近藤史恵

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ニート娘は歌舞伎観劇中におきる奇妙な事件の謎をとく=近藤史恵「歌舞伎座の怪紳士」

大学卒業後勤めた会社でセクハラにあい、それ以後、化学薬品会社に勤務する母と同居して、家事全般を担当したり、眼科医をしている姉が図けて来たチワワの「ワルサ」の世話をして、家族から3万円のお小遣いをもらってニート生活をおくっている27歳の女性「...
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またさらに堅物同心に誘惑がやってきた — 近藤久惠「寒椿ゆれる」(光文社文庫)

<br /><br /> 堅物同心・玉島千蔭と売れっ子の女形役者・水木巴之丞、売れっ子花魁・梅ケ枝の三者が繰り広げる捕物帳の第4弾。 収録は 「猪鍋」 「清姫」 「寒椿」 の三編。 このシリーズは、一冊ごとに千蔭に関係する「女性...
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「買い物依存症」の女性に仕掛けられた罠とは? — 近藤史恵「カナリアは眠れない」(祥伝社)

<br /><br /> 近藤史恵氏については、時代物を最近レビューしてきていたのだが、久々にミステリーについてレビュー。 今回は書き下ろし作品で初版は平成11年であるので、時代風景、あるいは主人公たちの持つデバイスは少々古いの...
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吉原と芝居小屋は「謎」の宝庫 — 近藤史恵「にわか大根」(光文社文庫)

堅物同心+(女形の人気役者+人気花魁)のトリオの捕物帳の第3弾。 今回は、短編集なのであるが、それぞれの短編をつなぐ筋が流れているので、それなりの統一感があるという凝ったつくりの短編集である。 収録は 吉原雀 にわか大根 片陰 の三編。 ざ...
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「堅物同心」+瓜二つの「女形役者と花魁」、幽霊に出会う — 近藤史恵「猿若町捕物帳ーほおずき地獄」(光文社時代小説文庫)

「巴之丞鹿の子」で歴史ミステリー・デビューした近藤史恵さんの、堅物同心・玉島千蔭+女形の人気役者・水木巴之丞+花魁・梅が枝のトリオ・シリーズの第2弾。 今回は、お茶屋に出る「幽霊騒動」事件がメインなのであるが、千蔭の上役の与力の孫娘「お駒」...
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「堅物同心」+瓜二つの「女形役者と花魁」の異色トリオの捕物帳 — 近藤史恵「猿若町捕物帳ー巴之丞鹿の子」(光文社文庫)

<br /><br /> 時代小説、特に捕物帳の書き手には、ミステリーの出身者と大衆小説・純文学の出身者の二通りの流れがあるような気がしていて、ミステリー出身者の捕物帳の特徴は、人を驚かす仕掛けを放り込んでくるところと事件のディ...
スポーツ

近藤史恵「キアズマ」(新潮社)

「キアズマ」とは染色体の交換が起こった部位をさす、といったことは本書の冒頭にあって、ちょっと面食らうのだが、どうやら「他者との交流」とか「人と人との接点」といったことと考えればよいらしい。 で、本書は近藤史恵のライフワークっぽくなってきた「...
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下町のレストラン・ミステリー その2 — 近藤史恵「ヴァン・ショーをあなたに」(創元推理文庫)

<br /><br /> レストランものミステリーが発展展開していくのに難しいのは、その場所の限界にもある。というのも、レストランという限られた場所・登場人物に縛られて、どうしてもその幅が拡充しないということあるからだ。この「ビ...
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下町のレストラン・ミステリー — 近藤史恵「タルト・タタンの夢」(創元社推理文庫)

<br /><br /> 美食モノのミステリーといえば、ネオ・ウルフものとかがあるのだが、レストランを舞台にした連作ミステリーというのは、場所が固定されているし、登場人物も之押されがちということで結構難しいものだと思うのだが、そ...
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”自転車ロードレース”は戦略ゲームと捉えるべきか? — 近藤史恵「エデン」(新潮文庫)

前作「サクリファイス」で、日本ではあまり馴染みの無い「自転車ロードレース」というスポーツの世界を描き出されたのだが、本書は「サクリファイス」の主人公であった「白石 誓」の続編。 「サクリファイス」の最後の方で、スペインのチームからスカウトが...