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「善助」の死の真相はいかに。そして只次郎は家出してどこへ行く ー 坂井希久子「あったかけんちん汁 居酒屋ぜんや」(時代小説文庫)

前巻までで、お妙の元亭主・善助の死が自己ではなく、殺しではなかったのか、しかも、彼の元同僚で今は材木問屋にまで成り上がっている「近江屋」が関係しているのでは、という疑惑が膨らみながらの、「ぜん屋シリーズ」の第6弾である。

【収録と注目ポイント】

収録は

「口切り」
「歩く魚」
「鬼打ち豆」
「表と裏」
「初午」

の五話。

まず第一話の「口切り」は、ぜん屋の馴染客の太物問屋・菱屋の隠居のところでの「お茶会」で、お妙が路開きの懐石料理を披露する話。とはいうものの、お妙の料理の腕が良いので、料理を頼んだわけではなく、人目をはばからず、ぜん屋の常連たちが集まって、近江屋に関する情報を交換する会を催したというわけ。この情報交換の中で、以前に打ち壊しの煽動者・草間某と近江屋が関係していた、ということが明らかになる。草間某といえば、ぜん屋の用心棒・重蔵と同一人物の疑いがあるのだが・・・、という展開。

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