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仲良しからの「思わぬ攻撃」を自衛する方策を学ぼう ー 榎本博明「他人を引きずりおろすのに必死な人」

今まで仲が良かった知り合いや、面倒見がよかった先輩が、ある事がきっかけで自分を攻撃するようになる、しかも周囲を巻き込んで大きな騒動となる。こんな経験を味わったり、自分のことではなくても、実例を見聞きしたことはほとんどの人があるはず。

こんな、突然に豹変する行動を心理学の目線で、構造を明らかにしてくれるのが本書『榎本博明「他人を引きずりおろすのに必死な人」(SB新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 他人の不幸で安心できる人たち
第2章 「出る杭を打つ」は組織の使命である
 ー日本社会の「横並び主義」が生む強烈な嫉妬
第3章 なぜ仲のよかった人が突然、豹変するのか
 ー身近な人に潜む「妬み」と「攻撃性」
第4章 やけにほめる人ほど裏で引きずり下ろす
 ーこんな人には要注意!9つのパターン
第5章 できない人に親切にしてはいけない
 ー危ない人への対処法
第6章 スマホの長時間仕様が「理性」を壊す
 ー病理を助長するネット社会

となっていて、本書によれば

そもそも、なぜこれほど、他人を引きずりおろすのに必死な人が現れるのか。
詳しいことは本文で解説するが、ひと言で言うならば、それだけ現状に不満をもつ人が多いからだ。

ということで、こういった衝動は個人個人の性向もさることながら、社会情勢によって量産されている面もあるようで、こうなるとすべての人が「自衛」のための知識として知っておくたほうがよい知識といえなくもない。

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才女に学ぶビジネス・テクニック ー 廣津留 すみれ『ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」』

ハーバード、ジュリアードといえば、分野は違えども世界レベルで活躍する「エリート」たちを輩出しているところとして、誰しもが承知しているところなのだが、その二つで「首席」をとった才女による能率本が本書『廣津留 すみれ「ハーバード・ジュリアードを 首席卒業した私の 「超・独学術」」(KADOKAWA)』である。

表題では、「独学術」となっているが、もっと広く、学んだり、仕事をしたりするときの、効率を上げ、モチベーションを維持するための方法がアドバイスされている。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 公立高校からハーバード大へ
 -米国に見た最先端の学び方
第2章 したいこと・すべきことができる「時間管理術」
第3章 深く濃く学ぶための「集中術」
第4章 前に進む、辛くても粘る!「モチベーション管理術」
第5章 忘れない・身につく「インプット術」
第6章 人を動かす「アウトプット術」
第7章 グローバル時代の「学び方」

となっていて、まず第一章が、日本の普通の公立高校からハーバード・ジュリアードを目指し合格した、女子高生の「奮戦記」、第2章から第6章までがノウハウ、第7章がアメリカの」最高の教育環境で学んだ筆者の「学び方論」となっているので、読者の方は、それぞれの興味に応じてチョイスして読んでくださいね。
もっとも、「超」競争社会と言われるアメリカの、それもトップクラスの大学で成果を上げてきた人のアドバイス本なので

ごく単純に言えば、
・時間の無駄をなくす
・時間を濃く過ごす
・淡々と努力する
 このことを繰り返せば、「普通の人」は「天才」に匹敵する成果を出せる、と私は考えています。

ということで、かなりのキャッチアップ型のアドバイスが満載なのは間違いない。しかし、ただ単純に「やればデキる」「根性」といった類のものではなく、例えばハーバート時代の「グローバル・ヘルス」の授業での

「すでにある正解を見つける」力ではなく、「正解を創り出す」力が常に問われました。 医療のみならず、他のあらゆる課題に取り組む上での解決力も、この授業を通して鍛えられたのではないかと感じています。

であったり、ジュリアード時代の

「できない部分」の洗い出しです。
私が昔からよく行うのは、できていない箇所の小節番号をすべて書き出し、毎日そこだけは繰り返し練習する、という方法です。
(略)
しかし私はその点非常に前向きで、例のごとくゲーム感覚で楽しみます。  理解が及ばない、理解できていても技術が及ばない──そんなとき、「この敵は強いな」「ラスボス来た!」などと思いつつ、ミッションに立ち向かうのです。
とすると、集中力にはポジティブさやタフさという要素もあると言えます。

といったように、クレバーな戦略に基づいたタフなやり方なので、「そこまでは・・」と引いてしまうところもあるが、まずは物怖じせずに筆者の方法論を試してみるのが大事なようですね。ただし、

