ヤノハは「鏡の秘儀」で勝負に出る ー 「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝 3」

古代史最大の謎「邪馬台国」を舞台に、日向の巫女の娘が、権謀術数の限りを尽くして、生き残り成り上がっていく物語『リチャード・ウー・中村真理子「卑弥呼ー真説・邪馬台国シリーズ』の第3弾。

前巻で、トンカラリンの洞窟から生還し、「日見子」の資格をもつことを証明したのだが、旧勢力に追われて、山杜(ヤマト)へと逃れた「ヤノハ」。本巻では、この形勢を逆転するための策が着々とうたれていき、ヤノハの快進撃が始まるのが今巻。

【収録と注目ポイント】

収録は

口伝15 言伝(ことづて)
口伝16 情報戦
口伝17 秘儀
口伝18 舞台設定
口伝19 黄泉返り
口伝20 イサオ王
口伝21 戦闘開始
口伝22 血斗(けっとう)

となっていて、まずは種智院の里で、ヤノハの戦士修行のライバルであり、今は那国へスパイとして忍びこむ命令を受けている「ヌカデ」を、前巻でヤノハの影武者となった「アカメ」がヤノハの味方になるよう口説き落とすところからスタート。

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洞窟の闇を抜け、ヤノハは「日見子」となる ー 「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝 2」

古代史最大の謎「邪馬台国」を舞台に、日向の巫女の娘が、権謀術数の限りを尽くして、生き残り成り上がっていく物語『リチャード・ウー・中村真理子「卑弥呼ー真説・邪馬台国シリーズ』の第2弾。

前巻で、「暈」の国の巫女集団の学び舎・種智院に潜り込むことに成功するのだが、そこで、「天照」の恩寵を受け、百年に一度出るか出ないかの巫女・日見子の素質をもった「モモソ」を殺害したのだが、その無実を立証するため、「トンカラリンの洞窟」に放置されたヤノハのその後が描かれる。

【収録と注目ポイント】

構成は

口伝7 暗闘
口伝8 東へ
口伝9 日見子誕生
口伝10 一計
口伝11 聖地
口伝12 四番目
口伝13 思惑
口伝14 女王国

となっていて、まずはこの「暈」の国を治める「タケル王」と

「鞠智彦」が登場。

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刑事らしくない女性捜査官の推理の冴えを楽しもう ー 大倉崇裕「福家警部補の再訪」

警視庁の捜査一課に属する刑事なのだが、眼鏡をかけ小柄。化粧っ気はなく、地味な色のスーツにショルダーバッグという地味な様子で、警察手帳の在り処がいつもわからなくて、事件現場では所轄の警官たちに足止めをくう、なんとも風采はあがらないのだが、捜査の肝を見抜く目と推理は抜群、という女性刑事・福家警部補の活躍を描くシリーズの第2弾。

完璧に近い偽装工作を施した犯人を、その風貌で安心させて犯罪の核心をポロッとつぶやかせたり、夜討ち朝駆け的にいたるところに出没して聞き込みをするネチッコさでトリックを解き明かしたり、とやることと風貌のギャップの激しさが魅力の福家警部補が、今巻では、業績のいい防犯メーカーの社長、売れっ子脚本家、ピンで売出しを狙っている元人気漫才コンビ、新作がバカ売れの模型会社の社長の「犯行」を暴いていきます。

【収録と注目ポイント】

収録は

「マックス号事件」
「失われた灯」
「相棒」
「プロジェクトブルー」

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外出自粛中の今、「矢口高雄」マンガ で、日本の「原風景」と「自然」を満喫しよう

新型コロナウィルスが蔓延しているせいで、家の中にこもりっきりの状況では気分の方も暗くなっていって、リモートワークの効率もどんどん下がっていってる人も多いのではなかろうか。そんなときには、「自然」に触れあうのが一番のリフレッシュ方法であるのは間違いないのだが、実際に出かけるのは自粛の真っ最中なので無理。

そんなあなたにおススメなのが、日本の懐かしい田舎や自然を扱ったマンガでリフレッシュすること。
特に「釣りキチ三平」など「釣りマンガ」で大人気となり、「釣りバカ日誌」をはじめ、これ以後の「釣り」をテーマにしたジャンルの創設者といっていい「矢口高雄」さんのマンガは、筆者の出身地が秋田県で、自然の中で育ってきた経歴のせいか、日本のどこにでもあった田舎を舞台に、そこに暮らす人々の日常生活や、失われてしまった伝統行事を丁寧に描写した作品が多く、現在ではすでに失われた「日本の原風景」と「日本の自然」をしっかりと味わうことができる。

今回、Kindleで提供されている「矢口高雄」マンガの気になる作品をPickupしてみたので、「自然」系や「故郷」系にマンガに癒やされたい人はチェックしてみてはいかかがだろうか。

