江戸・神田相生町の女性「上絵師」の活躍と恋バナが始まる ー 知野みさき「落ちぬ椿」ネタバレあり

時は徳川十二代将軍・徳川家慶の頃、江戸の神田相生町に住む、女性の上絵師・律を主人公にして、彼女の絵師としての成長と、彼女が描く「似面絵」(似顔絵)を手がかりに、幼馴染の葉茶屋の跡取り息子・涼太とともに、もちこまれる様々な事件を解決していく「上絵師 律」シリーズの第一巻が本巻『知野みさき「落ちぬ椿 上絵師 律の似面絵帖」(光文社文庫)』である。
「上絵師」というのは、着物に花や鳥、紋様、家紋など、様々な絵を入れる仕事で、当方が最初思い浮かべた、陶磁器の上絵下絵の方とは違っておりました。

【構成と注目ポイント】

構成は

第一章 落ちぬ椿
第二章 母の思い出
第三章 絵師の恋
第四章 春暁の仇討ち

となっていて、まず第一章の「落ちぬ椿」はこのシリーズのスタートとあって、メインキャストの「律」、幼馴染の「涼太」「香」が、彼らが幼い頃通っていた寺子屋の師匠・今井の長屋で「お茶」をごちそうになる場面から。「涼太」の生家である葉茶屋の青陽堂は、茶葉を売る大店で、彼はそこの跡取り息子で、今は「手代」として家業の見習い中。涼太の妹・香はすでに銀座の薬種問屋・伏野屋に嫁いでいる。そして「律」のほうは、弟・慶太郎と二人暮らしで、母親・美和は5年前で辻斬りにあって亡くなり、その時に怪我をした上絵師をしていた父親・伊三郎も最近亡くなった、という設定です。

律は父親の手伝いで、上絵描きをしていたのだが、腕のほうはまだまだで、父親が亡くなってから上絵の仕事を請けるため、情はあるが仕事には超厳しい呉服屋・池見屋の女将「お類」の指導を受けながら修行し、腕を磨いていくのだっが、本巻では、ひよっこもひよっこの腕前の段階です。
そのため、なかなか注文が取れずに生活費も乏しくなっているところを、涼太の店の得意客の南町奉行所の同心・広瀬保次郎が、律が人物絵がうまかったことを見込んで、事件の犯人の似顔絵を依頼してくる。もちろん、これによって「律」に報酬を定期的に支払って生活を助けようということですね。

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生涯キャリアを選択する時代の「働き方」とは ー 新井健一「働かない技術」

「人生100年時代」「働き方改革」という議論が先ごろまであちこちで起きていたのだが、最近は、ラグビーワールドカップで日本チームが大健闘したせいでもないのだろうが、議論が下火になっている感が強い。
ただ、この問題は、筆者の

自らの、あるいは自社の働き方について、いま最も真摯に考えるべきなのは、若手でも経営層でもなく、ミドル世代だと思っている。この世代が、働き方改革の本質を見極め、改革を正しい方向に導かなければ、日本も日本企業も凋落の一途をたどるだろう。

という投げかけのとおり、今現在、企業社会を支えている層が、自らの意思で、自らの方向をきめるべき問題ではある。
そんな企業社会を担う「管理職」世代への「働く」ということについての提言が本書『新井健一「働かない技術」(日経プレミアシリーズ)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

プロローグー「働かない」のにはスキルと覚悟が必要だ
第1章 なぜ「働かない技術」が必要か
第2章 ガラパゴス化する職場
第3章 ダラダラ職場が生まれる理由
第4章 「働きすぎる」ミドルの末路
第5章 「職場脳」からの脱却
第6章 残業できない時代をどう生きるか?
エピローグ
「働く技術」
日本の組織ならではの強みを活かしつつ新しいステージへ
あとがき

となっていて、まず

そもそも、これからは8時間労働そのものも疑ってかかる必要がある。
(略)
8時間労働は18世紀後半、それまでの10時間から16時間にのぼる過酷な労働を見直し、「仕事に8時間を、休息に8時間を、やりたいことに8時間を」というスローガンのもとに提唱されたものである。
要は8時間労働とは、労働安全衛生という人道的見地から提唱され、定着したものであり、知識労働者の生産性を高めるために必要な「集中していられる時間」とは無関係なのだ。

