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テクニックだけではない。PDCAの真髄は「スピード」 — 冨田和成「鬼速PDCA」(クロスメディア・パブリッシング)

先だって、「PDCAからCAPDへ」といったことのエントリーをしたのだが、実はPDCAのフレームの有効さが失われているのではなくて、「PDCA」という言葉が免罪符のように使われて、方法であったり、サイクルを回す速度であったりが、おざなりになっていることがゲインんであるな、と気づかせてくれるのが本書。
 
もちろん、構成は
 
1章 前進するフレームワークとしてのPDCA
2章 計画初級編:ギャップから導き出せる「計画」
3章 計画応用編:仮設の精度を挙げる「因数分解」
4章 実行初級編:確実にやり遂げる「行動力」
5章 実行応用編:鬼速で動くための「タイムマネジメント」
6章 検証:正しい計画と実行の上に成り立つ「振り返り」
7章 調整:検証結果を踏まえた「改善」と「伸長」
8章 チームで実践する鬼速PDCA
 
となっているので、PDCAのPからA(本書によるとこれは「アクション」ではなく「調整」というものであるのだが)までの方法論や注意点が通しで
 
当方的に注目したのは、なんといっても
 
PDCAが「前進を続けるフレームワーク」である限り、それを、高速を超える「鬼速」でまわし続けることで、会社、部署、そして個人が圧倒的なスピードで成果を出し続けることができる。
 
 
PDCAの考え方は・・「これかな?」と思ったらさっさと検証してブラッシュアップしていけばいい、という考え方だ。
保守的な組織や、頭の固い上司のもとでPDCAが回りづらいのは、失敗が悪者扱いされているからだ。
 
といった、PDCAを回す「速度」であろう。とかくPDCAの欠点に「遅い)ということが言われるが、
 
過度の慎重さ、過度の心配はPDCAサイクルを遅くする。過度の思慮不足、過度の日和見主義はPDCAサイクルの精度を落とす。PDCAを回す人や組織に必要なのは、慎重さと大胆さの中間あたりなのだ。
 
というあたりに、システムの構造でなく、システムを動かす人の力量の大事さを改めて認識させるのだが、その根底は、
 
当社で浸透している文化のひとつとして「行動ファースト」がある。悩んでいるならやってみよう。やることで課題が見える」という発想だ。この発想のベースは仮説思考である。正解などそもそもないのだから、ある程度仮設を立てたらやるしかない。いくら調べてもわからないものjはわからないし、不安を解消するための情報収集は往々にして莫大な時間を消費し、大した成果は得られない。だとしたら最初から失敗しても擦り傷程度で終わる範囲で動けばいい、というのが「行動ファースト」である。
 
ということにあるように思える。
 
PDCAの計画段階での
 
計画フェーズでは、まず最終的に到達したい山頂を決める。これをしないと何も始まらない。そしてそのゴールはできるだけ具体的であるべきだ。定めるゴールは「いつかできるだけ高い山に登る」といった曖昧なものではなく、「1年後の今日、あの山の頂に立つ」というくらい明確にすべきである
 
とか、計画の検証段階では
 
計画フェーズで考えたルートも課題も解決案も、さらには実行フェーズで考えたアクションもタスクも、実際には仮説にすぎない。いま考えられる最適解」にすぎないからこそ
計画フェーズでは、まず最終的に到達したい山頂を決める。これをしないと何も始まらない。そしてそのゴールはできるだけ具体的であるべき
 
とか
 
鬼速PDCAには仮説精度の向上が欠かせないわけである。そしてその仮説精度を支えるのが『因数分解能力』 である。数学で使う言葉になぞらえているが、要するに、「ゴール」と「現状」を構成する因子をどんどんリストアップしていく考え方
 
 
など、PDCAを効果的に回していくためのテクニックは満載なのであるが、ここはブックレビューなので、そのあたりは、本書でしっかり確認してもらいたい。
 
この所、いたるところで取り上げられるPDCAはなんか風当たりが強くて、ちょっと可哀想なところはあるのだが、そこは定番中の定番が受ける風の強さでもある。なので、定番をきっちり学習してから脇へそれるというのが一番であるし、本書はPDCAをの肝は、テクニックだけではなく、「正しい方法で、素早く動く」が鍵であることを改めて認識させる。
PDCAについてしっかり考えたい人はおさえておいたほうがいい一冊ですな。