仕事術」カテゴリーアーカイブ

「穏やかさ」をビジネスの基礎に据える ー 「NO HARD WORK」

「小さなチーム、大きな仕事」や「強いチームはオフィスを捨てる」などで、テレワークや小さな組織の提案など、新しい「働き方」について斬新な提案を行ってきたアメリカのソフト会社「ベースキャンプ」のメンバーによる新しい「働き方」の提案が本書『ジェイソン・フリード「NO HARD WORK」(早川書房)』である。

筆者たちが所属するIT業界といえば、長時間労働が当たり前のような世界であるのだが、そういう業界の風潮にあえて逆らって、

マズいことに、このところ、そういう長時間の労働や、過密スケジュールや睡眠不足を名誉の勲章みたいに考える人が増えている。
でも、慢性的な疲労は勲章なんかじゃない。
クレイジーな状態の象徴

と公言する「働き方改革」の提案本である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに
大志は抑えて
自分の時間を大切に
組織文化を育てる
プロセスを解体する
ビジネスに力を入れる
おわりに

となっていて、普通、アメリカのスタートアップ企業やIT企業というと、できるだけ早期に黒字化して会社を売却するか、ストックオプションでビリオネヤーを目指すために、ハードワークの上にハードワークを重ねる、といったイメージなのだが、本書の場合は「カーム(穏やかさ)を基本として、

がんばり屋は、仕事のアイデアが頭のなかで渦巻いている。
この終わりなきやる気の波は、骨の髄まで仕事にどつぷり浸かっていることを示している。
そろそろ、そこから脱出すべき

と主張するあたりが、シリコンバレー企業の働き方とはちょっと異なるところである。

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AIの時代の「知的生産」のコツを伝授しよう ー 佐藤優「調べる技術、書く技術」

外務省のロシア担当の官僚を経て、数奇な経験をしながら、現在、国際情勢をはじめとして、数多くのジャンルにわたる執筆活動や講演活動を展開している、今の日本の名うての論客・佐藤優氏が「知的生産の技術」を披歴したのが本書『佐藤優「調べる技術、書く技術 誰でも本物の教養が身につく知的アウトプットの極意」(SB新書)』である。

本書によれば、筆者の創作活動は

私は、毎月平均2冊のペースで本を出し、抱えるコラムや連載などの締め切りの数はひと月あたり約90になる。
ひと月に書く原稿の分量は、平均して1200ページ、字数にして約50万字にもなる。

ということなんで、とても常人とは比較できない大量のアウトプットなのだが、インプット・アウトプットの「巨人」の手法を少しでも取り入れることができたら、一般のビジネスパーソンの知的活動のレベルが数段アップすることは間違いなく、今より少しでも上向きを目ビジネスパーソンはおさえておきたい一冊である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 情報過多な時代の調べる技術、書く技術
第2章 【インプット】情報を「読む力」を高める
第3章 【アウトプット】読んだ知識を表現につなげるスキル
第4章 調べる技術、書く技術の「インフラ整備」のすすめ

となっていて、まずおさえておかないといけないのは、

前コブに近づくためには、AIを競争相手としない、真に人間的なスキル、いわば人間だけが理解できる「付加価値」をつける素養を磨くことである。
知的生産術とは、AIには到底できない「知的な付加価値」をつける素養の磨き方と言い換えてもいい

ということ。

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挨拶や雑談のネタ探しのための定額雑誌購読サービスの使い方のコツ

ビジネスパーソンで、何かの役職がついていると、「何かひと言ご挨拶を」と振られた時とか、商談に入る前のなんともいえないお見合い状態を解消したいときに遭遇することも多いもの。こんな時は、気の利いたトレンディな話題で滑り出したいもの。
出だしで、相手の笑いや興味を引きことができると、スムーズのビジネスの話に入っていけるし、挨拶でも最初に笑いや頷きがとれると、あとはイベントへの感想とか、激励を喋ればスマートな挨拶になることは間違いありません。

でも、そんなうまくいく話題、なかなかストックしておくことできないよ・・・、と愚痴っぽくなりたいあなたにおススメなのが、「楽天マガジン」とか「dマガジン」といった雑誌の「定額購読サービス」。
サービスを提供しているのは、dマガジンに始まって、楽天マガジン、Tマガジン、KindleUnlimitedと多種多様で、どのサービスがいいのか迷ってしまうのですが、比較しているサイトはかなり多いので、Googleで、「雑誌定額サービス 比較」といった感じで検索してもらうとたくさん出てくると思います。

