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「晶」に転職話が持ち上がるが、その結末は? ー 加藤実秋「ロケットスカイ インディゴの夜」(集英社文庫)

渋谷のホストクラブ「club indigo」を舞台にした「インディゴの夜」シリーズの第6巻。
前巻はシリーズはじめての長編であったのだが、今巻はもとにかえって、「短編仕立て」である。
主要ホストたちの監禁騒ぎにクールな若手ホストたちが頑張ったり、馴染みの客のストーカー騒ぎや、爆弾事件の阻止に、塩谷さんが珍しく「いい働き」をしたりと、ちょっと異色のストーリーが展開される。

【収録と注目ポイント】

集録は

「スウィートトリック」
「ラシュリードライブ」
「見えない視線」
「ロケットスカイ」

の四話。

第一話の「スウィートトリック」は、「club indigo」の名パティシエ・久志の知り合いの,
洋菓子店「ラ・チュルビー」のオーナーシェフが、什器窃盗団と運悪く出くわし、殺されるという事件の解決。
この什器窃盗団は、都内の複数の洋菓子店に忍び込み、業務用の高額な機械を盗んで、中古品を扱う店で売り払っているのだが、「club indigo」のメンバーが罠を仕掛けて捕まえることに成功。しかし、この窃盗団は、殺しを否認。さらに、このオーナーを殺した凶器が、店にあった刃物ではなくて、持ち込んだドライバーが使われていることに不審を抱いたメンバーたちは・・・、といった展開。
さりげなく、第四話の事件の発端となる、大手アパレル企業スカイライトの社長・真壁が路所で倒れていた事件が仕込んでありますね。

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晶たち「Club indigo」 メンバー、バーチャルワールドに突入す ー 加藤実秋「ブラックスローン インディゴの夜」(集英社文庫)

「Club indigo」シリーズの第5弾は、このシリーズ初の長編。しかも事件解決のカギとなる舞台は、いつも渋谷や新宿の街のいざこざやトラブルといったリアルな世界が中心であったに対し、今巻では、オンラインゲームの架空の街、というバーチャルな仕立てになっている。

【あらすじと注目ポイント】

物語の発端は、「Club indigo」の最近の常連客となっている「古里真千子」という女性が殺害されることが始まり。彼女は地味なOLで、こういったホストクラブには珍しいタイプの客なのだが、オタク趣味があるのか、DJ本気(まじ)にぞっこんとなっている。

ところが、この女の子が恵比寿の街角で胸や腹を刺された殺されるのだが、彼女が持っていたメモに、「Club indigo」のホストたちに「貢いでいた」ことを想像させる記述があったことから、DJ本気が犯人として疑われる、という発端。

物語の展開としては、そのメモに書かれていた金の単位が「/¥」となっていたのだが、それは「ソリダスエン」という名で、「きゃぴタウン」というバーチャルシティで使われている「通貨」であることがわかる。
そして、その仮想空間に入ってみると「Club indigo」というバーチャルなホストクラブがあり、そのインテリアやホストたちも、リアルの「Club indigo」とそっくりで、かなり繁盛している。
さらに、そこのオーナーである「リンダ」が、「古里真千子」の可能性が高まるのだが、彼女が殺されなければならなかったネット上の「トラブル」とは何なのか・・・、といった感じで展開していく。

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クールな若手メンバーを加えて、ますます「Club indigo」 は好調 ー 加藤実秋「Dカラーバケーション インディゴの夜」(集英社文庫)

塩谷、晶、憂夜という30歳を超えた経営陣と、ジョン太、DJ本気、犬マンといった「若手」ホストたちで繁盛していた「Club indigo」であったのだが、夜の本番に加えて、ショーとスィーツを提供する「昼間営業」を始めたところ、「若手」以上に若いホストが加わったのだが、若者の間にも世代間対立というのはあるようで、なにかと対立しながら展開するのが、「Club indigo」シリーズ第4弾の「Dカラーバケーション」である。

【収録と注目ポイント】

収録は

「7Days活劇」
「サクラサンライズ」
「一剋」
「Dカラーバケーション」
「レッドレターデイ」

の五話。

第一話の「7Days活劇」は、昼の部を担当する、新人若手ホストの手塚、川谷、酒井が、自転車のブレーキ故障、常連がつくったと見せかけた弁当で食あたり、居酒屋のサンダルが接着剤でくっつかれていて転倒、というアクシデントに見舞われる。彼らは最近、常連客・愛梨と一緒に渋谷の公園で、そこに出没する「エコ女」という妖怪に出会っている。彼らの事故は、その妖怪の「呪い」と信じる愛梨は、次は自分だと怯えている。
「呪い」などあるはずかない、とこのアクシデントを仕掛けた犯人探しに、「Club indigo」のメンバーが乗り出す、という展開。
犯人らしい人物に、この「エコ女」を題材にした演劇の主役に抜擢された、元売れっ子アイドルが浮かぶのだが・・・、という筋立てなのだが、「演劇人」というのは役に溺れるとね〜、という「役者の業(ごう)」に苦笑いする真相である。

