和田はつ子

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「おき玖」ちゃんも、ようやく幸せになれそうですな — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 27 あんず花菓子」(時代小説文庫)

巻を重ねてきた、このシリーズなのだが、今巻でひとまず第一シリーズが完結。   収録は   第一話 高輪御膳 第二話 名残り魚 第三話 あんず花菓子 第四話 彼岸鮨   となっていて、まずは、日本橋の米問屋・加嶋屋が、俳諧仲間の会合で、塩梅屋...
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大店の婚礼話には事件がつきもの — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 26 恋しるこ」(時代小説文庫)

さて、今回の料理人季蔵シリーズの収録は 第一話 師走魚 第二話 兄弟海苔 第三話 新年薬膳雑煮 第四話 恋しるこ となっていて、どちらかというとそれぞれが独立した単話仕立て。 まず、第一話は、両替屋・千田屋の法要料理を塩梅屋が務めることにな...
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長次郎ゆかりの熟柿泥棒の陰に悪人組織が巣食う — 和田はつ子「かぼちゃ小町」(時代小説文庫)

第一シリーズの第25弾となる本巻では、前巻まで、未解決となっていた不審死の真相が明らかになる。   構成は   第一話 あま干し柿 第二話 秋すっぽん 第三話 かぼちゃ小町 第四話 もみじ大根   となっていて、まず第一話では長次郎ゆかりの...
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男を手玉に取る悪女のあっけない最後は、どことなく哀れ — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 瑠璃の水菓子」(時代小説文庫)

このシリーズは、毎巻、その巻を彩る、いわばゲスト的なキャラクターが登場してくる。近くでは、出張料理人を偽っていた隠れ者の旗本とか、武家上がりのおきゃんな芸娘とかが登場していたのだが、今巻は、河童屋の平助というまっすぐな胡瓜を売る野菜売りと男...
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「白犬」に導かれて、「善光寺」ならぬ「殺人」巡り — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 23 花見弁当」(時代小説文庫)

気のあった料理人仲間であった武藤が行方をくらまし、心にすきま風が吹いている季蔵であったが、一人花見に出かけた先で、本巻の新たなキャストに出会うことになる。それは、なんと「白犬」である。   構成は   第一話 花見弁当 第二話 江戸っ子肴 ...
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腕利きの出張料理人の隠された真の姿は? — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 22  ゆず女房」(時代小説文庫)

長く続くシリーズものの登場人物は、とかくマンネリ化してくるもので、読者としては定期的に新キャラの投入を望みたいところなのだが、それが定着するキャラに育つかどうかは、作者のお好み次第というところであるらしい。   収録は   第一章 冬どんぶ...
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南町と北町の懇親が進むも、腕利き与力が過去の事件の犠牲になる — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 21 蓮美人」(時代小説文庫)

前作で、当方的には気に入っていた逸材の「さと香」を喪ってしまって、ちょっと残念なところで、今巻でのゲスト・キャラは、名門出の南町奉行である。   第一話 風流鮨 第二話 禅寺丸柿 第三話 蓮美人 第四話 牡蠣三昧   第一話は、南町奉行が北...
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おきゃんで美人の、武家出身の芸娘の運命や、如何に — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 20 おやこ豆」(時代小説文庫)

この巻を彩る新しい登場人物は、「さと香」という芸娘。二十歳前後ではあるが   白粉で塗り込められているせいで、顔こそ白かったが、弾むように若々しいだけではなく、きりっとひきしまった目元、口元に、妖艶さに同居した理知の輝きが見てとれた。   ...
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新キャストも登場して、料理の工夫も幅が広がってきました — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 19 料理侍」(時代小説文庫)

料理人季蔵シリーズには、それぞれの巻ごとに象徴する新しい登場人物があって、ほとんどが事件の犯人であったり、事件に巻き込まれたりして消えていくのだが、中には船頭の豪介や、噺家あがりの廻船問屋の長崎屋など継続して登場して、季蔵の手助けをしてくれ...
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三件の殺人事件の共通鍵は「桐生紬」なのだが・・ — 和田はつ子「料理人季蔵捕物控 18 冬うどん」(時代小説文庫)

今巻の季節は冬。師走近くの、小雪のちらつく頃である。この季節、今でも外回りが続くと、昼時には何か温かいもの、しかも汁気のあるものが欲しくなるものだが、江戸の頃も気分は同じ。そうした商人たちに温かい昼飯を提供しようと、季蔵が思いつくあたりから...