ただ、提供雑誌の数とか料金とかは様々で中堅ビジネスパーソンが挨拶ネタや雑談ネタに使えるネタの仕入れ元ととしては、横一線と思うので、今回は「使い方、ネタ探しのコツ」ということで、一番、料金が安く(2019.11.20現在 380円)、250誌以上読める「楽天ブックス」を例にとって、そのコツを伝授いたしましょう。

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悩み尽きない新任マネージャーへ「羅針盤」を進呈しよう ー 中原淳「駆け出しマネジャーの成長論」

会社や官庁に入って働いていて、新任のころは五里霧中の中で仕事を覚えるのに精いっぱいでも、数年経過して組織の中で年数を経ていくと、気になってくるのが「昇進」というもので、その一番目の段階が、課長という役職で象徴される「マネジャー」職である。

ただ、いざマネジャーになってみると本書で

これまでの成果を認められ「論功行賞」としてマネジャーに昇進したはいいものの、何をやったらよいかについては、誰も教えてくれない。

といった状況にとまどいを感じている新任マネジャーも多いだろう。しかも、マネジャーとなれば、上司のムチも厳しくなるし、部下からの突き上げもあると悩みばかりが大きくなばかり・・・。そんな悩めるマネジャーの方々に向けて、「働き方」について数々の研究成果と著作のある筆者がアドバイスするのが『中原淳「駆け出しマネジャーの成長論 7つの挑戦課題を「科学」する(中公新書ラクレ)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

プロローグー駆け出しマネージャーの皆さんへ
第1章 マネジャーとは何か
第2章 マネシャーからの移行期を襲う5つの環境変化
第3章 マネジャーになった日ー揺れる感情、7つの挑戦課題
第4章 成果を挙げるため、何を為すべきかーリフレクションとアクション・テイキング
第5章 マネジャーの躍進のため、会社・組織にできること
第6章 <座談会>生の声で語られる「マネジャーの現実」

となっていて、第1章から第2章が、マネージャーの総論と環境、第3章と第4章がマネージャーがぶつかる課題と解決策、第5章が、マネージャー以外の上司や経営陣がマネージャー育成のためにすべきこと、といった構成になっているので、著者のおススメの読み方とは違うとは思うが、自分のポジションに応じて、チョイスして読むのもよいのでは。

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長期間レベルの高い仕事をするコツは「こち亀」にあり ー 秋本治「秋本治の仕事術」

漫画家の半生記や雑誌のコラムとかをみても、連載を抱えていいる漫画家のアイデアだしのストレスは相当なものであるし、人気商売の最たるものであるから、その浮き沈みも激しい世界であることは誰しも承知のことであろう。
そんな漫画家の世界で、40年間にわたって、安定的な人気を保ち続け、さらには長期にわたる休載とかもなく安定的に作品を発表し続けるというな並大抵のことではない。
そんな稀有なことを淡々と成し遂げている筆者が、安定的な仕事のコツや、精神面も含めた健康管理のコツを教えてくれるのが『秋本治「秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由」(集英社)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 セルフマネジメント術
第2章 時間術
第3章 コミュニケーション術
第4章 発想術
第5章 健康術
第6章 未来術
描き下ろし漫画「両津勘吉の仕事術」

となっていて、まず第一に長期間安定的に作品を出してこれたのは「目の前にあることをこなし、ひとつひとつ積み重ねること」で、「深く考えない鈍感な性格が幸いして、今日まで楽しくやってこられたのだと思ってます」といったあたりには、筆者の正直な人柄が表れているようで好ましいのだが、こうした地味でコツコツとした仕事の進め方は、昼夜逆転が当たり前であったり、アイデアが降りてくるまで仕事はしない、といった漫画家という仕事から予測されるものとは違っていて、

集中力が切れるのは、ひとつの仕事が終わったとき、それが怖いので僕は終わった次の日から、すぐ次の仕事をはじめるようにしています。
(略)
何事もなかったかのように、変化なくずっと続ける。これこそが集中力を持続させるコツなのかもしれません。

といったところは、芸術家というより、「職人」の仕事ぶりに近い感じですね。

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「習慣」を味方にしてビジネス人生を激変させるコツ ー 小川晋平・俣野成敏「一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか」

