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「AIの時代」を泳ぎ切るノウハウはこれだ ー 堀江貴文「僕たちはもう働かなくていい」(小学館新書)

時代の先端をいく事象について、いつもセンセーショナルな提言を投げ込んでくる筆者なんであるが、今回のテーマは「AI」である。
この話題については、将棋や囲碁で人間の名人がAIに敗北したり、シンギュラリティにより人間の職が奪われたり、といった負の側面が強調されることが多いのだが、身の回りをみてみると、「人間型」ではない「ロボット」や「AI」はすでの我々の生活のいたるところに入っていて、我々の生活がこうしたものなくしては成り立たないところまで来ているのは間違いない。

そんな現実の中で、時代にいつも風雲を巻き起こす筆者が、アンドロイドだけでなくモビリティも含めたAIの最新の話も交えて、「AIと共存する」「AIを取り込んで暮らす」ことについて、アグレッシブに提言したのが本書『堀江貴文「僕たちはもう働かなくていい」(小学館新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 AIから目を背けるバカとはつき合うな
第2章 AIロボットで「多動力」を発揮する
第3章 パーソナルモビリティは”スマホ化”する
第4章 「無人化時代」はチャンスに変えられる
第5章 リデザインされる世界をどう生きるか

となっていて、最初のところで

今後はAIやロボットを使いこなす人と、そうでない人との格差の拡大が始まる、
使いこなす側が受けられる恩恵と、使いこなせない側の不利益は、これまでの格差とは比べ物にならないほど、大きくなるだろう。
とてつもない「AI格差」の時代が、始まりつつあるのだ。

といった話で始まるので、ギョッとしないように。

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「デジタル疲れ、実店舗復活か(日本経済新聞)」。理由は”疲れ”ではない気がするのだが

2019.08.16付けの日経新聞の朝刊に「デジタル疲れ、実店舗復活か」と題して、日本出版販売の「文喫」や「TYUTAYA」の徳間書店や主婦の友社と連携してグループ書店でしか購入できないオリジナルの書籍販売、ブックオフの復調をとりあげて

フリマアプリを使うと個人間で価格交渉をしたり、配送や梱包をしたりする。手続きを面倒と考える消費者が実店舗に戻り始めた。

スマートフォンの普及でリアル店舗はネット通販の攻勢にさらされてきた。しかし、品ぞろえや商品提携力といった実店舗ならではの強みを磨いて売上高を伸ばす企業も目立つ。交流サイト(SNS)やアプリなどのデジタルサービスが広がる中、他社とのコミュニケーションを敬遠する「デジタル疲れ」を商機とする企業も増えている。
(略)
ネットサービスが普及する中でもリアルの強みをアピールし、デジタル疲れの消費者の潜在需要を取り込むことができるかが、リアル店舗の生き残りを左右しそうだ。

ということで、ネットによって経営を圧迫されてきたリアル店舗に、光明が見えてきた気配がして、まずはめでたい。

ただ、当方がちょっと気になったのが、この動きを「デジタル疲れ」のベクトルでとらえているところ。というのも、これらのユーザーが、デジタルではなくアナログ・実店舗を選択している主な原因は、「デジタルの限界」に原因があるのではと思ったからである。

例えば「文喫」というサービスは

・入場料1500円の三万冊以上の書籍を販売する本屋
・本の「閲覧室」や仲間と本について談笑できる「研究室」、軽食のとれる「喫茶室」を備える
・店内で提供される珈琲と煎茶はお替り自由

といったもので、まるごと「本」に向き合える仕掛けがされていて、デジタルでは提供に限界のある「実体感」の部分に優位性をもっているし、メルカリが敬遠されているのは、自分の不用品をネットの不特定多数に向けて販売するというシステムのところではなく、自分で梱包するという「手間」の部分である。

と考えると、これからデジタルのサービスが「体感」の部分を補うショールーム機能や、「手間」を代替するサービスを補っていくことによって、「疲れ」ることなく、再び実店舗を脅かす場面がくるのではないか、と思う次第である。

とりわけ、実店舗を運営する「人手」の部分が、これからの人口減少の影響を最も受ける地方部において、消費生活の便利さを維持していくには、デジタルがそうした機能を備えていくほうが望ましいような気がしてならないのである。「実店舗の逆襲」は、人人口がこれからも集積するであろう首都圏の都心部分だけがもちうる「夢」であるような気がするのであります。

もちろん、「文喫」のような仕掛けは、ともすれば傲慢になりがちな「デジタル・サービス」に反省を促すこと間違いないので、こうしたのはどんどん出てきてほしいのであります。