と我々の「労働観」そのものへの疑問から始まる。たしかに、今の「働き方改革」の議論は、働く「方法論」、働く「形態論」で議論されることが多くて、労働時間も含めた、「働くこと」の基本論について議論されている気配はない。このあたりは、まあ議論しても甲斐がない、という思いのある人もいるだろうが、効率性や生産性の話の前提として、我々はどういう「働き方」を選択したいのか、という面では、いつも頭の中においておくべき話なんだと思う。

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武田信玄動く。センゴクは佐久間信盛とともに家康軍に参加 ー 宮下英樹「センゴク 9」

美濃・斎藤家の落ち武者から国持大名にまで出世したのに、自らの突出によって島津との戦に敗戦して改易。一家離散のどん底から再び国持大名まで出世。さらには徳川二代将軍のときには「秀忠付」に任命されるなど徳川幕府の重鎮となった「仙石久秀」のジェットコースター人生を描く「センゴク」シリーズの第1Seasonの第9巻。第1Seasonでは、稲葉山城落城から浅井家滅亡までが描かれるのだが、三方ヶ原の戦の前夜というところが本巻。

前巻の最後のほうで、浅井勢の攻略のため、織田軍が小谷城近くのトラ午前山に砦を構築、浅井の要請を受けて朝倉勢も後詰め(救援)に動いた様子を見て、戦国最強と言われた武田軍が上洛に向けて動き始めます。一方、センゴクのほうは、比叡山焼き討ちでお蝶を助けるために脱隊した罰を受け、佐久間信盛のもとへ預けられます。武田軍の猛攻を受ける中、新しい境地のセンゴクが到達するきっかけとなります。

【構成と注目ポイント】

第9巻の構成は

VOL.80 武田の四将
VOL.81 退き佐久間
VOL.82 馬場美濃守信春
VOL.83 甲府出陣
VOL.84 第一の寄せ
VOL.85 岩村城陥落
VOL.86 届けたい想い
VOL.87 次郎三郎の賭け
VOL.88 小山田兵衛尉信茂
VOL.89 信玄の初手

となっていて、まずは信玄の居城・躑躅ヶ崎館に、山県、馬場、高坂、秋山の武田の中心となる四将が集められ、四方から織田・徳川連合軍へ攻めかかることが信玄から宣言されます。上洛を虎視眈々と狙っていた信玄が、その年齢や織田勢の台頭から満を持して、の行動ですね。これによって、比叡山の焼き討ちで綻んでしまった「信長包囲網」ががっちりと再構成されることになります。

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北条五代の統治は、籠城による徹底抗戦を選ぶ ー 宮下英樹「センゴク権兵衛 15」

 

美濃・斎藤家の落ち武者から国持大名にまで出世したのに、自らの突出によって島津との戦に敗戦して改易。一家離散のどん底から再び国持大名まで出世。さらには徳川二代将軍のときには「秀忠付」に任命されるなど徳川幕府の重鎮となった「仙石久秀」のジェットコースター人生を描く「センゴク」シリーズの第4Seasonの第15巻。

 

海外雄飛による貿易で経済政策を活性化しようと考えていたのだが、造船技術の未熟さで断念した秀吉が、帳尻を合わすための策が「北条攻め」であったのだが、その「後北条家」の二代目・氏綱から四代目・氏政までの「後北条史」そしてそれを受け、五代目・氏直は、秀吉に北条攻めに対し、どんな戦術を選択したのかが描かれるのが本巻。

 

【構成と注目ポイント】

 

構成は

 

VOL.118 後北条氏初代
VOL.119 不可思議なる御仁
VOL.120 三国同盟
VOL.121 若殿様
VOL.122 城前
VOL.123 立派な国
VOL.124 北条のために
VOL.125 合戦仕度
VOL.126 馴染み

 

となっていて、後北条氏の初代・伊勢宗瑞から二代目・北条氏綱へ代替わりしての本巻のスタート。名字のところを見ての通り、

 

 

「北条」と名乗り始めたのは二代目・氏綱からで、地味ながら版図を拡大し、関東管領の職を獲得しています。

 

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悪夢の比叡山攻め始まる。センゴクは脱走し、お蝶のもとへ ー 宮下英樹「センゴク 7、8」

センゴク(7) (ヤングマガジンコミックス)

