ミステリー

来夏の帰りを待っている、カメラにまつわる謎の数々 ー 柊サナカ「谷中レトロカメラ店の謎日和 フィルム、時を止める魔法」

前巻で東京・谷中で三代続く「今宮写真機店」のアルバイト・山之内来夏と三代目主人・今宮龍一のコンビが、写真機店に持ち込まれる写真やカメラに関連した謎の事件を解決していく「谷中レトロカメラ店」シリーズの第二作である。 前作では、来夏の亡くなった...
宮下英樹

センゴクのジェットコースター人生いよいよクライマックスへ ー 宮下英樹「センゴク権兵衛 1」

織田信長によって斎藤龍興の稲葉山城が落城するシーンから始まった「センゴク」の物語のいよいよ最終章(と思う)。隆盛を極めていた武田信玄や上杉謙信も亡くなり、織田信長も本能寺で明智光秀によって弑逆。そして、賤ヶ岳の戦、小牧・長久手の戦を経て、セ...
ミステリー

フィルム・カメラが引き寄せる謎を解け ー 柊サナカ「谷中レトロカメラ謎日和」(宝島社文庫)

幕末の頃、カメラが日本入ってきた頃、「魂を抜かれる」といって撮影されるのを拒否する人がいた、ってな話が伝わっていて、真実のほどはわからないのだが、写真というのは、「昔」をそのまま閉じ込めてしまったようなところがあって、古くて黄ばんだ写真を見...
コミック

こんな具合に「キレ」てみようではないか ー 尾崎江良「深夜のダメ恋図鑑 1・2」

本来の趣旨は、ダメ男にひっかかりながら別れられない女性や、献身的につくしてくれる彼氏ができながら、なかなか踏み切れない女性の、「ダメな恋」のあれこれが描かれていて、当方がいつもレビューする種類のものとちょっと様相が異なるのだが、先だってレビ...
パパと親父のウチご飯

シングルファーザー二組の、ひさびさのまったりとした日常 ー 豊田悠「パパと親父のウチご飯 11」(バンチココミックス)

晴海・清一郎親子は、離婚した妻との細い糸は残したままで現状維持、宮崎の実家のUターン攻勢はなんとか撃退、千石・愛梨親子は、千石の実母とのぎこちない和解をすました後、愛梨の実母のインドからのいつになるかわからない帰還をゆっくり待つ、といった状...
ブックレビュー

元バリキャリ娘が「神使」見習いの小狐に憑かれてのドタバタ劇 ー 柏てん「京都伏見のあやかし甘味帖 おねだり狐との町家暮らし」

彼氏には捨てられ、仕事では失敗プロジェクトの責任をとらされて自主退職を迫られた、バリキャリ女子「小薄れんげ」が、失意の上で選んだ先は古都「京都」への逃避行、といったところから始まる、御当地ものファンタジーである。 その逃亡先の「京都」で出会...
ノート術・メモ術

パワフルなメモ術の極意、ここにあり ー 臼井由妃「やりたいことを全部やる!メモ術」

前著「やりたいことを全部やる時間術」では、何もわからない専業主婦であった筆者が、夫から急に事業を引き継ぐことになり、悪戦苦闘しながら事業を大きくしていき、さらには著述家としても成功した、パワフルな女性経営者の時間管理を教えてくれた筆者なのだ...
仕事術

「失敗」は誰しも嫌なのだが「喉元」すぎれば ー 『飯野謙次「仕事が速いのにミスをしない人は何をしているのか」

「仕事にはミスがつきものだから」と慰められても、心の中では、もっと注意をしておけば・・・といった後悔の気持ちでいっぱいになっている、といった経験ありませんか。とりわけ、近くにかなり完璧に仕事をこなす先輩などがいた日には、自己嫌悪に陥って、モ...
ブックレビュー

中洲に現れる不思議な屋台が心の凝りを溶きほぐす ー 篠宮あすか「あやかし屋台なごみ亭 1 金曜日の夜は不思議な宴」

「屋台」っていうのは場所を問わず、売りものがラーメンであろうとおでんであろうと、はたまたフレンチであろうと、妙な吸引力をもっている存在であることは日本国中の共通理解に間違いない。客の吸引力の強い「屋台」の中でも、九州・博多の中洲の屋台は最強...
パパと親父のウチご飯

千石は母親と再会。さて、二人は和解できるか・・ ー 豊田悠「パパと親父のウチご飯 10」(バンチココミックス)

前巻は、愛梨と清一郎が幼稚園で遊んでいる姿をこっそりと見守る初老の女性が登場したところで終わっていたので、さては次巻の主題はこのあたりかな、と思わせていたのだが、やはり今巻は、千石の最後の和解テーマ「母親との和解」がメインになります。 今回...