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日本が再飛躍するためのビジョンを考えてみよう ー 落合陽一「日本再興戦略」(幻冬舎)

最近「日本はスゴイ」「日本の実力はこんなにある」という自画自賛的な論説やTV番組が増えてきていて、たしかに、今まで気づいていなかった「日本の良さ」や、歴史の中に埋もれたしまっていた優れた人物を再発見するにはいいきっかけとなるのには間違いないのだが、自分褒めの度合いが過ぎると、かえって嘘くさくなって薄ら寒くなることがあるのは、当方だけではないはず。

失われたものや隠れていたことを発見するのとあわせて、現状を見据えながら、がっつりとした「希望のある」将来展望を語ってくれるものはないのか?、と思っていたところ現代の若きオピニオン・リーダーの落合陽一氏が、力強く「日本の再飛躍」について語っているのが本書『落合陽一「日本再興戦略」(幻冬舎)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに:なぜ今、僕は日本再興戦略を語るのか?
第1章 欧米とは何か
第2章 日本とは何か
第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか
第4章 日本再興のグランドデザイン
第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー)
第6章 教育
第7章 会社・仕事・コミュニティ
おわりに:日本再興は教育から始まる

となっていて、見てのとおり、日本が「復活」を遂げるために必要となる分野について、おおむね網羅して言及してあるといってよく、まず、

我々は今、デザインにしても教育にしても、あまつさえ効果不明な健康法すらも無秩序に「日本はだめで、何々に見習え」と言うばかりで、考え方の基軸がありません。我々はいったい何を継承してきて、何を継承してきていないのか。それを正確に把握した上で、今後勃興するテクノロジーとの親和性を考えていかないと、日本を再興することはできません。
日本にも考える基軸は絶対にあるはずです。我々は他の国に引けを取らない長い歴史を持ち、歴史の中で何度もイノベーションを起こしてきました。

といったスタンスには、自家中毒で酩酊することなく、隣の芝生だけを見て無駄に卑下することもなく、冷静で、偏ることのないスタンスで語ろうという意志が見えて、安心感を覚える。

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「人生100年時代」の「学び直し」について考えてみよう ー 落合陽一「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」

「人生100年時代」という言葉が一般化してきて、100年時代における「働き方」であるとか「職業戦略」については、たくさんの人が主張を始めているのだが、必然的に長くなる「職業ステージ」の中で、「どう学び直すか」という点については、議論がまだまだ薄い現状と言わざるをえない。

とはいうものの、「人生100年時代」は、本書内で言われるように

何となく人気がありそうで、安全に思える進路を選ぶという発想は、近代における生存戦略として有効でした。それは、社会構造的に集団戦で生きることが中心だったからです。
しかし、これからの社会において、それはあまり意味をもつ戦略ではないかもしれません。・・・他人軸で自分の行動を判断するような生き方では、物事の本質を見抜くような知見は得られません。IT技術の発展によって限界費用より限界効用が変化し、新しい平衡点が生まれ労働より資本の投資が重要になるこれからは、新しい価値観を呼び込み価値を蓄積可能なニッチなものにこそ価値が認められる時代でしょう。つまり、大衆迎合的な方向へ流される人は相対的に弱くなるわけです

という時代であるならば、自らを常にブラッシュアップしていく必要性にかられるわけで、そのためには、「学ぶこと」を学校教育の期間内でやめてしまうことはとてつもないハンディキャップとなることは間違いなく、「学び直し」が必然なこととなるのは間違いない。

そうした「人生100年時代の学び直し」について、若手有数の論者である筆者・落合陽一が縦横無尽に論じたのが、本書『落合陽一「0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書」(小学館)』である。

 

【構成と注目ポイント】

構成は

プロローグ 人生100年時代の「新しい学び方」とは
第1章 Q&A・幼児教育から生涯教育まで「なぜ学び続けなかればならないのか」
 Q1 子供に「なぜ学校に行かないといけないの?」と言われたら?
 Q2 ディスカッションが苦手。どうしたらいい?
 Q3 プログラミングの早期教育は必要ですか?
 Q4 幼児教育は何から始めればいい?
 Q5 英語はいつから習えばよいですか?
 Q6 2020年度の大学入試改革の攻略法は?
 Q7 これから大学はどう選べばよいですか?
 Q8 就職には文系より理系のほうが有利ですか?
 Q9 20代前半までに見につけておくべきことは?
 Q10 これからはMBAよりリベラツアーツを学ぶべき?
 Q11 突出した才能がない人はどう生きていけばいい?
 Q12 人生100年時代を生き残るには何をしたらいい?
 Q13 未来の学び方は変わってくるの?
第2章 落合陽一はこう作られた・どんな教育を選び、どう進んできたか 生成過程
第3章 学び方の実践例・「STEAM教育」時代に身に着けておくべき4つの要素
 言語 ロジカルシンキングとアカデミック・ライティング
 物理 現象を五感で感じ「なぜ?」と考える
 数学 数字が示す世界を読み解くための数学
 アート コンテクストを持った鑑賞力と創造力
エピローグ ライフスタイルとして楽しむ 学びから生まれるイノベーション

となっているのだが、まず注目したいのは

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