一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか?~仕事力を常に120%引き出す自己管理~

タバコや飲酒といった悪癖だけでなく、早起きや日々のエクササイズなど「人は習慣でできている」といっても過言ではないのだが、では「良い習慣」で構成されているのか、というととてもそんな状況になくれ、日々の誘惑や意志の弱さに負けて、ついつい惰性で過ごしてしまうのが、一般人というもの。

そういった多くの人の「悩みのタネ」である「習慣づけ」について、「朝」「昼」「夜」「毎日」「毎週・毎月」「毎年」「一生」と、時間のレンジを分けながら、二人の筆者が、自分の経験に基づいて、「一流の人になるため」のアドバイスをしてくれるのが本書『小川晋平・俣野成敏「一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか」(クロスメディア・パブリッシング)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 一流と二流を分ける「朝の習慣」
第2章 仕事が最速で動く「昼の習慣」
第3章 人脈と可能性を広げる「夜の習慣」
第4章 脳と体のキレを上げる「毎日の習慣」
第5章 成長を加速させる「毎週・毎月の習慣」
第6章 視座を高める「毎年の習慣」
第7章 志を貫く「一生の習慣」

となっていて、基本のところは「経営者」「管理者」というよりは、「一般社員」「中間管理職」向けのアドバイスが多いので、そのあたりは注意しておいてほしい。

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脳は何度でもやり直しがきく ー 茂木健一郎「脳を活かす仕事術」(PHP)

脳を活かす仕事術

情報のインプット、アウトプットや新しいアイデアの創出といったことは、どうしても「精神的」「感覚的」にとらえてしまう傾向があるのだが、実はそうした「精神論」だけではうまくいかないことは、多くの人がうすうす感づいていることであろう。

そんなあたりの不安を受けて、脳科学の先駆的な学者である筆者が、「脳」というものの生物学的・生理学的な機能であるとか特徴を踏まえた、より良いアウトプットや創造的な仕事の方法を提案してくれるのが、本書『茂木健一郎「脳を活かす仕事術」(PHP)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに 卒業前に就職先が決まっていなかった大学時代
第1章 脳の入力と出力のサイクルを回す
第2章 茂木式「脳の情報整理術」
第3章 身体を使って、脳を動かす
第4章 創造性は「経験×意欲+準備」で生まれる
第5章 出会いが、アイデアを具現化する
第6章 脳は「楽観主義」でちょうどいい
第7章 ダイナミックレンジが人生の幅を広げる
第8章 道なき場所に道を創るのが仕事である
おわりに 脳は何度でもやり直しがきく

となっていて、脳科学の側面から、我々の「思い込み」をあれこれ訂正がされている。

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「失敗」は誰しも嫌なのだが「喉元」すぎれば ー 『飯野謙次「仕事が速いのにミスをしない人は何をしているのか」

「仕事にはミスがつきものだから」と慰められても、心の中では、もっと注意をしておけば・・・といった後悔の気持ちでいっぱいになっている、といった経験ありませんか。とりわけ、近くにかなり完璧に仕事をこなす先輩などがいた日には、自己嫌悪に陥って、モチベーションだだ下がり、といったことになるもの。

そんな「失敗したくない」あなたに向けて、「失敗学」のオーソリティから、迅速な仕事とミスのない仕事をセットで実現する仕事術の数々をアドバイスしてくれるのが、本書『飯野謙次「仕事が速いのにミスをしない人は何をしているのか」(文教社)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

1章 なぜあの人は、仕事が速いのにミスをしないのか?
2章 仕事の質とスピードを同時に上げる方法 入門編
3章 うっかりを防ぐ「最小・最短・効率」の仕事術
4章 メールを制する者が、ビジネスを制する
5章 自分のパフォーマンスを最大まで高める仕事術
6章 「ずば抜けた仕事」の決め手となる人間関係とコミュニケーションのコツ
7章 仕事の質とスピードが同時に上がる逆転の発想法
8章 「自己流・万能仕事術」のつくり方
9章 自己実現を最短でかなえる仕事の取り組み方