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ビジネスの最前線で勝ち残るための必要な情報が凝縮 日経ビジネス

IoT時代の新ビジネスモデルとは? ー 野口悠紀雄「「産業革命以前」の未来へ」

ここで問題。
「ユニコーン」、「フィンテック」、「ブロクチェーン」。
この意味をちゃんと答えられる人は大丈夫。この新書を読む必要はない。
一つでも、説明できないものがあったあなたは、この本を読んでおかないと後々後悔することになると思う。
 
なんて、脅しめいたことを述べたが、それぐらい、ビジネスに限らず我々の生活の周辺で、AIをはじめとした新しい科学技術、それも今までのハードウェアではなくソフトウェア中心の技術用語が蔓延していて、しかも、それがこれからの生活に密接に影響してきそうなのが、なんともシャクである。
 
そういうトレンドについて、わかりやすく概説してくれるのが、本書『野口悠紀雄「「産業革命以前」の未来へービジネスモデルの大転換が始まる」(NHK出版新書)』である。
 

【構成は】

 
第1章 ビジネスモデルの「先祖返り」が始まった
 1 なぜ大航海時代を振り返るのか
 2 官僚帝国だった中国の末路
 3 イギリスはなぜスペインを追い抜けたか
 4 日本は世界から国を閉じた
第2章 産業革命は何を変えたのか
 1 産業革命で経済モデルが大きく変わった
 2 アメリカ「金ぴか時代」の大金持ちたち
 3 巨大組織の時代になった
第3章 IT革命がフロンティアを生み出した
 1 通信・情報という新しいフロンティア
 2 電信、電話、ラジオ、コンピュータ
 3 再びビジネスモデルが転換する
第4章 GAFAという勝者たち
 1 GAFAとは
 2 GAFAを創業した人々
 3 新しい技術をどう収益化するか
 4 技術のジャイアントは続くのか
第5章 ユニコーン企業は次の勝者になれるか
 1 ユニコーン企業とは
 2 シェアリングエコノミーでのユニコーン
 3 フィンテックでのユニコーン
 4 ユニコーン企業は社会構造をどう変えるか
第6章 未来を拓くAIとブロックチェーン
 1 AIは何を可能とするか
 2 ブロックチェーンは何を可能とするか
 3 AIとブロックチェーンで人間の働き方はどう変わるか
第7章 中国ではすべての変化が起こっている
 1 長い停滞から目覚めた中国
 2 産業革命型企業と水平分業企業の共存
 3 GAFAの中国版である「BAT」
 4 中国でのフィンテックやブロックチェーンの急成長
 5 中国は数百年の遅れを飛び越えようとしている
第8章 では日本はどうすべきか
 1 日本にフロンテイアはなくなったのか
 2 企業が生まれ変わるためには
 3 新しい働き方をどのように実現させるか
 
と、大航海時代から産業革命時代、そして現代に至るまでの歴史やビジネスモデルについて第1章から第3章のあたりでとりあげ、第4章以後は、新しい技術に導かれるビジネスモデルや社会変化についてとりあげる、といった構成になっている。
これは、冒頭のところで
 
産業革命によって垂直統合化、集権化、組織化が進展したが、新しい経済の最先端は、それ以前の時代の分権的ビジネスモデルへと先祖返りしつつある(P5)
 
といったことを踏まえてのことであろう。
 

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ブロック・チェーン技術は、地域振興に現在の「藩札」システムをもたらすかもしれない

BUSINEDD ISIDERで「ブロックチェーン技術で障がい者の仕事を増やしたい—— DMMとヴァルトジャパンの挑戦」というテーマで、ブロック・チェーン技術が、障害者雇用に寄与する新しいアイデアが出ていた。記事によると

ブロックチェーンは、あらゆる産業で活用の可能性が検討されているが、障がい者の就労では、どんな可能性があるのだろうか。
「障がいのある人が仕事をしようと考えたとき、まだまだ選択肢は少なすぎるし、機会も少ない。ブロックチェーンで経済圏がつくれるのなら、大幅に機会を増やすことができる」と小野さんは言う。

人は誰でもその時の状況によって、できる仕事が変わる。これは、障がいがある人でも、そうでない人も同じだ。障がいがあっても、一般企業に通勤してバリバリ働こうという人もいれば、在宅でごく簡単な仕事がいい、という人だっている。
ヴァルトの取り組みの一つは、業務の分割だ。例えば、ウェブ向けの記事を制作する仕事にはさまざまな要素がある。

(略)

