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大坂町火消をまとめ上げて、火災旋風に立ち向かえ ー 今村翔吾「双風神(ふたつふうじん) 羽州ぼろ鳶組 9」

第四巻の「鬼煙管」で、初代長谷川平蔵を六角獄舎の火災で失って後、江戸が物語の中心となっていて「上方」とはご無沙汰となっていた。
今回、その時に知り合いとなった、淀藩常火消の「蟒蛇」こと野条弾馬の要請と、幕府と朝廷との「暦編纂」の争奪争いが絡み、「大坂」で羽州ぼろ鳶組が活躍する姿が描かれるのが「ぼろ鳶組」シリーズ第9弾となる『今村翔吾「双風神(ふたつふうじん) 羽州ぼろ鳶組 9」(祥伝社文庫)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第一章 緋鼬
第二章 水の都
第三章 天理人足
第四章 秘策
第五章 大坂
第六章 赤舵星十郎

となっていて、まずは、ぼろ鳶が誇る「風読み」加持星十郎が、幕府の天文方が京都の土御門家から「暦の編纂」の権利を取り戻すための勝負に、幕府方として参加するため、休暇がほしいと申し出るところからスタート。この時、羽州ぼろ鳶組の頭取・松永源吾のもとには、淀藩常火消の野条弾馬から、大坂で頻発する、複数の小火から緋鼬へと広がっていく火事の対応の援助を求められており、ふ星十郎+源吾+武蔵の三人組で、暦争いと緋鼬退治に大阪へ出かけていく、という展開である。

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新之助にふりかかる放火誘拐犯の嫌疑を、火喰鳥は食いつくせるか ー 今村翔吾「玉麒麟 羽州ぼろ鳶組8」

火薬を使った元花火師の放火犯・狐火が起こした明和の大火に始まって、新木場の火事、大坂の火付けなど多くの火事を、頭領の「火喰鳥」こと松永源吾を筆頭に、一丸となって「食って」きた「ぼろ鳶組」。

前巻では、狐火の復活かと思われた放火事件を解決したのだが、田沼老中の失脚を狙う一橋卿の陰謀はますます「巧妙さ」と「凶暴さ」を増してきている。

そんな中、創設当時からのメンバー「鳥越新之助」の火付けの嫌疑がかかり追われる身となるというアゲインストな幕開けとなるのが、大名火消「羽州ぼろ鳶組」の活躍を描くシリーズの第8弾となる『今村翔吾「玉麒麟 羽州ぼろ鳶組8」(祥伝社文庫)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

序章
第一章 消えた頭取並
第二章 加賀の評定
第三章 もう一人の銀煙管
第四章 真の下手人
第五章 関脇ふたり
第六章 出奔覚悟
第七章 転(まろぼし)
終章

となっていて、日本橋の商家の火事の場面からスタート。

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忌まわしい火付け犯復活?明和の大火の再来か・・・ ー 今村翔吾「狐花火 羽州ぼろ鳶組7」

江戸の火消の代表格となった「新庄藩大名火消し」の活躍を描く「羽州ぼろ鳶組」の活躍を描くシリーズの第七弾が「狐花火」(祥伝社文庫)。

度重なる火事で犠牲者も出ているが、「ぼろ鳶組」があちこちの火事に出張って「見舞火消」を続けるうちに、江戸の火消たちの結束や連携が高まってきている。今巻は、そんな「ぼろ鳶組」誕生の時の大火事であった「明和の大火」の犯人の復活と思わせる付け火に立ち向かう「源吾」たちの姿が描かれる。

話が進展していくうちに、江戸火消たちのラインナップも充実してきていて、羽州ぼろ鳶組のメンバーだけでなく、大音勘九郎ひきいる「加賀鳶」や喧嘩っ早いモンロー主義鳶の、辰一ひきいる「に組」、礫の名手・柊与市の「仁正寺藩火消」など、それぞれの特色が楽しめまる仕上がりになってます。

【構成と注目ポイント】

構成は

第一章 蠢く
第二章 多士済々
第三章 番付狩り
第四章 要人
第五章 狐を継ぐ者
第六章 青き狼
第七章 焔の火消

となっていて、まずは、田沼意次のこの時期最大の政敵で、「ぼろ鳶組」を田沼追撃の材料に使おうとしている、一橋卿・徳川治斉の述懐が本巻の出だし。

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ナンバーワン花魁の熱い期待に、彦弥はどう応える? ー 今村翔吾「夢胡蝶 羽州ぼろ鳶組6」(祥伝社文庫)