美濃・斎藤家の落ち武者から国持大名にまで出世したのに、自らの突出によって島津との戦に敗戦して改易。一家離散のどん底から再び国持大名まで出世。さらには徳川二代将軍のときには「秀忠付」に任命されるなど徳川幕府の重鎮となった「仙石久秀」のジェットコースター人生を描く「センゴク」シリーズの第1Seasonの第7巻と第8巻。

前巻で浅井、朝倉、斎藤、本願寺で形成する第1次信長包囲網にまんまとはまり込んだところをなんとか逃れたのだが、本願寺の武力と金力の前に翻弄しまくられる信長軍であるのだが、この7巻と8巻で史上悪評の高い比叡山の焼き討ちが描かれる。

【構成と注目ポイント】

7巻の構成は

VOL.60 報恩講
VOL.61 膠着
VOL.62 会いにゆく
VOL.63 各個撃破
VOL.64 望みなし
VOL.65 鳥居兵庫助
VOL.66 焼き討ち前夜
VOL.67 比叡山突入
VOL.68 脱走
VOL.69 にない堂

8巻は

VOL.70 強き者
VOL.71 闘え
VOL.72 死線を超えて
VOL.73 地獄の業火
VOL.74 突破
VOL.75 堪忍な
VOL.76 比叡山陥落
VOL.77 武田法性院信玄
VOL.78 三河徳川家
VOL.79 将棋の駒

となっていて、まず7巻では、本願寺顕如が改めて登場。民衆のまえで説教し、大人気の姿を見せるのだが、

一旦舞台を降りると、戦国大名の冷徹な姿を見せる二面性が印象的ですね。この顕如が取った策が、延暦寺に立て籠もる朝倉、浅井軍を包囲した信長軍の美濃との通路を封鎖して、信長軍の食料を断つという手段にでます。金を湯水のように使って、南近江の豪族や門徒宗を放棄させる作戦で、こういうのは金と宗教を握る「本願寺」でないとデキない技ですね。

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謎解きとギャルソン修行で成長した隆一は屈辱を乗り越える ー 斎藤千輪「ビストロ三軒亭の美味なる秘密」(角川文庫)

東京・三軒茶屋にある小さなビストロ・三軒亭には、決まったメニューがなく客のリクエストと様子を見て料理をサーブしてくれる、完全オーダー型のレストラン。
そこには、いかつい顔でオネエ言葉のソムリエ、元医大生のメガネ男子とサッカー選手だったスポーツマンの、両方ともイケメンのギャルソン、そして、灰色の頭脳・エルキュール・ポアロのファンで、抜群の料理と推理の腕を披露するシェフがいて、元俳優志望の主人公・神坂隆一とともに、店のお客が持ち込む難題を解き明かしていく、というミステリー「ビストロ三軒亭」シリーズの第二巻が『斎藤千輪「ビストロ三軒亭の美味なる秘密」(角川文庫)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

プロローグ
1 suffle 〜スフレ〜
2 casoulet 〜カスレ〜
3 enteree 〜アントレー〜
エピローグ

となっていて、プロローグで、店にも慣れてきた主人公・隆一が、シェフの伊勢の元奥さんっぽい姿と愛犬エルを抱えている姿を見るところからスタートしていて、前巻で明らかになった、シェフ・伊勢と彼の奥さん・マドカとの仲が何か発展するのか期待を持たせる滑り出しである。

さて、第一話の「スフレ」は、隆一の姉・京子の職場の先輩国際線CA・長澤律子とその恋人・柏木のカップルのうち、男性のほうの柏木のほうから持ちかけられる謎。
その内容というのは、律子の風貌が

細身で長身の彼女は、フワッとしたブラウスにワイドパンツを身に着け、肩に薄地のストールを羽織っている、いつもエンジ色のメガネをかけているせいか、”女教師”という言葉が浮かんでしまう。物腰も優雅で上品なイメージの女性である。

というもので、一方柏木は「のんびりと言っておおらかに笑う柏木。目尻の下がった細い目が、人の良さを物語っている」というものから推測されるように、律子さんが「実は結婚」していて柏木をもて遊んでいるのでは、といったものである。

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信長の海外雄飛を脅かす「南蛮」が忍び寄る ー 梶川卓郎「信長のシェフ 25」

現代からタイムスリップをしたフレンチのシェフが、織田信長の専属料理人となった上に、彼の命を受けて信長の前に立ちはだかる様々な難題を「料理」によって解決していく「信長のシェフ」シリーズの第25巻。

