じ、生涯不犯を通し、関東管領として室町幕府の再興を図るため武田信玄や織田信長、北条氏康と戦いを繰り広げ、戦国時代最強と言われた「上杉謙信」の死後、強盛を誇った越後上杉家は、養子・景虎と後に上杉家を継承した景勝とが相争った「...
伊東潤

「長篠」の後、滅びゆく武田勝頼とそれに殉じた後北条の姫「桂」の物語=伊東潤「武田家滅亡」

「長篠の合戦」の「設楽原の戦い」で、織田・徳川連合軍の敷いた三重柵の鉄砲陣の前に、最強といわれた武田の騎馬軍団が崩れ去り、信玄を支えた宿老たちを犠牲にして、甲斐へと退いた武田勝頼なのですが、その後、態勢を整え再起を図ろうとするも、織田勢の前...
伊東潤

武田家滅亡の因「長篠の戦」は武田勝頼と「信玄の宿将」との戦でもあった=伊東潤「天地雷同」

京都の瀬田の地に自らの旗をたて、天下に号令をかけようとして上洛の途中、三方ヶ原で徳川家康を蹴散らしたところで、斃れた武田信玄の死から2年後、三河国長篠で、武田勝頼軍と織田信長・徳川家康連合軍が戦い、その後の戦国乱世の行方を織田優勢へ方向づけ...
伊東潤

家康と茶々。天下をかけて睨み合った「父」と「母」の物語=伊東潤「一睡の夢 家康と淀殿」

豊臣秀吉没後の「天下分け目の大戦」といわれた「関ケ原の戦」から6年後、徳川家が家康から秀忠へと征夷大将軍の位が引き継がれ、天下の采配が徳川へ移りつつあるのでは、という意識に世間が傾きつつも、秀吉の築城した大坂城には、豊臣秀頼、その母・茶々が...