前巻で徳川治斉一橋卿の意をうけた幕閣によって、方角火消のお役免除にされそうになったのだが、田沼意次の機転によってからくも逃れた新庄藩大名火消「ぼろ鳶組」の次の舞台は「吉原」である。

これまでこのシリーズで吉原遊廓の火事の応援に「ぼろ鳶組」がでかけたことはなかったのだが、本書によると、それは吉原火消が定火消や大名火消などの武家火消、町方でつくる四十八組の町火消のどちらにも属さず、遊郭の妓楼で組織する火消し組織で、吉原以外は守らなない、ということもあるのだが、吉原の妓楼が全焼すると郭外で営業できて、しかも税金免除という特典のため、楼主たちが「消火される」ことを好まなかった、という事情にあるようだ。

そんな未踏の地「吉原」でおきる不審火の原因究明をするため、田沼意次の命令によって、松永源吾、寅次郎、彦弥が乗り込んでいくのが今巻である。

吉原の不審火になぜ、田沼意次が乗り出してきたのかっていうのは、単なる防火の面とか、治安の面とかの政治の表の面だけでなく、本音のところは、政治の裏の面、徳川治斉一派との暗闘に原因があるのだが、詳しくは今巻の終わりの方で明らかになる。

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火事の裏にある火消しの悪事を火喰鳥は見破るか? ー 今村翔吾「菩薩花 羽州ぼろ鳶組5」(祥伝社文庫)

京都で大規模な火事を起こした「火車」の事件を解決して江戸に帰還した、火喰鳥こと「松永源吾」を中心とする新庄藩大名火消しの活躍を描く「ぼろ鳶組」シリーズの第5弾。

今回の舞台は江戸。「ぼろ鳶組」のメンバーだけでなく江戸の火消しの大きな関心事の「火消し番付」の発表が3ヶ月後となった8月の終わりから火消し番付の発表までのストーリーである。

今回の悪役の陰の黒幕はやはり、一橋卿・徳川治斉で、前巻と今巻の中頃まではなにやら企んでいる気配はあっても具体的な動きを見せなかったのだが、今巻の最後のほうで田沼潰しに鎌首をもたげてきますので、最後までお見逃しなく。

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京都に巣食う「火付け妖怪」に「火喰鳥」が挑む ー 今村翔吾「鬼煙管 羽州ほろ鳶組4」(祥伝社文庫)

加賀藩の加賀鳶と並んで、江戸の火消し組を代表する火消しとなった羽州新庄藩の大名火消しの活躍を描いた「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第4弾。

今回のフィールドは、江戸から遠く離れた「京都」。ここの供与西町奉行として赴任している「長谷川平蔵」の要請を受けて、ぼろ鳶組の「松永源吾」「加持星十郎」「魁の武蔵」が、京都に出没する謎の火付け犯と対決するのが本巻。

源吾たちを京都に呼び寄せたのは、初代長谷川平蔵(本名 長谷川宣雄)で、今回、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」で有名な二代目長谷川平蔵こと長谷川宣似(本書では、まだ「平蔵」を襲名していないので「銕三郎」という名前になってますね)と出会う設定となっていて、あれこれ喧嘩はするのだが、二代目平蔵も、次巻以降の重要なキャストになってきますね。

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くらまし屋の掟を破る依頼者に平九郎の対応は? ー 今村翔悟「秋暮れの五人 くらまし屋稼業4」(時代小説文庫)

今まで、香具師の親分から追われる子分二人、呉服屋に監禁されている娘、高尾山の山中に軟禁されている本草家、と様々な事情と様々な環境にある者を「晦まして」きた「くらまし屋」たちなのだが、今話では、くらまし屋の晦ましに条件となる「依頼は必ず面通しの上、嘘は一切申さぬこと」や「我に害をなさぬこと」といった ”くらまし屋七か条” に真っ向から逆らう依頼者が出現してくる。

ただ、この逆らう客が一般の素人が逆上したり面白半分で、というわけではなく、昔、残虐で知られた盗賊の生き残りが脅迫を受けての所業なので、「くらまし屋」としてもそう簡単にあしらうわけにはいかない、というのが今巻である。