時代的には、石山本願寺との争いはまだ決着しておらず、反旗を翻した「荒木村重」もまだ頑強に抵抗中ということで、浅井・朝倉はすでに滅ぼし、武田信玄。上杉謙信といった戦国の雄も亡くなって信長の天下一統の目前となっているのだが、まだまだ敵の多いときですね。

【収録と注目ポイント】

収録は

第206話 秘匿の兵器
第207話 激震
第208話 織田を討つ策
第209話 謀叛の裏側
第210話 風味よき酒
第211話 宣教師の使命
第212話 オルガンティーノの進物
第213話 偽りの理由
戦国めしRecipi パンナコッタ蜂蜜とスパイスソースがけ

となっていて、まずは、織田の九鬼水軍と、毛利の村上水軍との激突。最初の激突は、第20巻ででてくる「第一次木津川の戦」の時。織田軍の包囲網を突破して石山本願寺に物資を運び込むという同じシチュエーションなのだが、先回の時は、土鍋に火薬をつめて投げ込み船を炎上させる「焙烙火矢」や小舟の集団攻撃で、九鬼水軍は惨敗であったのだが、今回も

と村上水軍の長・村上武吉の采配は見事であるのだが、信長が用意したのは

といった完全武装の鉄鋼船。ここらには、戦の形態を「刀槍の戦」から「鉄砲の戦」に変えてしまった、信長の革新性が現れています。ここらにも信長が関所の廃止などの重商政策を進めてきた理由がわかるようです。
結果として、第二次木津川の戦では、

と「熟練」は「技術力」の前に破れてしまうのですな〜。

本巻の中ほどから、南蛮の宣教師・オルガンティーノが登場してきます。オルガンティーノは、ルイス・フロイスとともに日本のキリスト教の布教に力を尽くした人で、ネットによると「明るくて魅力的で日本人の人気があった」とあります。パンの代わりに米を食べたり、仏僧の着物を着たりとかしていたらしく、まあ人気のある外人タレントのような感じですかね。

で、このオルガンアティーを信長が安土に呼ぶのですが、その発端は、九州の貿易商人から先だって信長がつくったように大筒を積んだ船を肥前で見たいう話から。信長には、将来の対外戦略を睨んだ魂胆があるのですが、オルガンティーノのほうにも

といった含むところがあるようです。まあ、イエズス会っていうのはインドでもアメリカでも布教活動がスペインとかポルトガルとかの当時のヨーロッパ列強の侵略と同一軌道にあったことは有名なので、本書で描かれている路線もあながち虚構でもないかも。もっとも、オルガンティーノは禁教令後も日本に残り、1597年の日本二十六聖人の殉教の際には、彼らの削ぎ落とされた耳の受取人になって、彼らの供養(?)をするなどしてくれているし、「輪たちには全世界じゅうでこれほど天賦の才能をもつ国民はないと思われる」と日本人のことをベタ褒めしてくれているので、あまり悪く言っちゃいかんかもしれんですね。

本巻では、ケンの調理場に

といった風情で現れて

と言い放ちます。しかも、ケンたちではけして「作れない」料理をつくるというのですが、彼がつくるのは果たして・・、と言ったところで、詳細は本書で確認してください。本書でオルガンティーノの生まれ故郷がイタリアであることは間違いないです。

ちなみに、本巻でのケンの料理は「鳩の卵と季節料理の温かい前菜・アイオリソース」「シュトレン」「パンナコッタ蜂蜜とスパイスソースがけ」「雌牛肉と米の煮込み」といったラインナップですので、詳しくは原書で。

【レビュアーから一言】

本巻のなかほどで、信長が

と光秀に謎をかける場面がでてきます。光秀は信長を殺すための条件として、信長の警備が手薄で近くに重臣の軍がいないこと。徳川家康を封じること、などの条件を出し、その条件が揃うのはほぼ無理、となるのですが、「本能寺の変」は、光秀がこうしたシミュレーションを繰り返すうちに、「今ならできる」と魔がさしたこのかもしれんですね。

信長のシェフ 25 (芳文社コミックス)
梶川卓郎
芳文社 (2019-10-16)
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「信長のシェフ1〜3」

梶川卓郎/西村ミツル「信長のシェフ 4」(芳文社)

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織田の家督相続の宴はクーデターの危機をはらんでいた ー 梶川拓郎「信長のシェフ 16」

