佐々木裕一

念願の千石超えまで、あと少し — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 5 千石の夢」(二見時代文庫)

加増を重ねて、松姫と同居できる千石にはあと三百石届かない。さて、最後のハードルを、どうクリアするかな、というところが、この第5巻   構成は   第一話 桜の花びら 第二話 千石の夢 第三話 妖しき女 第四話 盗賊   となっていて、今巻で...
仕事術

タスク管理への「救急医療」概念の導入 — 裴英洙「トリアージ仕事術」(ダイヤモンド社)

仕事をしていく上で、一番重要ではあるが、なかなか思うようにいかないのが「タスク管理」であろう。そうした「タスク管理」の手法に救急医療の概念でもある「トリアージ」という考えを持ち込んだのが本書の特徴。   構成は   序章 忙殺&プレッシャー...
佐々木裕一

とんとん拍子のレベルアップ。ステージクリアも間近か? — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 4 暴れ公卿」(二見時代文庫)

この公家武者シリーズは、一冊の中にいくつか小さな話はあるが、一つのまとまったストーリ展開というのが多いのだが、今回は久々にそれぞれが独立した物語に成っている。   収録は   第一話 子連れ善衛門 第二話 湯島天神参り 第三話 女剣士 第四...
佐々木裕一

信平の剣の技に憧れた、臣下志願が登場 — 佐々木裕一「公家武者 松平信平3 四谷の弁慶」(二見時代文庫)

由比正雪の残党の陰謀を阻止して、加増の上、四谷に屋敷を拝領し、松平信平の新しいステージ突入である。   収録は  第一話 侍の嫉妬  第二話 姉の心遣い  第三話 荒武者の涙  第四話 四谷の弁慶  第五話 葵の旦那 となっていて、話的には...
佐々木裕一

天下騒乱の騒ぎの陰で、松姫と信平の恋が育つのでありました — 佐々木裕一「公家武者 松平信平 姫のため息」(二見時代小説文庫)

関白鷹司家の四男で、将軍・徳川家光の義弟の松平信平が、紀伊大納言家の松姫と結婚するために、千石取りの旗本を目指す物語の第二弾。   収録は   第一話 浪人狩り 第二話 姫のため息 第三話 再会 第四話 陰謀   となっていて、今回の時代設...
和田はつ子

江戸城御用達の甘い罠。一番悪どいのは「御上」かも — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 大江戸料理競べ」(時代劇文庫)

さて、調理人季蔵シリーズの第14弾は、江戸城への料理御用を独占している有名料亭「八百良」と並んで、江戸城へ料理を納入する店を決める料理勝負がメインテーマ。   収録は   第一話 新年福茶話 第二話 大江戸料理競べ 第三話 ごちそう大根 第...
ヤマザキマリ

プリニウスを通して描かれる「ローマ帝国」の健全さと退廃 — ヤマザキマリ「プリニウス」(新潮社)1〜6

テルマエ・ロマエで一挙に人気作家となった、ヤマザキマリ氏がとり・みき氏と組んでのローマもの。個性ある二人の合作で、しかも題材が、稀代の博物学者プリニウスである。 物語はヴェスヴィオ火山の噴火の場面から始まるのだが、これは全体のプロローグ。第...
ビジネス

創業物語の「苦い」部分も書かれているのが良いね — 遠山正道「スープで行きますー商社マンがSoup Stock Tokyoを作る」(新潮社)

三菱商事の商社マンで、食品産業とは縁のなかった筆者が、日本で初であろうスープのファストフード専門店の立ち上げから、軌道に乗せるまでの奮闘の数々を綴ったもの   構成は   第一章 成功することを決めた 第二章 Soup Stock Toky...
和田はつ子

小猿を従えた美少女くノ一の登場 — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 祝い飯」(時代小説文庫)

シリーズが定着してくると、キャストも固まってきて、話の展開も安心して読めるのは一つのメリットなのだが、マンネリ感が滲み出してくるのはどうしようもなくて、その弊害から逃れるのは、いかに魅力的で気を引く、短期的なキャストを用意するか、であると思...
和田はつ子

お茶屋の小町娘が手折られる話は悲しいね — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 涼み菓子」(時代小説文庫)

シリーズも12弾目となると、登場人物に少々の変更というか、環境変化が欲しくなるところなのだが、本作で、季蔵の弟分・豪介の身の上に変化が起きる。 収録は 第一話 涼み菓子 第二話 婿入り白玉 第三話 夏の海老 第四話 乙女鮨 となっていて、ま...