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幕府と誘拐集団をかいくぐり、山中から「植物学者」を脱出させよ ー 今村翔吾「夏の戻り船 くらまし屋稼業3」(時代小説文庫)

第一作で、浅草を牛耳っている香具師の元締め・丑蔵の手下の万次と喜八、第二作で日本橋の呉服屋・菖蒲屋の奉公人・お春を、彼らを殺そうとする丑蔵や人買いに売っぱらおうとする菖蒲屋と人買いたちの間をかいくぐって、見事、江戸から脱出させて「晦ます」ことに成功した「くらまし屋」たち。
今回、やってきたのは、元幕府の採薬係の本草家(現在の植物学者のことですね)からの依頼。自分を江戸から「晦まし」て陸奥へ脱出させてくれという依頼であった、というのが「くらまし屋」シリーズの第三弾『夏の戻り船』である。

「くらまし屋」側の主なキャストは、リーダーの浪人で飴細工屋の堤平九郎、「くらまし屋」のホームグラウンド「波積屋」の看板娘・七瀬、女にもてるが博打好きの「赤也」、「波積屋」の主人・茂吉といったところなのだが、今巻から、第二巻で「晦ます」ことに成功して人買いの魔手から救った「お春」も「波積屋」で下働きをやっていて、シリーズにどんな色合いを添えてくれるか楽しみなところである。

国元から来た若殿様は、ぼろ鳶組を潰す気なのか? ー 今村翔吾「九紋龍 羽州ぼろ蔦組 3」(祥伝社文庫)

壊滅寸前のところから、新リーダーの松永源吾を筆頭に、軟弱風の剣の達人・鳥越新之助、イケメンの軽業師・彦弥、元相撲取りの怪力・寅次郎、天文に通じたハーフの天才風よみ・加持星十郎、竜吐水の遣い手・魁武蔵といった面々の働きで、江戸の大名火消しの中で、どこの火事でもかけつけて手助けをし、人命を一番大事にする「火消し」として江戸市民から声援されるまでになった「羽州ぼろ組」なんであるが、今回は、羽州戸沢藩の家中と残忍な火付け盗賊という両面の「敵」の立ち向かわなければならない事態となるのが、第3弾の本巻「九紋龍」である。

表題の「九紋龍」というのは、町火消「に組」の頭領・辰一(たついち)の別名で、彼は190cmくらいの巨体で、しかも「ぼろ蔦組」の寅次郎に負けないほどの怪力の持ち主である。火付けを働いた下手人を白壁に打ち付けて殺した罪で「江戸払い」となっていてのだが、改元にあわせた恩赦で江戸へ一年前に帰ってきたところである。
「に組」は自分の管轄は単独で守る代わりに、外への応援には出ない。しかも自分の縄張りに助勢にくる火消しは実力で排除するといった「モンロー主義」的な火消しで、どこでも加勢にやってくる「ぼろ鳶」とぶつからないわけがない、というのだが・・、というのが本巻の話の大前提である。

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卑劣な「脅し」に負けずに江戸を「付け火」から守り通せ ー 今村翔吾「夜哭烏 羽州ぼろ鳶組 2」(祥伝社文庫)

新庄藩の大名火消しの活躍を描いた「羽州ぼろ鳶組」シリーズの第2弾。前巻で、花火師崩れの放火犯・秀助の火薬をつかったおおがかりな放火から江戸市中を守った松永源吾たち「ぼろ鳶組」で、江戸のあちこちで起きる火事の現場にかけつけて消火にあたる彼らの評判はだんだんと高まっている。今巻はそんな彼らの働きを邪魔するかのように、同じ火消し仲間のサボタージュによって、江戸が再び大火によって焼失する危機を迎える。さて、松永源吾たち「ぼろ鳶」たちは、これにどう立ち向かうのか、というのが今巻の読みどころ。

今回の話の肝は、当時の江戸の火消しの世界の意外な規則で、

火事を発見した時、まずは士分の火消しが太鼓を打ち、それを聞いた後でないと町火消しは半鐘を鳴らすことはできない。さらに同じ士分でも最も火元に近い大名家が初めに太鼓を打つ決まり

といった当時の階級差を示した規則で、火の見櫓も、町火消のほうは武家火消しに村べて貧相で低くなるよう定められていたらしく、このあたりが数々の時代劇で、「大名火消し」は町火消の邪魔をする「敵役」あつかいされてしまう原因であるのでしょうね。

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