本願寺挙兵ス — 梶川卓郎「信長のシェフ 17」(芳文社)

「陰謀」は敗れるからこそ面白い — 梶川卓郎「信長のシェフ 18」(芳文社)

「瑤子」と「松田」、それぞれの旅立ち — 梶川卓郎「信長のシェフ 19」(芳文社)

天下の情勢は急変、越後の龍・謙信起つ — 梶川卓郎「信長のシェフ 20」(芳文社)

織田と上杉の激突、いよいよ決戦前夜 — 梶川卓郎「信長のシェフ 21」(芳文社)

旧勢力は去れ、と信長は言った ー 「信長のシェフ 22」

弾正爆死から中国攻めへ。そして、ケンが「本能寺」を防ぐ鍵は? ー 梶川卓郎「信長のシェフ 23」

信長の世界雄飛の志は、水軍の若き頭領に届くか? ー 梶川卓郎「信長のシェフ 24」

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会社人間も「会社の外の人生」で楽しみつつ、自己防衛せよ ー 成毛眞「定年まで待つな!」「最高の遊び方」

日本の少子高齢化であったり、国家経済といったことで、年金の支給であるとかインフラとか老後の生活を不安にさせる要素はいっぱいあって、「定年」というものが現実感を帯びてきた40代から50代のミドル世代は、正直なところ不安がいっぱい、というところだろう。これからの年金財政を考えると、年齢がいっても働き続けないといけないのだが、AIや「ゆとり世代の若者」に押されて、

これからの世の中にあって、お金を稼げる自分であり続けるのは難しい。少なくとも、いまの職場で、目の前の仕事に追われていたら、定年前に仕事を失い、路頭に迷うことになる・・。そんな悲劇に見舞われる人が、たくさん出てくる、と私は見ている。

というミドルエイジ受難の時代に生活費を稼いだ上に、どうやって機嫌よく暮らしていくか、未来を先取りした提言をしてくれるのが本書『成毛眞「定年まで待つな!」(PHPビジネス新書)』と、その続編的に仕事ではなくて「趣味」を選択した時に読んでおきたいのが同じ筆者の『成毛眞「最高の遊び方 人生も仕事も変わる!」(宝島社)』である。

 

【構成と注目ポイント】

まず、「定年まで待つな!」の構成は

はじめにーミドルエイジの働き方は一つではない
第1章 老後に野垂れ死にたくなければ、一刻も早く会社を去れ
第2章 スキルアップする暇があったら、地方に飛び込め!一発逆転の転職術
第3章 語学は後回しでいい。さっさと海外で働いてしまえ
第4章 会社を辞められないなら、一つの趣味に全精力を傾けよ
第5章 勤めながらでもOK!超速で自分の会社を設立せよ
第6章 自分を縛りつける「壁」を壊して、賢く生きろ
おわりに

となっていて、第1章で、旧来の義務教育にスポイルされていない「ゆとり世代」や「AI」によって20年後の職場は別世界になるのは間違いないから、早めに「早期退職制度」が導入されたら、積極的に活用しろ、といった、ミドルエイジが親しんできた「日本型雇用」から見ると抵抗があるかもしれないが、「地方」や「海外」に目を転じて、輝き続けられる場所を探そうでは、という、ある意味、前向きな提案と考えておいたほうがよさそうだ。

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「メンタルトレーニング」を「ビジネス」に取り入れる ー 大儀身浩介「勝つ人のメンタル」

スポーツの世界で「勝つ」ためのメンタルが強くなければ、とよく言われるのだが、これはビジネスの世界でも共通で、才能にあふれ、弁論も爽やかな優秀な人が、プレッシャーに負けてプロジェクトを破綻させたり、結果が出せなかったりといった実例は、ビジネスパーソンであればいくつも目撃したことがあるはずだ。

こうしたメンタル面での「強さ」が求められる世界といえば、「スポーツ」の世界であるのだが、スポーツ経験を活かしながら、スポーツ心理学に基づく「メンタル・トレーニング理論」をベースにしたコミュニケーションやチーム・ビルディングのアドバイスで実績を上げている筆者による、メンタルトレーニングのビジネス版が本書『大儀身浩介「勝つ人のメンタル」(日経プレミアシリーズ)』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