こうした働き方の場合、難しいのは支払いだ。業務が細かく分割される以上、単価も小さくなる。細かく送金すると、既存の銀行の仕組みでは手数料がかさむ。
川本さんは「法定通貨だと難しいが、仮想通貨のマイクロペイメントの仕組みとスマートコントラクトを組み合わせれば、1件ごとにトークンが受け取れる仕組みもつくりやすい」と説明する。

スマートコントラクトは、契約を自動化する仕組みと仮想通貨を組み合わせる。例えば、ユーザーからの問い合わせに答えるロボットへの質問を障がい者が一つ考え、発注者側が受け取り、使えると判定すれば自動的にトークンが送られる、といった約束を事前に取り決める。

といったことで、仕事の細分化と支払いの新しい可能性を示している。

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ヒトと機械の境界は曖昧になるのか — 海猫沢めろん「明日、機械がヒトになる」(講談社学術新書)

いまほど人間と機械の間が近くなっている時はあるまい。「近く」どころか、AIに仕事を奪われる、であるとか、義足を付けた陸上ランナーが生身の足をもつランナーより記録を伸ばすかも、であるとか、どことなく、AIや機械に脅威を感じ始めている印象がある。

本書は、小説家の海猫沢めろん氏という、「文系の人間」の視点から、それぞれの技術開発の最先端にいる科学者、エンジニアにインタビューし、人間と機械の境界線を探ったものである。

構成は

第1章 SRー虚構を現実にする技術
第2章 3Dプリンターーそれは四次元ポケット
第3章 アンドロイドー機械はすべて人型になる
第4章 AI(人口知能)ー機械は知性を持つか
第5章 ヒューマンビッグデーター人間を法則化する
第6章 BMIー機械で人を治療する
第7章 幸福学ー幸せの定理を知る

となっていて、とかくこうした話題になるとAIといった人工知能系だけではなく、マン・マシン・インターフェイスのあたりとか仮想現実のところとかも包含しているので、人と機械の境界線のあたりを総合的に論じてあるといった印象である。

そして、そこでおきるのは、

データ的実存。・・他者に実存を感じる瞬間、みんな肉体そのものから実存感を受け取っていると思ってるけど、それだけではなく、実は、他者の肉体と、自分の中に生まれた仮想の他者データの同期、それが実存感を生んでいる(P33)

であったり

日立製作所が人の行動のデータ「ヒューマンビッグデータ」を集めてそれを解析した結果、人間の行動に関するさまざまな法則が見えてきました。・・
人間の行動に法則があるーこれは人の「自由意志」にかかわってくる問題です。

人間も機械のように「プログラム」のような法則で動いているだけなのでしょうか(P163)

といった具合に、人が人である根拠、あるいは自分の行動は自分で決めるとといった人と機械との違いが揺さぶられる状況である。ただそれは、人間の優位性をゆるがすといった立場から認識されるのではなく、

(AIの)中身はかつてのAI研究者が夢見ていた「人間知性の再現」ではなく、統計処理や機械学習など、人間にはわからないブラックボックスの部分が多くを占めています。しかし、それがもし「機械的知性」の在り方ならば、人間はその知性を認めるべきでしょう。ぼくは、それができたとき、人間の知性に対するリアリティが変わると確信しています(P66)

といったように、人間と機械の関係性を変えていく、あるいは人間と機械の関係性を平等にするといった方向であるところがかなり刺激的である。ということは、機械を擬人化して扱ったり、他人の行動が何か機械的なものに感じる現象は、けして不自然なものではない、と安心してよいのかもしれない。

そして、

自分を自分の意志で動かしているなんていうのは、おごり高ぶった考え方で、人間の体の動きなんて、集団現象なんじゃないかと思うんです(P188)

人間は場を共有しているだけで、無意識に影響を受けてつながりあっている(P189)

といったところまでいくと、ひところのSFで登場した「人類の意識共同体」といったこともあながちフィクションではないのでは、とすら思えてくる。

 

本書の最後は、

人と機械の境界はすでに消え、機械は人と人とをつなぐものであり、人は機械と機械をつなぐものでもある。その中では人と機械の区別はもはや意味がありません。(P283)

といった論調で締めくくられる。

異星からもたらされたものによって、諸星大二郎の「生物都市」では、人・動物と機械が融合する世界を描かれていたし、核戦争後の地球で様々な生物が生み出された後、「陸」と「海」とが意思を持っていく世界を描いたのは。筒井康隆の「幻想の未来」であったろうか。昔の幻想譚が現実のものとして蘇ってきたような、奇妙な印象が湧いてきましたな。

 