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club indigo改装中に、ホストたちは熱い推理劇を繰り広げる ー 加藤実秋「ホワイトクロウ インディゴの夜」(集英社文庫)

渋谷のはずれにあって、新宿歌舞伎町や六本木のホストクラブより、ちょっと下ながら、個性あふれるオーナーとマネージャー、そしてホストたちで人気のホストクラブ「club indigo」を舞台にした都会の盛り場ミステリーの第3弾である。

前巻までは、「club indigo」の共同オーナーである高原晶がメインキャストとして事件の捜査に潜入したり、謎解きを担当したりといったシチュエーションが多かったのだが、今巻は、「club indigo」のホストたちがそれぞれメインとなって、事件に巻き込まれたり、謎解きをしたり、といった展開になっている。

シリーズが成長していくと、始めは「端役」だったキャストが登場場面を増やしていって、いつの間にかシリーズの最初の方のメインキャストと入れ変わって「主役」級になっていくことがあるのだが、これがその前兆なのかどうかは、今後のシリーズ展開によるんでしょうね。

【収録と注目ポイント】

収録は

「神山グラフィティ」
「ラスカル3」
「シン・アイス」
「ホワイトクロウ」
の四話。

今巻のはじめの「プロローグ」のところで、ホストの「内装をリニューアルしたい」という要望を入れて「club indigo」が改装されることが明らかになる。改装期間は2ヶ月かかるということで、なぎさママの紹介で、明治通りの裏の雑居ビルのレストランのオーナーが奥さんの出産のためしばらく休業するところを借りて臨時営業するのだが、このレストランが「タイ料理店」というところにいろんな隠し味がしかけられているので要注意である。

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ホストクラブ「club indigo」は本日も「客」と「事件」で満員です ー 加藤実秋「チョコレートビースト インディゴの夜」(集英社文庫)

渋谷の古いビルの二階にある「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブ」”club indigo”のホストやなじみ客の周辺でおきる事件を、店の共同オーナー兼フリーライターの高原晶をメインキャストにし、indigoのホストたちをアシスタント役にして、ドタバタと解決していく「インディゴの夜」シリーズの第2弾。

醒めていそうで、熱いところも残している三十過ぎの独身女性「高原晶」と、シニカルな共同経営者の「塩谷」、晶の使いっ走り的な使い方をされている、indigoナンバーワンホストで巨大アフロヘアのジョン太、現役キックボクサーで二メートル・百キロの巨体で、武闘派ホストの「アレックス」といった、なんともとりとめのないメンツがメインキャスト。

彼らが事件がおきるとバネじかけのように、びよんびよんと捜査を開始し、犯人を突き止めていくまでが、なんともテンポよく展開していくので、読み始めたら流れに身を任せたほうが良いですね。

【収録と注目ポイント】

収録は

「返報者」

「マイノリティ/マジョリティ」

「チョコレートビースト」

「真夜中のダーリン」

の四話。

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渋谷の「ホスト・クラブ」は事件の宝庫 ー 加藤実秋「インディゴの夜」

「クラブみたいなハコで、DJやダンサーみたいな男の子が接客してくれるホストクラブがあればいいのに」という言葉から生まれた渋谷のホストクラブ「club indigo」を舞台にしたミステリー、ということなのだが、このクラブのイメージがつかみづらくて、多分チャラっとしたミステリーかな、と敬遠していたのが、当方の浅はかさでありました。
ホストクラブのオーナー女性とホストをメインキャストとして、東京の夜におこる事件の数々をアクションシーンたっぷりに解決していく、爽快ミステリーである。

もとは創元推理文庫から出ていたが、今は集英社文庫のほうが主流かもしれんですね。ちなみに筆者の名前は「みあき」と読んで「女性」であるそうな。

【収録と注目ポイント】

収録は

「インディゴの夜」
「原色の娘」
「センター街NPボーイズ」
「夜を駆る者」

の四話。ではるが、創元推理文庫版より集英社版のほうが、文庫版用の描き下ろしショートストーリーとかも追加されて充実しているらしいのだが、当方は、古書店で買った創元推理文庫版で読んだのであしからずご了解を。

最初の「インディゴの夜」は、このシリーズの始まりの話。このシリーズの舞台となる渋谷のホストクラブ「club indigo」のオーナー兼フリーライター・高原晶、共同オーナー兼編集者の塩谷、そして、「club indigo」のマネージャーで素性不明の元ホスト・憂夜、近くでレストランとバーを数軒経営しているやり手のニューハーフ・なぎさママといったメンツの登場である。そして、このクラブは高原晶の前述の一言をきっかけに、高原と塩谷が貯金をはたいてオープンした店で、新宿歌舞伎町や六本木のはホストクラブの一段下のランクではあるのだが、個性的なホストと低料金で繁盛している、という設定。

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