序章 心は鍛えられる
第1章 目標設定がやる気を生み出す
第2章 最高の心理状態をつくる
第3章 集中力のカギは楽しさにあり
第4章 イメージトレーニングで人生に勝つ
第5章 なぜプラス思考が重要なのか
第6章 セルフトークで感情を制御する
第7章 本番に強くなる心の整え方
第8章 共感力がメンタルを高める
終章 リーダーのためのメンタルトレーニング

となっていて、まず最初に

多くの人が、「自分はプレッシャーに弱いから」とか「本番に弱いから」「あがり症だから」と、本番でうまくいかないことを諦めていますが、それは大きな誤解です。
心は自分自身でコントロールすることができます。トップアスリートたちが身体のトレーニングと同時に「心のトレーニング」をしているように、一般の人もトレーニングによって心を鍛えることができるのです。

ということで、「プレッシャーに負けない心」は、選ばれた人だけが体得できるものではなく、一般人にもその資格があるらしいので、まずは安心していい。

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AppleWatch5の発表の誘惑に負けず格安中華スマートウォッチ「Fitfint」を買った

Applewatch5などの新機種の発表がすでにされていて、格安デバイスを追い求める当方としては、これに対抗するデバイスの発掘をしなければ、と思うところなんであるか、今回、「Fitfint」という中華製の格安スマートウォッチを発見・購入したので、レビューいたします。

当方の興味を引いたのは「通話機能がある」とのふれこみ。AppleWatchなどの高級機種であれば、Bluetoothでのハンドフリー通話やSimも入れられるものなどは当たり前になっているのだが、5~6千円程度の格安スマートウォッチでは、時計から音声がでるなんてのはとても高望みな機能なんである。このほかネットの情報では、健康管理機能では、活動量計、睡眠記録のほか血圧記録もある上に、SMS通知や着信のお知らせ、音楽プレイヤー、計算機、天気のお知らせなどもできる、といったまさに「満漢全席」っぽい仕立てである。

◇外観など◇

製品はこんな箱で届く。当方はAmazonで注文したのだが、かなりしっかりとしたつくりの箱で歪みとかはなかったですね。 中にはマニュアルと、中華スマホやガジェットらしく優待ギフトの案内も入っているので、優待ギフトのほうは興味のある方はどうぞ。

箱を開けるとこんな感じ。時計の画面はデフォオルトで8種類の画像が選べるようになっているのだが、追加はできない設定。ちなみに、写真のものはディスプレイ用にシールで貼られている。

当方が選んでいるのはこんなデザイン。

なお、時計の横のリューズまがいを押すと点灯する。腕のシェイクでも点灯することになっているのだが、感知機能を鈍くしてあるのか、かなりの確率で失敗します。長押しでOn-Offが切り替えられます。

同梱されているのは、時計本体とUSBの充電ケーブルのみのあっさりとしたもの。充電ケーブルは端子がこのウォッチ特製で、他のものには転用ができないので、これが通常のmicro‐USBなどの端子で充電できる形になると嬉しいのですが・・・。

時計裏面の4つの端子にマグネットで繋いで充電する仕組みになってます。

また、操作マニュアルは最近の中華デジモノの常として、少し変な日本語混じりの簡単なモノしか入っていないので、基本はいじり倒してみたり、Amazonのレビュー欄などで自分で情報収集することがベストです。

この製品で嬉しいところは、時計のベルトがフツーの時計の20センチ幅のベルトと交換できるところ。デフォルトでついてくるベルトも、マットな黒で、肌触りも悪くないのだがいかんせん安っぽいし、いかにもスマートウォッチ着けてます、といった感がでるのが玉に瑕。

この時計であれば、お堅いビジネス職場にお勤めの方もベルトを交換すればよいかと思います。ちなみに、当方は安価な「カーフ」の時計バンドに交換してみました。色と厚みからいうと、金属バンドのほうがマッチするかもしれません。

◇時計本体の機能◇

時計本体の機能は前述したようにかなり多種です。

〇健康管理機能〇

【活動量計】

時計を右にスライドするようにタップするか、左にスライドしてでてくるメニューの中の「スポーツ」を選ぶと「スポーツ」などの活動量が記録ができる画面がでてきます。メニューは

・屋内ランニング
・屋外ランニング
・ウオーキング
・サイクリング
・登山
・運動記録

となってます。
写真では光っていて見にくいですが、使いたい項目をタップすると「スタート」の画面になるので、ここをタップして記録を始めるようになってます。

【ヘルスチェック】

それぞれの画面をアップしておきます。ここは画面をみてもらえば操作方法はわかると思います。ただ血圧などの数値は専用デバイスと比べると精度が落ちるので参考値ぐらいに考えておいたほうがいいと思います。