AIの生活への浸透には、「ロボット三原則」の匹敵する「AI◯原則」を考えるべきではないか

C-net Japanで『「Alexa」、家庭での私的な会話を連絡先に誤送信』ということで

・Alexaデバイスを家中に置いている家庭で、プライベートな会話を電話で仕事関係の連絡先に電話で送った

・Alexaは聞き間違いでそういう動作をしたらしい

といったNewsがでていた。

これから、AIがスマートスピーカーに限らず、様々なデバイスに搭載されるにしたがって、こうしたことに限らず様々な問題が増えてくるのは間違いない。もちろん、マシンの誤動作の範囲であるとは思うのだが、マシンの持っている機能と、我々のプライバシーを含む「柔らか」なところが不可分に結びついているがゆえに、誤動作が大きな影響をもたらしてしまうということであろう。

最近、こうしたAI関係の出来事を見て思うのだが、性能や能力の進化を推し進めるか、あるいは、その危険性を考えて禁止する方向にいくか、といった両極端の議論が目立っている。でもですね、ここらで科学者の皆さん、技術者の皆さん、先達である「アジモフ博士」がロボットが暴走しないように、我々人類とともにあるように考案した「ロボット三原則」に匹敵するようなものを考えてもらえんですかね。

 

技術の進化は、止めようとしてもどこかに突破口を見出して動くものであるし、もしそれを封じれば、中世の暗黒時代のように、その地域を置いてけぼりにして進むもののように思うところ。拒絶か無条件の容認ではなく、第三の道を模索したいものですね。

 

ちなみに、ロボット三原則は、「我はロボット」(アイザック・アジモフ著)ででてきたもので

第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

— 2058年の「ロボット工学ハンドブック」第56版

というものでありますな。さてAI◯原則はどういうものになりますか。 

 

AIによる「雇用喪失時代」に何が求められるのか

AIによって雇用が奪われるという問題で、最近気になった記事がこれ。ひとつはPRESIBDENT ONLIMNEで「10年後にはドライバーの仕事は消滅するー123万人の雇用が喪失する恐れ」というもので、要点は

・AIの進化によって、タクシードライバー、トラックドライバーといった職種は、自動運転の普及によって2025年までに消滅。銀行員、弁護士も風前の灯火

・20年後には、経営者、医者などが消滅あるいは削減の対象に

・一方、指の細かな作業のいるコンビニ店員、大工などは生き残る可能性大

 

もうひとつはBUSINESS INSIDERの「ロボットが奪い始めた人間の雇用ーバリスタ・ロボットは1時間あたり120杯のコーヒーをつくる」では

・アメリカの人気コーヒー・ロースターはベンチャー企業と提携し、バリスタ・ロボットをつくった。

・人件費が抑えられるため、そのチェーン店のコーヒー代は安価。

・人件費の高騰により、ファスト・フード・チェーンのうち、マクドナルドなどの大きなチェーン店は小型店舗やモバイル端末による注文にシフト。より小規模なチェーン店は店舗全体の自動化に取り組んでいる

ということで、ファーストフードを始め、小売店の無人化は今後。AIの進化・浸透によって進む一方のようだ。

 

卑近な例で言えば、コンビニ・コーヒーの普及によって、喫茶店などが駆逐されているのもその先駆けと行っていいと思う。

で、こんなご時勢ではあるのだが、これから出てきそうなのは「空間ビジネス」のような気がしますね。もともと喫茶店が流行っていたのは、コーヒーの旨さということもあるのだが、落ち着ける空間の提供ということも大きかったように思う。そうであれば、いっそ人の役割は、居心地の良い空間提供のためのお世話、ぐらいに割り切って、旨いコーヒー提供はAIに任せて、「空間づくり」と「空間提供」に専念するというビジネスも出てきそうですね。

例えば、コーヒーはあまり上手くないけど、話上手で相談に乗ってくれる、喫茶店のマスター、あるいはスナックのママさん的なものですかね。AIの浸透は留まることはないだろうから、「人」の手でしか提供できないものは何か?といった視点でこれからの仕事は考えないといけないんでしょうね。

音声入力は、意外に私たちの身近にあることに気がついた

勝間和代さんのメルマガではよく紹介されていたのだが、定期的に診断してもらっている整形外科で、そこの年配のお医者さんが、音声入力でカルテに入力しているのを見て、改めて音声入力が我々の暮らしの中に実は入り込んでいるのだ、ということに気がついた。

仕事の効率化やIT化に携わっていたこともあるのだが、カルテとか業務日報とかの電子化で、一番ネックになっていたのは入力の手間をどうするかということであった。特にお医者さんや現場での作業が多い職員は、キーボードを使った入力には面倒感があるようでそこが導入を躊躇する一因ともなっていた。