もっとも

期限までの時間がどれだけあるにせよ、 まず「マイ締め切り」を設定するのがハーバード流です。
課題の大きさによってまちまちですが、もっともよくあるのが「1日以内」。早い場合は、「5分後」になんらかのレスポンスを出します。
5分後なんてとても無理、と思われるでしょうか?  もちろん完成形でなくても構いません。だいたいこのような方向性でまとめたい、という骨子を箇条書きでまとめ、教授に見せればいいのです。  これで、ムダな時間を一気にカットすることができます

であったり、

「できないこと」と遭遇したとき、私が取る対応は2種類。
できるようになりたいと思わなければ、そのまま忘れます。
できるようになりたいと思えば、すぐに頭の中でイメージを描き始めます。

といったように、かなりアグレッシブな行動が必要になるので、そこは覚悟しておいてくださいね。

このほか、「逆境のときに役立つ「第三者スイッチ」」であるとか「ハーバード流ノートのとり方」であるとか、能率的にビジネスや勉強をこなすためのアドバイスが満載なのだが、詳細は原書で確認してくださいね。

【レビュアーからひと言】

ハーバードの優秀な大学生といえば、将来設計も微に入り細に入り考え抜いて、緻密な設計図を描いているのだろうな、と予測したのだが、筆者の

「10 年後はどんな仕事があるかわからないから、長期計画は立てないほうがいいよね」 と語ったのは、コンサルティング業界にいるハーバード時代の友人です。
今の職業がいつまであるかわからない。別の職業ができるかもしれない。そこにフレキシブルに対応できるようにしておこう ──。
私や彼女を含め、ここ 10 年のハーバード卒業生たちの多くが、このような考え方の元に、キャリアを積んでいます。

といったところは見事の当方の予想を超えてしまうものでした。時代や流行が変わっていっても、波を乗りこなしたり、どんな波でも通用する「技」と「知識」を身につける、そんなタフネスが大事なのかもしれません。

メンタリストの読書術の秘伝を学ぼう ーDaiGo「知識を操る超 読書術」

メンタリストとして有名なDaiGOさんなのだが、本書によれば

たとえば、私は1日に10冊~20冊の本を読んでいます

ということで、彼の多岐にわたる活動や、多数の著述も、大量の読書で支えられているらしい。
そんな筆者が、本を大量に読んで、内容を自分の血肉とするコツを惜しげもなく明らかにしてくれているのが本書『DaiGo「知識を操る超 読書術」(かんき出版)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

まえがき
第1章 読書のまつわる3つのフェイク
 非科学的な読書術をぶった斬る
  フェイク1 「速読」の嘘
  フェイク2 「多読」の嘘
  フェイク3 「選書」の嘘
第2章 読書の質を高める3つの準備
 読書で結果を出せないのは、脳と感情の操り方を知らないからだ
  準備1 メンタルマップ
  準備2 キュリオシティ・ギャップ
  準備3 セルフテスト
第3章 理解力と記憶力を高める5つの読み方
 難しい本でも何度も読み直すことがなくなる
  読む前と後 「予測」よみ
  読みながら 「視覚化」読み
  読みながら 「つなげ」読み
  読みながら 「要するに」読み
  読んだ後  「しつもん」読み
第4章 知識を自在に操る3つのアウトプット
 頭の良さは、説明力で決まる
  アウトプット1 テクニカルタームで聞き手の心をつかむ
  アウトプット2 SPICEで説得力を上げる
  アウトプット3 思想書と科学書のダブル読み

となっていて、まず筆者は

「速読」に囚われると内容が置き去りになり、「多読」を目指すと目的を見失い。「選書」にこだわると自分の都合のいい本ばかり読んでしまいます

と、世間の「読書」の常識をひっくり返すところから始めている。

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「傲慢さ」で自滅しないための処方箋 ー 片田珠美「オレ様化する人たち あなたの隣の傲慢症候群」

名門企業や老舗企業が、今までの評判に胡坐をかいた不祥事を起こして突然に業績が転落したり、組織の重要な地位についている人が、それをかさに着たような、無理難題を部下にいいつけたり、外部に向かって無遠慮に言い放ってバッシングを受けたり、と最近「傲慢な振る舞い」によって、今までの信用を失ってしまうような事態が、目立つようになった。

その背景には、SNSによる拡散といった、こういう類の不祥事を広く「知らしめる」環境が整った、というせいもあるのだが、根本のことをいえば、こうした「傲慢さ」から起きるトラブルや不祥事は、もとから絶って発生しないようにするのが一番であろう。
そんな「傲慢症候群」について、精神医学の立場から腑分けするとともに、対処法・防衛法を教えてくれるのが、本書『片田珠美「オレ様化する人たち あなたの隣の傲慢症候群」(朝日新聞出版)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