・血圧

・心拍数

・歩数計

【通知機能】

ふれこみでは、時計本体で通話ができるとなっていますが、Amazonのレビューでは音量が小さいといった不評がありますね。当方は電話かけられることが少なくて、まだ時計での通話は試してません、すいません。電話のお知らせはかけてきた人の名前の表示も含めて、ちゃんとしてくれます。

SMSとかの通知は、なかなか連携しなくて苦労したのですが突然連携し始めました。通知画面はこんな感じで、かなり文字も大きくて見やすいです。ただ、Gメールはどういうわけかひろってくれません。LINEの通知がほぼ全文読めるのはよいですね。ただ、返信機能はないのでご了解を。

〇その他の機能〇

ストップウォッチ、音楽プレーヤー、目覚まし時計、ビジネスシート症候群チェック(このデバイスでは「座りがち」チェックになってますね)、タイマー、リモート写真、カレンダー、ボイスメモ、電卓、Siriとたくさんあります。ここまで格安中華スマホで格安なのはあまりないと思います。いくつか、特徴的なものの画面を紹介するとこんな感じです。

・カレンダー

月次カレンダーのみです。残念ながら、スマホのスケジュールとの連携はしてません。

・電卓

12桁までの加減乗除に対応してます。ちょっとした計算が便利ですね。

・Siri

Androidユーザーには申し訳ないのですが、AppleのSiriしかありません。

・音楽プレーヤー

スマホの音楽プレーヤーと連携して時計で音楽が聴けます。スマホのほうで楽曲を選んだら、スタート・ストップが時計で可能です。音声が時計から流れるのでちょっとびっくりしますね。

この応用でもあるのですが、Goolgleマップでナビシステムを使っているとき、連携しておくと案内の音声が時計から流れます。うるさい車内では、かなり便利です。

・ボイスメモ

これはチャレンジしてみたのですが、残念ながらうまく使えません、記録はしているようなのですが、再生の仕方がわからないといった状況です。

◇i-PhoneとのBlueTooth接続◇

まず、管理アプリをスマホにインストール。アプリストアからi-Phoneの場合は「SMART-TIME」というアプリをインストールして、利用者登録をしてください(アプリの詳細はまた別途)。

次に、アプリのほうの「設備」というところで時計を登録。「R2_JAPAN_LE」という名前で登録されると思います。その後にスマホのBlueToothでデバイスを探します。

ここで注意しておきたいのは、BlueToothで最初に見つかる「R2_JAPAN」というデバイスに最初に接続すると、当方の場合はSNS通知のお知らせ機能がうまく連携できませんでした。「R2_JAPAN_LE」をまず接続して、詳細メニュー(〇に「i」マーク)をタップして「システム通知を共有」、次に「R2_JAPAN」を接続。
途中で、「接続するデバイスに〇〇〇〇という数字が掲示されていますか」といった警告と確認ボタンがでるので確認せずに「OK」、時計の方には「接自なんたらかんたら」という多分中国語でi-Phoneと接続しますか、といった掲示がでるのでこれも「OK」をタップすると、当方の場合はBlueTooth接続に成功しました。

また「R2_JAPAN」の「連絡先を同期」をチェックしておくとスマホの住所録を時計に流し込んでくれます。

SNSの通知機能のほうは、同期したては通知してくれなかったのですが、しばらく時間をおいたら突然通知してくれるようになりました。SNS通知を有効にするにはAmazonのレビューでは、BlueToothで連携した「R2_JAPAN」の詳細画面で「通知機能を同期」にチェックすればよい、的な書き込みがあるのですが、当方の場合はその項目自体がなかったので、SNS通知機能が突然動き始めた理由は不明のままです。

正直言って、i-Phoneとの接続はかなり苦労したのは確かですね。

【総評】

1万円以下で買えるマートウォッチにしては、多機能でお得だと思います。itDEALのようなブレスレット型のものはお堅い職場の場合はいまいちフィットしないし、よくあるスクエア型のものはいかにもスマートウォッチという感じで抵抗のある人もあると思います。このFitfintのようなラウンド型であれば、どんなシチュエーションでもマッチするので、スマートウォッチ入門機としてはもってこいなのではないでしょうか。