不思議の国のバード」カテゴリーアーカイブ

バードの旅は山形を北上し、伝統の技と儀式に出会う ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 6」

山形でマリーズからバードの脊椎の持病のことを教えられ、さらに盲目のイタコから彼女に同行すると「目の前で人がおっ死ぬことのなるず。」と告げられ、その後、(山形の)金山でも漢方医から蝦夷行きを止めるよう警告され、二人で北海道まで旅をしていくことに暗雲が漂う。そんな中、羽州街道を北上し、今は米沢市に編入されている「六郷村」へと進んでいくイザベラ・バードと通訳の伊藤の旅行記が描かれるのが、「ふしぎの国のバードシリーズ」の第6弾となる本巻。

【構成と注目ポイント】

構成は

第25話 院内
第26話 湯沢
第27話 十文字
第28話 六郷①
第29話 六郷②

となっていて、イタコや漢方医の不吉な警告もあるのだが、マリーズの脅しともとれる忠告のため、バードへの随行を悩み、体調を崩していくところからスタート。

続きを読む

新潟から山形へ。マリーズからの不穏な手紙の内容は? ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 4」(ビームコミックス)

イザベラの旅は、新潟にしばらく滞在し、そこから越後街道を経て山形へ。さらには山形から青森へと向かっていくのだが、本巻は新潟から山形までの道中が描かれる。旅の記録以外に、イザベラの通訳・伊藤が前の雇い主のチャールズ・マリーズに出会った時の回想譚と、英国公使・ハリスの妻・ファニーが日本に訪れている英国・米国の実豪華たちを翻弄する様を描いたエピソードが描かれる。

チャールズ・マリーズは、凄腕のプラントハンターという設定になっっているのだが、実在の人物で1877年と1878年に日本に滞在し、北海道を中心に植物の種子、昆虫を集めていますね。で、この「プラントハンター」という職業、17世紀から20世紀中頃にかけてヨーロッパの活躍した職業で、食料や香料・繊維等に使われる植物や観賞用植物の種子を探して世界中を旅して集めて回っていた人々なのだが、日本でも最近では「情熱大陸」にもでた西畠清順さんが有名ですね。そういえば、ゴルゴ13にも「種子探索人」という、チベットを舞台にしたプラントハンターを扱ったのがありましたね。

ふしぎの国のバード 4巻 (ハルタコミックス)
佐々 大河
KADOKAWA (2017-11-15)
売り上げランキング: 25,854

楽天Booksはこちらから

続きを読む

戊辰戦争の戦禍は残る。「会津」と「津川」の違いが悲しい。 ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 3」(ビームコミックス)

第3巻では、会津の大内宿を経た、阿賀野川と常浪川の合流点にあって「雁木」の発祥の地である「津川」から阿賀野川を船で下って新潟へと向かう旅が描かれる。


イザベラが日本を旅した1878年は、幕末の戊辰戦争の一つであった「会津戦争」が起きた1868年から10年を経過した頃なのだが、戦禍による荒廃と新政府への恨みがまだ残っていた「会津」から、江戸時代は天領で、当時は開港地の一つとして栄えていた「新潟」へと至る道中もだんだんと明るい感じになっていくのが、新政府によってもたらされた、当時の格差を感じさせられますね。もっとも、「会津の悲哀」は当時だけでなく、東日本大震災後の原発事故でも見え隠れしていたのかもしれませんが。

ふしぎの国のバード 3巻 (ハルタコミックス)
佐々 大河
KADOKAWA (2016-12-15)
売り上げランキング: 20,699

楽天Booksはこちら

続きを読む

湯治場の混浴や道陸神、イザベラは日本の奇習に出会った ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 2」(ビームコミックス)

第一巻では、主人公のイザベラ・バードが横浜に入港し、北海道(蝦夷)を目指して出発。途中、日光で宿屋の娘の、当時の成人式にあたる「髪上げ」に立ち会ったところで終わっていたのだが、今巻は、その日光から鬼怒川を北上して、会津道を進み「会津」までの旅が描かれる。

