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吉宗と紅、そして家継暗殺の陰謀が動く。聡四郎の活躍は? ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 8 流転の果て」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの最終巻。

勘定筋の出身ながらソロバンがからっきしで、剣の腕はたつ、という旗本・・水城聡四郎が、時の権力者・新井白石に「勘定吟味役」に任じられるところから始まった、このシリーズもいよいよ最終巻。その間、将軍・家宣が死んで白石の権勢は落ちたり、聡四郎は相模屋伝兵衛の一人娘「紅」や紀伊国屋文左衛門と知り合ったり。と境遇の変化はそれぞれに大きなもののがあるのだが、立身出世的なところからいえば、徳川吉宗と知り合ったのが一番大きなところであろう。

今巻では、前巻で設えられた、永渕啓輔が柳沢吉保から依頼を受けた「吉宗」の暗殺を企んでいるし、紀伊国屋文左衛門は七代将軍・家継を暗殺するための刺客を大奥の中に忍び込ませることに成功するといった仕掛けが動き始める。

流転の果て―勘定吟味役異聞〈8〉 (光文社時代小説文庫)
流転の果て―勘定吟味役異聞〈8〉 (光文社時代小説文庫)

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上田 秀人
光文社
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巨星・柳沢吉保堕つ。将軍位をめぐる政争はますます激化 ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 7 遺恨の譜」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、第二の「柳沢吉保」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第7弾。

表の歴史では、江島生島事件が起きたのが正徳4年1月、柳沢吉保は正徳4年(1714年)9月に亡くなっているので、本書にあるように、柳沢吉保が自分の死を秘すといった細工をしていても、わずか半年ほどの間の権力模様の変遷が描かれるのが本巻。

家継を抱えて遠隔支配をしようと企んでいたのが、江島生島事件で月光院との仲がばれて権勢が失墜しつつある間部詮房の家が罠にかけられて追い詰められていくのが本巻の主筋である。

遺恨の譜―勘定吟味役異聞〈7〉 (光文社時代小説文庫)
遺恨の譜―勘定吟味役異聞〈7〉 (光文社時代小説文庫)

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光文社
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将軍位を巡る吉保と吉宗の暗躍が開始。聡四郎の次の敵は「忍」 ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 6 暁光の断」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第6弾。

将軍・家継の代となったが、彼はまだ幼少の上に、体が弱い。そして、家継が早逝した場合の、八代将軍に最有力であった尾張藩主・徳川吉通は家臣によって毒殺、と6代将軍の死去後、将軍家の後釜争いがにわかに動き始めたあたりを描くのが今巻。

中心となるのは、この時代に大奥を巻き込んだ一大スキャンダルの「江島・生島事件」で大奥の年寄・江島と人気役者・生島新五郎の不義密通事件は、その裏には、大奥の天英院と月光院の権力争いがあった、というのはよくある話なのだが、その裏にまだ裏の話があった、というのが筋立て。

暁光の断~勘定吟味役異聞(六)~ (光文社文庫)
暁光の断~勘定吟味役異聞(六)~ (光文社文庫)

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八代将軍の対抗馬・尾張吉通死す。犯人を探して聡四郎は京都へ ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 5 地の業火」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第5弾。

 時代が動き始めると、あれよあれよという間に、いろんなところから火の手が上がってくるもので、将軍が逝去して幼い新将軍が即位したばかりと思ったら、将軍候補でもあった尾張藩主が死んだり、徳川家のあちらこちらで御家騒動の種が芽を吹き始める。

今巻では、八代将軍を狙っていた尾張藩主の徳川吉通が側室のところで晩飯の魚を食って変死する。死んだ途端に跡目相続で家中が騒然となるのは、武家の習性なのか、このシリーズの習性なのかはわからないが、物語が弾みだすのは間違いない。ただ、聡四郎を引き立てた新井白石は、亡き家宣の遺志を継ぐことばかりを考えていで、昔の「成功体験」を忘れられない、本書によれば「妄執の人」になってしまってますね。
さらには、何かとあら捜しをして再び政権に復帰しようと躍起になっている新井白石が、聡四郎に吉通の暗殺をしたと思われる側室と側用人を探せ、と言い始め、二人の出身地の京都まで出張する無駄骨折りの「探索行」に駆り出されていくといった展開である。

地の業火―勘定吟味役異聞〈5〉 (光文社時代小説文庫)
地の業火―勘定吟味役異聞〈5〉 (光文社時代小説文庫)

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上田 秀人
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事態は動くのだが、新井白石の怒りをかって聡四郎干され気味 ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 4 相克の渦」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第4弾。

 権力を集中させる「皇帝」に死や引退が訪れると政権内に大激震が走るのは、東西を問わず、また組織の大小を問わずおきることなのだが、この当時の江戸幕府は、先代の将軍の寵臣や重臣たち、さらには親族の大名たちの欲と力が入り混じっているので、混沌の度が増すばかりの状態である。