となっているのだが、まず最初にガツンと言われるのが、

失敗学会での取り組みを通して見えてくることは、 世の中の事故も不祥事も、「まったく新しいこと」「まったく想定外のこと」が原因で起こることはほとんどない

注意力では、失敗もミスもなくすことができない

ということで、部下や自分のこどもが失敗した場合、「注意力が散漫だったからなどと叱ることがよくあるのだが、どうやら、そういう対策では「失敗」はなくならないらしい。

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組織を変える「チームの法則」を身に付けよ ー 浅野耕司「THE TEAM(ザ・チーム)ー5つの法則」

ひところのビジネス書は、組織を離れた「個人」の力を最大限化するためのノウハウ本や、組織の中で組織人として働くためのスキル本が大勢を占めていたという感じなのだが、最近は、フリーランスな働き方を絶賛する動きも冷静化するとともに、旧来の組織のほうはあいかわらずガタガタしている状況とあって、新しい形での協働した働き方を支える「チーム」について考察したものが増えてきているようだ。

「チームの法則」を自らのコンサルティングチームに適用し、売り上げアップと退職率を下げるなど業績のV字回復を図った筆者が、今までの世間の「チーム」というものに対する誤解を指摘しつつ、改めて「チーム」の力の再構築を図ろうとアドバイスするのが本書『浅野耕司「THE TEAM(ザ・チーム)ー5つの法則」(NEWSPICKS+幻冬社)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

はじめに 売上、時価総額を10倍にした「チームの法則」
第1章 Aim(目標設定)の法則 [腹を立てろ ]
第2章 Boarding(人員選)の法則 [戦える仲間を選べ]
第3章 Communication(意思疎通の法則 [最高の空間をつくれ]
第4章 Dicision(意思決定)の法則 [進むべき道を示せ]
第5章 Engagement(共感創造)の法則 [力を出し切れ]
特別収録 チームの落とし穴
最終章 私たちの運命を変えた「チームの法則」
終わりに チームから組織へ

となっていて、まず目を引くのは、最初のところで、「チーム」についての世間の誤解を指摘するのが「目標を確実に達成するのが良いチームだ」とというのは「間違い」というところ。筆者によれば
『 チームをチームたらしめる必要条件は「共通の目的」です 』ということを前提に、「目標を適切に設定できるのが良いチームだ」としていて、このあたりは、いまだに高度成長時代やバブル成長じだいの数値目標に振り回されて、意欲を失いつつある日本の組織への警鐘でもありますね。

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「閉じられた職場環境」下での普遍的な仕事のコツ ー 泊太郎「海上自衛官が「南極観測船白瀬」で学んだきつい仕事に潰されない人のルール」

「仕事術」の本というと、昨今はフリーランスの仕事が増えたうえに、仕事の環境も「クラウド」を活用したものが増えたせいか、内容的には、ネットを使ったノマド的なものが多いのだが、多くの職場は、まだまだ「オフィス」に通勤して仕事で、紙を使った書類が仕事が中心の形態が主流であることは間違いない。

そんな多くのビジネスマンにとっては、やはり、人間関係も、仕事環境も、一定程度「閉ざされた」環境にあることを前提とした仕事術でないと、皮膚感覚的に「ちょっとなー」と思うことが多いはず。
そうした大多数のビジネスマンに向けて、南極船「白瀬」といういやおうなしに5か月間船上にあるという「閉じられた」環境の中で、いかに人間関係を良好に保ち、円滑に仕事をやっていくかのコツを、元海上自衛官の筆者がアドバイスするのが、本書『泊太郎「海上自衛官が「南極観測船白瀬」で学んだきつい仕事に潰されない人のルール」(秀和システム) 』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1章 5ヶ月間閉じこめられて学んだ「ストレス」に負けないルール
第2章 怖い上官たちから学んだ「上司」とうまく付き合うルール
第3章 怒鳴られまくって身に付けた「上手な叱られ方」のルール
第4章 厳しくも野菜い先輩たちから学んだ「後輩指導」のルール
第5章 制限の多い艦内で快適に過ごすための「気遣い」のルール
第6章 忙しさにすりつぶされないための「手抜き」のルール
第7章 不要なトラブルを起こさないための「同期」と付き合うルール

となっていて、この仕事術の舞台となる「南極観測船白瀬」の航海というのが、南極までの往復5か月間の間、物資の積み下ろし以外は海の上、そして海上自衛隊という規律に厳しい組織内での仕事なうえ、娯楽や食事のメニューも限定で、個人スペースはベッドの上だけ、というまあ、仕事環境からすると「ブラック」なところに間違いない。

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