谷津矢車

時代小説・歴史小説

江戸のメディア王、緊縮の時代に抗う=谷津矢車「蔦屋」【ネタバレあり】

江戸時代の寛政年間、遊里・吉原のガイドブックである「吉原細見」で大当たりをとり、その後、狂歌本にはじまって、世の中を風刺した黄表紙や役者絵を出版し、江戸屈指の地本問屋を立ち上げた、江戸の「メディア王」ともいえる初代の「蔦屋重三郎」の半世紀を...
時代小説・歴史小説

明治維新を看取った「幕末の志士」の物語=谷津矢車「ぼっけもん 最後の軍師 伊地知正治」

徳川幕府と薩摩・長州の官軍が激突した戊辰戦争・鳥羽伏見の戦いで、自軍より3倍の勢力の幕府軍を撃破。さらに明治政府を揺るがした西南戦争ではいち早く西郷軍の敗北を予告し、「類稀なる軍略家」と呼ばれた伊地知正治とその三人の弟子を通じて、新政府側か...
時代小説・歴史小説

幕末の狂乱踊りの陰に坂本龍馬の陰謀が隠れている?=谷津矢車「ええじゃないか」

江戸時代の末期、慶應3年の8月から12月にかけて、近畿、四国、東海地方でおきた、地域の神社やお寺の御札が撒かれたことをきっかけに、つながりのない民衆が集団となって「ええじゃないか」という囃子言葉を唱えながら踊り狂った社会現象「ええじゃないか...
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徳川最強の忍者「服部半蔵」は実はヘタレだった?=谷津矢車「しょったれ半蔵」

「忍者」といって頭に浮かんでくるのは真田幸村に仕えた「猿飛佐助」や、北条家に仕えた風魔小太郎などなどいろんな名前がでてくるのですが、実在した「忍者」といわれる人物の中で、一番有名で、出世頭といえるのは、本書の主人公「服部半蔵」ではないでしょ...
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江戸後期の「伝説の最強棋士」の修羅の生き方=谷津矢車「宗歩の角行」

徳川幕府の11代将軍・徳川家斉から14代将軍・徳川家茂までの幕末期に、幕府からその地位を公認された将棋三家の出身ではないため「名人」にはなれなかったものの、その実力では一番であったと言われる伝説の棋士「天野宗歩」の、人格・生活は破綻者の天才...
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旧松前藩士の遺児は土方歳三に反乱を仕掛ける=谷津矢車「北斗の邦へ翔べ」

会津戦争や東北戦争で敗れ、榎本武揚や大鳥啓介たちと蝦夷地にわたって蝦夷共和国をつくり、明治政府とわたりあった土方歳三の戦いは、蝦夷共和国側か明治新政府側から描かれるのが通例なのですが、その二つとは全く異なる、土方歳三たちに征服された、箱館に...