【おススメの「矢口高雄」マンガ】

◇「日本のムラ」シリーズ◇

明確にシリーズ化されているわけではないが、当方の方でかってにシリーズの命名をした。筆者の出身地である秋田県の農村部を舞台に、自然の中で人情味あふれる、家族や近隣の住民が共同して営む「ムラ」の暮らしを描いたものが多い。特に「かつみ」や「おらが村」は、農村に生まれ育った「かつみ」という女性の登場人物を語り手に、嫁の来ない農村の若者の悲しさや、都会から来た人に翻弄される村人の姿を読むことができ、なんとも懐かしい気分が味わえる。
また、「蛍雪時代」は筆者の半生記的な作品で、その意味で戦後間もないころから高度成長期に至るまでの、日本の農村がどう変わっていったかの記録として読んでみてもいいだろう。

○かつみ(1)~(3)

○おらが村(1)~(4)

○新・おらが村(1)~(4)

○蛍雪時代(1)~(5)

○オーイ!やまびこ(1)~(7)

◇「マタギ」シリーズ◇

ヤマケイ文庫のシリーズで特徴的なもののひとつが、奥羽地方でクマやシカなどの猟で生計をたてていた猟師たちの暮らしやエピソードを描いた「マタギ」シリーズ。
当時でも世間からは秘せられていた部分の多い、その暮らしや山へ猟に入るときのしきたりなど、すでに失われたものも多いのだろうが、日本の民俗誌として読むのも面白い。最近は、狩りガールなど女性の猟師さんも活躍しているのだが、まだ「山に女性が入ると姫神のたたりがある」といった伝承が生きていた時代の物語が中心で、まだ「猟」が「男」のものであった時代の物語である。

〇マタギ(1)~(4)

〇マタギ列伝(1)~(4)

〇シロベ(1)~(2)

◇「日本の自然」シリーズ◇

矢口高雄のマンガといえば、日本の自然の中で活きる野生動物の姿を描いたものが、まず頭に浮かぶのではなかろうか。ずいぶん昔は「シートン動物記」という読みものがあって、アメリカの大自然の中に生きる野生動物を擬人化して描いた読み物だったのだが、筆者のこのシリーズは「日本版シートン動物記」のような趣がある。ただ、このシリーズで描かれていた自然が健在だったのは、せいぜい高度成長期までで、昭和後期、平成となると、こういう牧歌的なものはなくなってしまったような気がするのが残念ではある。

○野生伝説

 爪王/北へ帰る

 羆風/飴色角と三本指

○はばたけ!太郎丸(1)~(2)

○幻の怪蛇バチヘビ

○トキ

○ニッポン博物誌(1)~(4)

◇「釣り」シリーズ◇

筆者の出世作となったのは「釣りキチ三平」シリーズ。三平の「じっちゃん」や「魚紳さん」とともに、地元だけでなく日本中の湖や川、海で魚と対決している姿が、一大釣りブームをまきおこしたことがあるのだが、残念ながら、三平シリーズはKindle Unlimitedの対象にはなっていない。
そのかわりに、釣りに魅せられて仕事以外のほとんどすべてを「釣り」に捧げてしまう、全国の「釣りバカ」の物語がラインナップされている「釣りバカたち」がリリースされている。「永遠に幸せになりたかったら、釣りを覚えなさい」という格言もあるほどの趣味の極致である「釣り」に魅了され、ハマり込んでしまった人々の物語を田楽しんでいただきたいのだが、読んでしまうと、自ら「釣り」の道に入り込むそうになる副作用があるかもしれないのでご注意を!

○釣りバカたち(1)~(5)

【レビュアーからひと言】

当方としては、「日本の原風景」「日本の農村」ほど変化にさらされてきたものはないように思っていて、産業といえば「農業」しかなく、冬季には「出稼ぎ」で男性がいない状況から、モータリゼーションや高速鉄道の発達で「郊外化」か「過疎化」のどちらかの道を歩んでしまい、かつての自然に抱かれた牧歌的な環境は探しても見つからない状態と言わざるを得ない。
なので、こうした「かつての日本の田舎」の姿を見つけようと思うと、「矢口高雄」のマンガを読むのが一番手っ取り早いのだが、時代の移り変わりもあってかブックオフなどの中古書店でもなかなかお目にかかれなくなってしまっているものが多いのが実際のところ。kindle Unkimitedの対象になっているものもあるので、家の中に閉じこもる生活が続きそうな今、お試しに会員登録してみてはいかがでしょうか。

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現役介護ヘルパーが、誰にも身近で切実な「介護」の生の姿を語る

「介護」の話というと、実際に家族の介護に直面している人にはとても負担の大きな課題となっていることがあるに対して、まだ親たちが若かったりすると、どこか遠くの話題にようにとらえられていることが多くて、社会福祉関係予算の議論がされるときも、なぜか痒いところを服の上から搔いているような感覚がつきまとうことが多いのでがなかろうか。