ここらで次の権力者が登場するとすっきりと片付くのだが、幼君はまだ元気なので、いましばらく、この混沌を見極めるしかないんでしょうね、といったところが今巻である。

相剋の渦 勘定吟味役異聞(四) (光文社文庫)
相剋の渦 勘定吟味役異聞(四) (光文社文庫)

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上田 秀人
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六代将軍没す。政権は安泰にみえても不穏な気配が忍び込む ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 3 秋霜の撃」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第3弾。

今巻では、新井白石、間部詮房の後ろ盾であった、徳川家宣がとうとう逝去する。将軍・家宣が亡くなっても、幼いながら息子がいるので家綱や綱吉が亡くなったときのように、跡目をどうするか、といった騒ぎは少ないのだが、それは将軍位だけの話。まだ幼い将軍・家継のもとで誰が政権の中心となるか、あるいは家宣の時の権勢がそのまま維持できるか、といったことが争いの種になっていく。

聡四郎にとってちょっと面倒くさいのが、まずは、新井白石が、その狷介さが災いして権勢の座から滑り落ちつつあること。おとなしく隠居でもしてくれれば、聡四郎も「お役御免」となるのだが、この儒者先生は、権力に未練たらたらなので、聡四郎の「争いと闘いの日々は続く」といったところである。

 

秋霜の撃  勘定吟味役異聞(三) (光文社文庫)
秋霜の撃 勘定吟味役異聞(三) (光文社文庫)

 

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上田 秀人
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今度は「御免状」を巡って吉原が相手。生命を捨てた敵に、聡四郎苦戦ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 2 熾火」(光文社文庫)

嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍という、上田ワールド全開の時代小説「勘定吟味役異聞」シリーズの第2弾。

前巻で小判の吹き明けに絡んだ汚職事件を暴き、前巻で荻原重秀が勘定奉行の座から追ったのだが、加増はわずか五十石で、新井白石の「不正をみつけろ」という命令は終わりがない。このシリーズでは、新井白石は水城を引き立てた恩人ではあるのだが、儒学にどっぷりつかった、猜疑心の強い人間として描かれていて、できれば避けて通りたい人物である。

しかも、聡四郎をつけまわす黒覆面の男をはじめ、刺客は耐えることなく襲ってくる、という日常が始まってしまったのは、白石によって勘定吟味役に就任したのが元なのだが、聡四郎の剣の腕が半端なく強いということと無縁ではない。今巻は、遊郭・吉原の「秘密」の捜査なので、人別帳から消され人間扱いされない代わりに、吉原の治安を闇から守る「忘八」たちとの闘いである。

 

熾火 勘定吟味役異聞(二) (光文社文庫)
熾火 勘定吟味役異聞(二) (光文社文庫)

 

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上田 秀人
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江戸を舞台に、凄腕剣士の経理マンの活躍が始まります ー 上田秀人「勘定吟味役異聞 1 破斬」(光文社文庫)

先祖代々、勘定方のお役目についていたいわゆる「文方」の生まれであるにもかかわらず、四男坊であったがために、ソロバンの腕前よりも、戦国以来の豪剣である「一放流」の遣い手である、水城聡四郎がメインキャストを務める、江戸時代中期の六代将軍・家宣、七代・家継から八代将軍・吉宗の時代を舞台にした「大活劇」の1st Seasonが、この「勘定吟味役異聞」シリーズである。

ざっくりいうと、嫌味なジコチューの新井白石、お金があるのでなんでもやってしまおうという紀伊国屋文左衛門、先代の時の栄誉再びを夢見る柳沢吉保、第二の「柳沢」を夢見る売れっ子ホスト的側用人・間部詮房と、当時の権力者が揃い踏みして権力争いを繰り広げるところに、初心者マークの勘定吟味役・水城聡四郎はビギナーズラック的に大活躍というストーリーである。

この頃の幕府は、五代将軍・綱吉の死後、跡目を継いだ綱吉の弟・家宣は、綱吉の治世の混乱を収めようとしたが、わずか3年で死去。その家宣の死期が迫る頃から息子の家継の時代が今回のシリーズの主要な舞台で、権力を握っているのは、儒学者の新井白石、側用人の間部詮房なのだが、綱吉時代を彩った紀伊国屋文左衛門、柳沢吉保はまだ隠然とした力を残している混戦模様。そして大奥は家宣の正妻・天英院から将軍実母・月光院で権力が移ったばかり、という時代で、まあ、なにかおこらないのが不思議な時代背景である。

破斬―勘定吟味役異聞 (光文社時代小説文庫)
破斬―勘定吟味役異聞 (光文社時代小説文庫)

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