土橋章宏

時代小説・歴史小説

悪辣な老中の”参勤の命”下る。地方の小藩の闘い方はいかに ー 土橋章宏「超高速!参勤交代」+「超高速!参勤交代 リターンズ」(講談社文庫)

参勤交代というのは、外様大名の力を削ぐために江戸幕府が考案した優秀な策といいてよく、例えば加賀百万石の前田家などでは、行列の人数が3000人を超え、費用も3000両近くも費やしたものであるらしい。このあたりは、上田秀人さんの「加賀百万石の留...
時代小説・歴史小説

マラソン大会を開催した、お殿様の意図はどこに? ー 土橋章宏「幕末まらそん侍」

舞台となるのは、今の群馬県安中市を城下町としていた上野(こうずけ)国の「安中藩」。ここの五代目藩主である「板倉勝明」が、”鍛錬のため”と言う理由で、安中城から碓氷峠の上にある熊野神社まで、組をつくって遠足(今のマラソンですな)を命じたことか...
時代小説・歴史小説

日本の海を明るく照らせ。灯台はじめて物語 ー 土橋章宏「ライツ・オン!」(筑摩書房)

「日本はじめて物語」というのは、明治時代の文明開化の頃を舞台にした物語のおなじみネタなのだが、どうしても「鉄道」といった派手なものが注目されることが多くて、「灯台」をテーマにしたものは本書ぐらいのものだろう。その意味で、こうしたマイナーなも...