序章 傲慢症候群とは?
第1章 今日も隣にいる「オレ様」賊
第2章 暴走する人に共通する素地
第3章 悪の芽を育てる「最適」環境
第4章 個人にとどまらない恐怖の被害実態
第5章 あなた自身がつぶされないために
第6章 気がつけば予備軍かもしれない

となっていて、まず本書でいう「傲慢症候群」というのは「自信過剰のせいで周囲が見えなくなり、冷静な判断ができなくなつてしまう」状態で、「権力の座に長くいると性格が変わる人格障害の一種」ということであるので、特別な疾患というものではなく、長期間、権力の座にいて周囲の人が気を使い、そして、その気遣いを当然と思いだしたら、だれでも罹る「病」であるらしい。そして、その症状は

・話を聞かない
・自らを誇示する
・人を威嚇する
・横暴になる
・同意ばかり求める
・自社開発主義(自前主義)症候群に陥る

ということであるようなのだが、周囲の人や他社など思い当たる人も多いのではないだろうか。そして、こういう人物が個人として存在していればまだましで、こうした人のそばには「イネイブラー(支え手)」が存在することが必然となるらしく、かくして、「傲慢な人」のいるところは、組織全体が「傲慢」になっていくといったことになるようだ。
こうなってくると、その組織は
1「我々は違う」症候群
2「自前主義」症候群
3「正当化」症候群
にも感染することとなるんで、後は、「過去の栄光」にしがみついたまま、崖下に向けて「まっしぐら」というのは、最近も有名どころの企業で起きたことで、皆さんもよくご承知と思います。

で、こうした「傲慢症候群」の対処法なのだが、これが

あなたが、「他者の欲望」を敏感に察知して、それにできるだけ沿うように気遣うタイプであれば、ある意味鈍感な傲慢人間に腹も立つだろう。
だが、傲慢人間を変えるためにいくら時間とエネルギーを費やしても無駄なことが多いので、そのために疲弊するよりは現実的な対処法をお勧めする。その原則はただ一つ。傲慢人間の欲望を察知しても、それを満たさないこと

といった乱暴な方法から

1 管理職に定期的に新しい挑戦の機会を与える
2 従来とは違う後継者選びを実行する
3 人材プールを多様化する
4 外部の考え方を取り入れる
5 リーダーを変える

といった系統だった方法まで、豊富にアドバイスされているので、これから先は原書のほうでしっかり確認してください。
ただ、一番の特効薬は、とにかく「風通しをよくすること」であるようなので、組織を束ねる立場にある人は肝に銘じておいた方がよいですね。

【レビュアーからひと言】

こうした「傲慢症候群」は、権力をもっていたり、組織のトップにいる人だけに起きる現象かというとそうではなくで

困るのは、傲慢になるのが経営者だけではないことだ。
血縁・姻戚関係で縁故入社した社員や経営者のお気に入りなどが、トップとの「親密な」関係をことさらひけらかし、ときには特別扱いを要求する。

ということであるので、すべての人が「ひょっとしたら私も」と自省してみることも時に必要であるようですね。本書によれば

傲慢の落とし穴を絶えず指摘して、あなたが傲慢になりかけていたら注意してくれるような助言者を持っておくことが必要だ。家族でも、友人でも、同僚でもいい。
少々耳が痛いことでも忠告してくれるような信頼できる相手が理想的だ。

ということであるようなので、日頃から家族関係、友人関係がは大事にしておきましょう、というところでしょうか。

思いもかけない「悪意」から自分を守るには ー 榎本博明「他人を引きずりおろすのに必死な人」

自分としては何も悪いことをしていないはずなのに、上司に誉められたことをきっかけに、今まで親切にしてくれていた先輩が急に意地悪を始めた、であるとか、子供の成績が上がったことを喋ったら、仲の良かったママ友から陰で悪口をいわれるようになった・・・などなど、親しいと思っていた人から、突然の悪意ある仕打ちをうけて呆然としてしまう、という経験がある人もあるのでは。
そういう事態はめったに起きることではないよ、思っているあなた、本書によれば

