ミステリー

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ピザ屋の冴えない宅配店員のコロナ下での華麗な推理=猫森夏希「ピザ宅配探偵の事件簿」

新型コロナウィルスが猛威をふるい、都市住民を中心に「外出自粛」と「引きこもり生活」が強いられていた頃、ピザ店の「ピッツァコスタ」の宅配ピザの配達先で起きる事件の数々を、骸骨のような細い体と幽霊のように薄い存在感の、およそ探偵らしからぬ風貌の...
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15年前のストーカー殺人犯に復讐した父親刑事の「完全黙秘」の意味は=大門剛明「両刃の斧」

15年前におき、迷宮入りした愛知県警の敏腕刑事・柴崎の娘の殺害事件が、公訴時効の廃止によって、県警の未解決事件の専従捜査班と、事件のおきた弥富署の刑事たちによって、再捜査が始まります。 担当する弥富署の刑事・川澄は専従捜査班の沢木美織や、後...
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「指紋鑑定」による冤罪事件へ若き弁護士たちはどう立ち向かう?=大門剛明「シリウスの反証」

無実の人の人生だけでなく、配偶者や子供の運命を大きく変えてしまう「冤罪事件」。今日も冤罪に苦しむ人々を救い出すために多くの弁護士や有志が活動しているのですが、冤罪救済活動をしているボランティアのグループ「チーム・ゼロ」に届いた、凶器のナイフ...
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家族失踪事件の謎を解く鍵は「同調圧力」と「よそ者意識」?=佐野広実「誰かがこの町で」

「空気を読む事」や「同調圧力」は、日本社会の特徴としてあげられる一つなのですが、「理想の町」をつくりあげるために、その町には選ばれた住民が住み、住民みんが協力して「防犯活動」や「地域づくり」を行っているとなる、何か「うさん臭さ」を感じてしま...
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赤ずきんの旅は、悪党「三匹の子豚」打倒まで続く=青柳碧人「赤ずきん、ピノキオ拾って死体と出会う」

ヨーロッパの有名な童話の主人公である可憐な少女「赤ずきん」とは大きく違って、口八丁手八丁の「赤ずきん」が旅をしながら、謎解きと冒険を繰り広げていく、異色の童話ミステリー「赤ずきん」シリーズの第2弾が本書『青柳碧人「赤ずきん、ピノキオ拾って死...
中山七里

中堅ゼネコンの連続死事件の陰に隠れた悪党に裁きの鉄槌を=中山七里「祝祭のハングマン」

おおがかりな経済事件や汚職事件で犠牲者や自殺者がでて、そこで捜査が打ち切られて実行犯までしかわからないという結末をみて、この事件の本当の黒幕は、今でもぬくぬくと私腹を肥やしているのかもしれないな、と義憤を感じたことはあなたもあるかと。 父親...
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DVの被害女性を救うシェルターには秘密の仕事が隠されていた=佐野広実「シャドウワーク」

夫によるDVによって心も身体もボロボロにされ、瀕死の状態にある女性を、暖かく受け入れ、保護してくれるシェルターが江の島にあります。そこは人数制限はあるものの、居場所と職業を斡旋してくれて、一定期間過した女性はそこを巣立っていくのですが、その...
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世田谷の寂れた人形店にやってくる人形は謎を抱えている=津原泰水「たまさか人形堂物語」

勤めていた広告代理店をリストラされ、収入の道も途絶えて、都内の2DKのマンションに引きこもっていた「澪」を呼び出したのは、肝腫瘍で余命いくばくもないと診断された入院中の祖父。彼から、生前贈与で贈られたのが、世田谷にある「玉阪人形堂」の店舗兼...
東野圭吾

「ラプラスの魔女」は見当たり捜査員の無念を晴らし、AIに勝つ=東野圭吾「魔女と過した七日間」

父親によって施された脳手術によって、自然界に起きる物理現象から未来に起きることを予見できる「ラプラスの悪魔」と呼ばれる能力を持ってしまった女性「羽原円華」が活躍する東野圭吾さんの「ラプラスの魔女」シリーズの第三弾が本書『東野圭吾「魔女と過し...
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認知症の元刑事が認知症老人の過去を探るとそこには何が?=佐野広実「わたしが消える」

産廃施設建設にからむ疑惑に近づいたことから警察を追われ、今はマンションの管理人をしている元刑事が認知障碍を発症していることを診断されたことをきっかけに、介護士を目指している娘から依頼された、身元不明の認知症の入所者の過去を調べていくうちに、...