トラベル

下川裕治

少し懐かしい「香港」の物語 — 下川裕治「週末香港・マカオでちょっとエキゾチック」(朝日新聞社)

<br /> 旅行記といえば、秘境魔境的なところや、最近売り出しの観光地といったところが目立って、以前のようなバックパッカー的な沈没旅はお目にかかれなくなている。その点、下川裕治氏の旅行記は、沈没旅の風情を色濃く残しながら、とはいうものの旅...
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懐かしい味わいの「新婚アジア放浪記」 — 鈴木みそ「アジアを喰う」(双葉社)

日々の繰り返しの多い生活が続くと、なにかしら澱のようなものが溜まっててくるもので、活動的で身軽な人は、「えい、旅行でも行ってしまうか」といった気分転換が図るものなのかもしれないが、スケジュールが本当に立て込んでいたり、場所的な拘束の多い仕事...
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鉄道話ってのは、なんでこんなにグッとくるのかな — 高田 郁「ふるさと銀河線 軌道春秋」(双葉文庫)

時代物の若手の名手、高田 郁の手になる現代物、しかも鉄道物という結構レアな短編集。 収録は お弁当ふたつ 車窓家族 ムシヤシナイ ふるさと銀河線 返信 雨を聴く午後 あなたへの伝言 晩夏光 幸福が遠すぎたら の9話で、登場する鉄道は外房線、...
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Nipponはいつの間にか住みにくいところになったようである — 下川裕治『「生き場」を探す日本人』(平凡社新書)

アジアを中心とした放浪・気ままな旅行記でおなじみの下川裕治氏ご贔屓のタイ、上海、ベトナムなどの東南アジアに在住する日本人のルポ。 時代的には2011年、東北大震災の前後で、構成は Ⅰ 日本に帰らない Ⅱ 詐欺 Ⅲ 妻 Ⅳ ひとり Ⅴ 賞味期...
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高城 剛「LIFE PACKING」「LIFE PACKING 2.1」

高城 剛が1dayから1year、そしてFutureと旅をし、旅をしながら仕事をし、暮らしていく上での必須のアイテムとパッキング方法を綴ったレポート的な一冊。 「LOFE PACKING」と「LIFE PACKING 2.1」の違いは氏が拠...
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”What Is life?”(人生とは何か?) — 小野美由紀「人生に疲れたらスペイン巡礼ー飲み、食べ、歩く800キロの旅」(光文社新書)

アジアやフランス・ドイツといったところを歩く若い女性の旅行記は珍しくないのだが、スペインのしかも「巡礼の旅」という題材は珍しい。 構成は 第1章 スペイン巡礼とは何か  カミーノ・デ・サンティアゴ7つの魅力  スペイン巡礼基礎知識  巡礼の...
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“外ごもり”も変化する ー 下川裕治「生きづらい日本人」を捨てる(講談社新書)

沖縄・アジア、とりわけタイの滞在記・旅行記で、我々の旅への思いをかきたてる下川裕治氏が、海外に流れていき、そこに移住する人々を取り上げたルポの第2弾。第1弾の「日本を降りる若者たち」は2007年の発刊で、比べる若者をはじめとした日本人の意識...
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「横丁」は都会の魔力の表れか ー 矢吹申彦「東京の100横丁」

「横丁」の定義っていうのはよくわからないところで、本書には 地産地消と相俟って、地域の活性化のための屋台村が元気だと聞く。屋台村と云っても屋台型に限るわけではなく、幾つかの店が入る固定型施設、いわば横丁。 (中略) 確かに酒場と旨いものが並...
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下川裕治「「裏国境」突破 東南アジア一周大作戦」(新潮文庫)

旅行記が最近おとなしくなったのは、いわゆる紛争地帯へ旅が少なくなったことがあるのかもしれない。とはいっても、紛争地帯や危険な地帯が少なくなったというわけではなくて、貧乏旅行をする若者の減少と、彼らが安い経費で彷徨っていた「アジア」の国情が良...
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アジアの週末アラカルトー下川裕治「週末アジアでちょっと幸せ」(朝日文庫)

タイ、台湾をはじめとした、「アジア」の旅行記を、広く、深く書いてきた下川裕治氏の、ちょっとした「おやつ」といった感のある「アジア旅行記」 いくぶん、ベトナム、台湾など沖縄など、ちょっとしたエピソードが、どこかで読んだような・・というものもあ...