そもそも、なぜこれほど、他人を引きずりおろすのに必死な人が現れるのか。(略)ひと言で言うならば、それだけ現状に不満をもつ人が多いからだ

ということなので、だれのところに起きてもおかしくない事態であるらしく、本書『榎本博明「他人を引きずりおろすのに必死な人」(SB新書)』で、こういう人から身を守る術をを身に付けることは、現代の日本に生きる人の必須事項となっているようである。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに
第1章 他人の不幸で安心できる人たち
第2章「出る杭を打つ」は組織の使命である
 ― 日本社会の「横並び主義」が生む強烈な嫉妬
第3章 なぜ仲のよかった人が突然、豹変するのか
 ― 身近な人に港む「妬み」と「攻撃性
第4章 やけにほめる人ほど裏で引きずうおろす
 ―こんな人には要注意! 9つのパターン
第5章 できない人に新設にはしてはいけない
 -危ない人への対処法
第6章 スマホの長時間使用がが「理性」を壊す
 -病理を助長するネツト社会
おわりに

となっていて、たいていの場合、こうした「他人をひきずりおろす行為」をする人は「悪意の塊」のように思ってしまうのだが、実は

そこには「投影」という心理メカニズムがはたらいている。
投影というのは、たとえば、自分が相手をねたみ、攻撃的な気持ちになっていることを認めたくない時、それを相手のなあに見たつもりになり、「相手が醜い気持ちになっている」と思いこむ心理メカニズムのことである。

ということで、「本人に悪気がない」ことが多いらしく、どうやらこの問題の対処法は、善意悪意で考えるのではなく、「心理メカニズム」を理解して望まないと正解にたどり着けないものであるらしい。

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「反省以前の問題」をどうするか ー 宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」

非行少年の更生というと、少年院などで「改心」「反省」させ、自立の手段を身に付けさせて、社会に復帰させる、というのがスタンダードな方法であるのだが、その方法の有効性について、児童精神科医である筆者が、多くの非行少年と直に接した経験から疑問を投げかけたのが本書『宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 「反省以前」の子どもたち
第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
第3章 非行少年に共通する特徴
第4章 気づかれない子どもたち
第5章 忘れられた人々
第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない
第7章 ではどうすれば?1日5分で日本を変える

となっていて、まず「はじめに」のところで、こうした更生教育・治療の中で、現在有効とされている「認知行動療法」について

彼は知的なハンディも併せてもっていたために認知機能が弱く、ヮークブツク自体がしっかりと理解できていなかつたのです。
認知行動療法は「認知機能という能力に問題がないこと」を前提に考えられた手法です。
認知機能に問題がある場合、効果ははつきりとは証明されていないのです。

と、治療の大前提から外れている実態が症例の中には生じてしまっている事態をまず明らかにする。

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「謝ればいいってもんじゃない」を科学する ー 川合伸幸「怒りを鎮める うまく謝る」

不祥事が起きると関係者や会社の上層部がそろって会見して謝罪をするのだが、おなじような言葉を喋っていても、「しょうがなかったのね」と思えるものから、「なんじゃ、こりゃ」と思うものまで千差万別である。

どうやら、同じように頭を下げて謝っても、謝罪として受け取ってもらえるものとそうでないものとがあるようで、そのメカニズムについて分析されているのが本書『川合伸幸「怒りを鎮める うまく謝る(講談社現代新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第一章 怒りのメカニズム
第二章 関係の修復ー怒った人は相手に謝ってほしいのではない
第三章 効果的な謝罪
第四章 怒りの抑え方
第五章 仕返しと罰
第六章 赦し

となっていて、最初のところで、

怒りをなだめるプロの方は、コールセンターに勤務し、電話の向こうで怒鳴り声を上げる人びとから年間二〇〇〇億円もの債権の回収に成功したそうですが、その方が経験から導いた極意とは、「徹底的によりそって話を聞く」「怒りの矛先をそらす」「相手以上に大げさに怒ってみせる」「やさしい、などとほめる」というものでした

ということで、相手の怒りを鎮めることが大変上手な人がいるのは確かで、そうした人の技術がそっくりマネできればいいのだが、なかなかそうはうまくいかないのが世の常というもの。

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最高難度の「メモ術」の極意を身につけよう ー 斎藤孝「思考を鍛えるメモ力」

仕事を上手く進めるためには、上手な情報収集と相手とのコミュニケーションが基本、とはよくいわれるのだが、その基礎の基礎となるところに、実は「上手にメモをとる」という能力が隠れていることに気づいている人は多いはず。

ビジネスで一番トラブルのもとになるのが、言った言わない、約束したはず・していない、指示したはず・聞いてないといったことなのだが、それもメモ力を高めていけば、本書によれば

メモカをきちんと身につけた人同士は、コミュニケーション能力がひじょうに高くなります。
指示を出すほうは、漏れや取りこばしがありませんし、指示されるほうも、見当はずれな方向で理解するといったことがありません

