料理人季蔵捕物控

和田はつ子

長次郎ゆかりの熟柿泥棒の陰に悪人組織が巣食う — 和田はつ子「かぼちゃ小町」(時代小説文庫)

第一シリーズの第25弾となる本巻では、前巻まで、未解決となっていた不審死の真相が明らかになる。   構成は   第一話 あま干し柿 第二話 秋すっぽん 第三話 かぼちゃ小町 第四話 もみじ大根   となっていて、まず第一話では長次郎ゆか...
和田はつ子

男を手玉に取る悪女のあっけない最後は、どことなく哀れ — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 瑠璃の水菓子」(時代小説文庫)

このシリーズは、毎巻、その巻を彩る、いわばゲスト的なキャラクターが登場してくる。近くでは、出張料理人を偽っていた隠れ者の旗本とか、武家上がりのおきゃんな芸娘とかが登場していたのだが、今巻は、河童屋の平助というまっすぐな胡瓜を売る野菜売り...
和田はつ子

「白犬」に導かれて、「善光寺」ならぬ「殺人」巡り — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 23 花見弁当」(時代小説文庫)

気のあった料理人仲間であった武藤が行方をくらまし、心にすきま風が吹いている季蔵であったが、一人花見に出かけた先で、本巻の新たなキャストに出会うことになる。それは、なんと「白犬」である。   構成は   第一話 花見弁当 第二話 江戸っ子...
和田はつ子

腕利きの出張料理人の隠された真の姿は? — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 22  ゆず女房」(時代小説文庫)

長く続くシリーズものの登場人物は、とかくマンネリ化してくるもので、読者としては定期的に新キャラの投入を望みたいところなのだが、それが定着するキャラに育つかどうかは、作者のお好み次第というところであるらしい。   収録は   第一章 冬ど...
和田はつ子

南町と北町の懇親が進むも、腕利き与力が過去の事件の犠牲になる — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 21 蓮美人」(時代小説文庫)

前作で、当方的には気に入っていた逸材の「さと香」を喪ってしまって、ちょっと残念なところで、今巻でのゲスト・キャラは、名門出の南町奉行である。   第一話 風流鮨 第二話 禅寺丸柿 第三話 蓮美人 第四話 牡蠣三昧   第一話は、南町奉行...
和田はつ子

おきゃんで美人の、武家出身の芸娘の運命や、如何に — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 20 おやこ豆」(時代小説文庫)

この巻を彩る新しい登場人物は、「さと香」という芸娘。二十歳前後ではあるが   白粉で塗り込められているせいで、顔こそ白かったが、弾むように若々しいだけではなく、きりっとひきしまった目元、口元に、妖艶さに同居した理知の輝きが見てとれた。 ...
和田はつ子

新キャストも登場して、料理の工夫も幅が広がってきました — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 19 料理侍」(時代小説文庫)

料理人季蔵シリーズには、それぞれの巻ごとに象徴する新しい登場人物があって、ほとんどが事件の犯人であったり、事件に巻き込まれたりして消えていくのだが、中には船頭の豪介や、噺家あがりの廻船問屋の長崎屋など継続して登場して、季蔵の手助けをして...
和田はつ子

「炊き込みご飯」よろしく事件の種類がてんこ盛り — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 秋はまぐり」(時代小説文庫)

料理人季蔵シリーズの17弾目の「秋はまぐり」は、表題通り、季節は「秋」。前作の「夏まぐろ」を前編に、今巻を後編に、といった感じで読むとよい。収録は 第一話 長屋はぎ 第二話 さんま月 第三話 江戸粋丼 第四話 秋はまぐり 最初の「長屋は...
和田はつ子

マグロ料理の陰に殺人劇あり — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 夏まぐろ」(角川時代小説文庫)

料理人季蔵シリーズの第16弾のメイン素材は「まぐろ」である。本書によると、「まぐろ」は江戸っ子が珍重しない魚の代名詞らしく、 一年を通して獲ることのできる鮪は、下魚とされる秋刀魚や鰯にくらべても、さらに格が低かった。冬場、鮪の赤身を...
和田はつ子

季蔵が旅をすると目先が変わって新鮮ですな — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 春恋魚」(時代小説文庫)

「春恋魚」とは「はるこいうお」と読ませて秋刀魚の糠漬けのことらしく、本書で季蔵が旅する磐城平で、飢饉に備えるために、秋口に大量となる秋刀魚を長く食すための工夫の料理であるらしい。今回は「武家もの」の色合いが強く、捕物帳らしいのは良いの...
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