その医院での入力の様子を見ると、もちろんAI機能の進化もあるのだろうがかなり正確に入力されている。まだ誤変換はあるようだが、これからのAIの進化でかなり改善されてることいくことはまちがいない。 実際この原稿も音声入力で書いてみたのだが、なかなかに便利なものである。

ワープロが、タイピストを駆逐したように、音声入力は、会議や打ち合わせにまつわるさまざまな仕事を変えていくような気がする。 テクノロジーっていうのは、意外にこんな身近なところから、我々の生活を変えていくのかもしれませんね。

ちなみに当方がiPhoneで使っているのは、音声認識メールというアプリであります。有料ではありますが、結構認識力高いですよ。Evernoteとも連携しているのも便利ですな。

古い習慣の強固さは、日本だけの専売特許ではないと思うが・・・

少し前になるのだが、THE PAGEで「新しいITに否定的な日本、もはやアフリカよりも前時代的?」といった記事があってたのだが、ようやく当方も考えがまとまったのでエントリーしておく。

 

記事の要旨は

・アフリカで起業した女性が日本に帰国すると驚くことがある。あらゆる席に喫煙席があること、や回覧板の文化があること、紙の本をよむ人が多いこと、そしてモバイルで送金できないことや、現金しか決済できない店が多いこと

・アフリカでは、経済発展にともなって新しいインフラを使いこなす人も増加している

・新しいITインフラやビジネス習慣と人々の思考回路には密接な関係がある。古い制度にしがみついていると、物質的・生活様式でも遅れをとる。新しいことに貪欲になることが日本人に求められている。

といったもの。

 

ただ、こういう古い政府度が強固に残って、新しい動きに乗り遅れてしまうってのは、別に日本だけでなく、世界中どこでも起きているのではないですかね。例えば、産業革命は当時、大陸より遅れていた「イギリス」から始まったのであるし、生産現場でのAI導入でドイツが先んじられたのも、生産の合理化で周回遅れだったせいで、かえって新しい技術が導入できたから、といった話がある。日本だって、戦争で古い制度や基礎インフラがまっさらになったからこそ、戦後の工業社会化や高度成長があったといえなくもない。記事のアフリカの例も、要は国土を網羅したシステムや、経済の安定といったことがなかったから、白地に絵を描くように、モバイル決済などがどんどん普及した、ということなんだと思うのである。

 

使いこなされてきた古い制度やシステムが安定していて、楽であるのは間違いなくて、そこに、新しい仕組みやシステムをいれようとした場合、古いものときしみが生じるのは通例のこと。ここらは「新しいことに貪欲になる」といった精神論で解決できる話ではないような気がする。要は、古いシステムにどこで見切りをつけて、将来性のある新しいシステムにどう乗り換えていくか、ということなのであって、新しいシステムの優位性がどのあたりで古いシステムを上回るか、あるいは上回るように誘導できるか、といったことではないでしょうかね。

 

このあたりになると、強権的な政治のない「日本」はちょっと不利なことは間違いなくて、じわじわと染み入るように新しいものが入ってくるのを待つ以外なく、寂しいですが、一度は周回遅れになってしまうという宿命を背負っているのかもしれないですね。

 

勝負はいつも勝ち続けることはできないのだから、早めに軽く負けて、体制を建て直して、次の勝負を有利に進める準備をするということが肝なのかもしれないですね。

DocomoのAI戦略は、ちょっと当方の理解の外にありますようで

C-netによれば、DococoのAIの戦略は

いろいろなことができる対話型AIデバイスは、「結局、大半の機能がユーザーに使ってもらえない」と同氏。用途を絞るなどして、ユーザーが「このために、このデバイスを使う」という役割を明確にさせることが最も重要であるとし、AIを用いたサービスの差別化には最終的に“人間の力”が鍵を握ると断言した。

という方向であるらしい(https://japan.cnet.com/article/35115869/

個人的にはそこまで“AIを使うぞ”といったハードルを上げられると、ちょっとシンドい。スマホの導入の時もそうであったような気がするのだが、Docomoが新しい技術を導入するとき、ふわっとした感じで導入するんではなく、なにかしら利用者に主体性を求めてくるような気がしますね。

Iモードの時にも感じたのだが、メーカー側で用意するシステムに合わせろ。といった感じがして、どうも違和感がある。もちろんAppleの場合も、自らのシステムの中に囲い込む志向が強いのだが、その遊ばせてくれる、あるいは、動けるフィールドがどうも違っていて、制約感が漂うのである。

どちらかというと、日本のITの雄であるDocomoさんには、太っ腹な感じでユーザーを遊ばせてもらいたいと思うのだが、どうであろうか。

スマホで遅れをとった二の舞はAIでは避けてほしいのでありますが。