という風に揉め事の多くを防止できるものであるらしい。

そんな「メモ力」のノウハウを、四色ボールペンの活用に始まって、  読解力などなど幅広い分野で活躍する筆者がアドバイスしてくれるのが本書『斎藤孝「思考を鍛えるメモ力」(ちくま新書)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめにー思考力のある人は手で考える
第一章 メモの活用とは何か
第二章 まずはメモ力初心者からはじめよう
第三章 「守りのメモ力」から「攻めのメモ力」へ
第四章 クリエイティブなメモ力を習得しよう
第五章 達人たちの「鬼のメモ力」
第六章 「鬼のメモ力」実践篇

となっていて、第一章でメモ力を磨いた時のメリットを述べた後、順次、初心者から中級者、そして「鬼のメモ力」の習得までを段階を追って伝授してくれ構成となっている。

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「ゆとり世代」のパフォーマンスを引き出す方策はこれ ー 原晋・原田曜平「力を引き出す」

力を引き出す 「ゆとり世代」の伸ばし方 (講談社+α新書)

青山学院大学に箱根駅伝優勝をもたらしたメンバーを育て上げた大学駅伝界の名監督・原晋氏と、若者研究所を主宰して、若者の意識研究、トレンド研究ではマーケティング業界だけでなう、日本で有数の論者・原田曜三氏による、「ゆとり世代」といわれる世代についての対談集が本書『原晋・原田曜平「力を引き出すー「ゆとり世代」の伸ばし方」(講談社+α新書)』

とかく「理解不能」な世代として扱われる「ゆとり世代」なんであるが、これから日本の社会の中心を占め、リーダとなってくる世代であるのは間違いなく、「最近の若者は・・」という口癖の当方も含めた「中高年世代」は特に押さえておくべき本ですね。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 強いチームのつくり方
第2章 自分の学生時代、いまのゆとり世代
第3章 目標設定とコミュニケーション
第4章 成長を促す仕組み
第5章 ゆとり世代に対する大人たちへ

となっていて、本書の基本的なスタンスは、いわゆる若者の流行分析やトレンド論ではなく、人手不足が深刻化し、とはいうものの外国人労働者も思うように採用できない、日本の中小企業の多くにとって

そうした状況下、多くの日本の企業や組織にとって、きちんとゆとり世代を理解し、彼らに選んでもらえる組織になること、そして、数の少ない彼らが活躍できるように彼らを育成することが、「最大の経営戦略」になってくる可能性もあります。

ということで、マーケティング戦略ではなく、若者の採用戦略、人事戦略のベクトルで読んだ方がよい。

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組織の活力を削ぐ「中だるみ」を退治しろ ー 山本寛『「中だるみ社員」の罠」』

ビジネスパーソンがその仕事を辞めたくなったり、飽きてくる時期は、3日、3月、3年ごとに周期的にやってくるといわれているように、どんなに最初はモチベーション高く仕事をしていても、意欲が下がったり、伸び悩んだりといった時が必ずくるもののようだ。

もちろん、この時期は個人的には「転機」の時期でもあるのだが、一方で、今まで、能力開発やトレーニングもすすめて、組織の中核として活躍を機体する層が組織を離れてしまったり、パフォーマンスを落としてしまったりする、組織にとっての「魔の時期」でもある。

そんな「中だるみ」について、具体的な事例を分析しながら、それからの脱出の仕方を探るのが本書『山本寛「「中だるみ社員」の罠」(日経プレミアムシリーズ)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

まえがき
 −多発する「中だるみ」
第1章 「2年前と同じ」はなぜ危険なのか?
 ーキャリアが停滞するとは
第2章 異動でやる気をなくす人、”塩漬け”でやる気をなくす人
 ーいろいろな種類の停滞
第3章 中だるみしやすい人、しにくい人の違い
 ー停滞する社員の特徴とは
第4章 中だるみすると何が起こるのか
 ー停滞がもたらす影響
第5章 マンネリ感をミスから打破するために
 ー停滞解消のためにできること
第6章 上司と組織に何ができるのか
 ー中だるみ解消のマネジジメント
あとがき
 ー一人ひとりの大切なキャリアのためにできること

となっていて、最初の第1章が「中だるみ」を生む労働環境などの総論部分、第2章から第4章までが、「なかだるみ」が起きるシチュエーション、タイプ、キャリアへの影響、第5章から第6章までが対処策となっていて、「中だるみ」という現象について、自分を含めた個人としての予防策・抜け出し方を知りたいのか、人事担当者として「中だるみ」改善を図りたいのかで、集中的に読んでおくべきところが変わると思うので、このあたりを参考にしていただければよいと思います。

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