本書中にもあるのだが、当時、江戸から蝦夷へ北上する場合、蝦夷へ船で渡る地である「青森」を目指すのであれば太平洋側を行く「奥州街道」を行くのが一般的であったらしく、イザベラ・バードが旅したように、江戸ー日光ー新潟へ進み、さらに新潟から山形ー久保田ー青森へと進むルートは異例で、しかも、新潟に行くにしても、長岡藩などの大名の参勤交代や佐渡奉行などの幕府の役人の赴任につかわれ三国街道を通るのが普通であった。

その点で、イザベラの旅は異例中の異例のもので、その分、旅も困難であったとともに、エピソードも満載であったろうと想像される。


本書中でも、通訳の伊藤が道中の道陸神(村境に立てる厄除けの神様。男女で対らしい)を始めてみて驚くあたりは、その一つですかね。

ふしぎの国のバード 2巻 (ビームコミックス)
佐々 大河
KADOKAWA/エンターブレイン (2016-05-14)
売り上げランキング: 29,428

楽天Booksはこちらから

続きを読む

江戸から日光へ、極東・日本の秘境の旅が始まる ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 1」(ビームコミックス)

19世紀のイギリスの女性旅行家で、明治初期、当時は欧米人にとっては極東の未開地であった日本を旅した「イザベラ・バード」の旅行記を底本にして、彼女の旅の姿と日本の原風景をマンガ化したのが本作である。

バードは1878年6月から9月にかけて、日光から新潟を経て北海道に至る北日本の旅と10月から神戸、京都、伊勢、大坂を旅しているのだが、ひとまずは江戸からのスタートである。

ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)
佐々 大河
KADOKAWA/エンターブレイン
売り上げランキング: 17,192

楽天Booksはこちら

続きを読む

女性冒険家誕生の瞬間を垣間見る ー 佐々大河「ふしぎの国のバード 5」(HARTA COMIX)

明治の女性探検家・イザベラ・バードを主人公に彼女の横浜から蝦夷地までの日本の奥地探検をテーマにした「ふしぎの国バードシリーズ」の第5巻。

前巻までで、江戸から出発して、日本海側に抜け、新潟、山形あたりまでたどり着いたのだが、案内役をつとめる伊藤に、プラント・ハンター・マリーズからの強い引き抜きの動きのある中、彼女の持病の腰は悪化する一方で、ということで前途に暗雲漂う中での、秋田へ向かって旅を続ける第5巻のスタートである。

【収録は】

第20話 金山①
第21話 バードの記憶①
第22話 バードの記憶②
第23話 バードの記憶③
第24話 金山②

となっていて、旅的には山形県の「金山」を舞台にしながら、蜂毒で倒れたバードの意識の中に、過去のエピソードを思い出させることによって、バードがなぜ旅を志ざしたか、あるいは、バードが旅行家として果たそうとしたことは何かといったことが明らかになってくる。

続きを読む

イギリスの女性冒険家の古き「日本」の冒険記ー佐々大河「ふしぎの国のバード」1〜4

日本の時代的には、明治初期、ハワイ諸島、朝鮮、中国などのアジアの多くの国を旅して、その当時の住民やその地の風土の記録を残してくれたのが、アメリカの女性探検家の「イザベラ・バード」。そんな彼女の冒険譚をマンガにしたのが、本書『佐々大河「ふしぎの国のバード」(KADOKAWA)』
彼女は、日本の各地も旅をして、失われていく日本の風俗や、当時の日本の庶民の様子の記録を残してくれているのだが、そのうち、横浜への日本到着から、江戸、会津、新潟を経て、北海道(蝦夷)への旅行記をマンガ化したのが本シリーズ。

【構成は】

当方が読んだKindle版は4巻までが出刊されていて、収録は(第1巻)
第1話 横浜/第2話 江戸/第3話 粕壁/第4話 日光①/
第5話 日光②(第2巻)
第6話 日光③/第7話 二荒山温泉/第8話 会津道①/第9話 会津道②

(第3巻)
第10話 会津道③/第11話 津川/第12話 阿賀野川/第13話 マリーズとパークス/第14話 新潟

(第4巻)
第15話 伊藤の記憶/第16話 越後街道/第17話 山形①/第18話 山形②/第19話 ファニーの憂さ晴らし

となっている。

いまのところ、山形に到着したところであるので、まだまだ「蝦夷地」までは遠い道のりではある。

【注目ポイント】

主なキャストは、イザベラ・バード、

続きを読む