おそらく、その原因は、「介護の現場」の姿をきちんと知らされていないことも多いのではないか、と当方は思っていて、その意味で、現職の介護ヘルパーである筆者による『藤原るか「介護ヘルパーは見たー世にも奇妙な爆笑!老後の事例集」(幻冬舎新書)』と『藤原るか介護ヘルパーはデリヘルじゃないー在宅の実態とハラスメント」(幻冬舎新書)』は貴重な、現場レポートといっていい。

【構成と注目ポイント】

構成は

2012年に出版された第一作の「介護ヘルパーは見たー世にも奇妙な爆笑!老後の事例集」が

第一章 介護はある日、突然やってくる
第二章 恐るべし、認知症
第三章 コツさえわかれば、認知症はこわくない
第四章 やっかいなのは認知症だけじゃない
第五章 介護でわかる家族の素顔
第六章 介護を乗り切れる人。つぶれる人
第七章 介護保険制度をうまく利用するコツ
第八章 ヘルパーが見た介護業界の現実

2019年に出版された第二作の「介護ヘルパーはデリヘルじゃないー在宅の実態とハラスメント」が

第一章 介護現場は最も危険なセクハラ横行地帯だった
第二章 在宅介護でよくあるパワハラ
第三章 在宅で直面するてんやわんやの出来事
第四章 ペット全盛時代の訪問介護はむずかしい
第五章 介護をめぐる殺人事件
第六章 ハラスメント実態調査からわかること
第七章 超高齢者会にヘルパーは欠かせない

となっていて、一作目が介護の相手方となる認知症の老人の人を介護するヘルパーの実態や、老人の家族の様子、二作目が、介護現場の「陰の部分」としてつきまとうセクハラ、パワハラといったハラスメントの実態についてレポートされている。

まず第一作目のほうは、筆者の介護経験から「認知症」のお年寄り達の行動などにフォーカスして、例えば

夫の死後、認知症が進んでしまい、亡くなった夫と結婚して家を出た娘とあわせて参人分の食事をつくり、毎食時「あなたー。食事ができたわよー」と2階に向かって声をかけるのだが、誰もテーブルにつかないので、家族が帰ってくるのを待って食事をとろうとしない奥さん

であるとか

日頃の言動はしっかりしている風なので介護度の認定レベルは低いのだが、計算ができなくなっているため、買い物をすると、毎回、お札を出してはおつりをもらうということを繰り返し、洗面器に小銭が山のように溜まっている老夫婦

といったエピソードから始まって、認知症の老人の介護でよく聞く、家族などへの「盗人」よばわりまで、介護にまつわる様々な話を軽快に紹介しながら、ヘルパーの仕事の様子をレポートしている。本来なら深刻になって、暗くなってしまいそうな話題がたくさんあるのだが、筆者の人柄なのだろうか軽妙でユーモラスな語り口がそのあたりを緩和しているので、落ち込むことなく読める仕上がりになっている。

そしてそれは、第二作でも共通で、本来なら身の危険すら感じてしまいそうな、

身支度をしていると、いつの間にか後ろに立って、移動すると追いかけてくるので。テーブルの周りをぐるぐると追いかけっこをすることになった

セクハラの様子とか

利用者である夫からヘルパーがお礼を言われてことに嫉妬したのか、そのヘルパーに
「もう来ないでください」と言い渡す奥さん

であったり、ヘルパーの介護にケチをつけたり、怒鳴ったり、見下した扱いをしたり、といったパワハラの状況がレポートされているのだが、筆者がこの仕事に誇りをもっているせいか、暴露本に堕することなく、あまり語られることのなかった「介護の陰の部分」をきちんと読むことができる。

ただ、これらのレポートを受けて、我々読み手として考えないといけないのは、これを全体の問題、自分に身近な問題としてどう向き合い、制度的な対応策をどうするのか、といったところなんであろう。社会福祉は金がかかるから削減が必要といった識者の発言によっかかっているだけでは解決しないような気がしますね。

【レビュアーから一言】

社会福祉の問題というと、とかく深刻になって感情的な議論にいってしまうことが多いのだが、筆者のような、現場にいる人による、深刻すぎないが的を得たレポートというのがとても貴重なものに思える。介護の世界の人材難が続く中、多くの人に読んでおいてほしい二冊であります。

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日本古代史最大の謎「卑弥呼」登場 ー 「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝 1」

古代史最大の謎といえば、やはり女王卑弥呼の支配する「邪馬台国」がどこにあったのかの論争であろう。九州説、畿内説の二大有力説を筆頭に、それこそ日本全国でご当地争いが主張されているのだが、意外にこれをがっぷりと正面から描いた漫画は見当たらない。日本の古代史という少々地味な時代であることに加えて、卑弥呼という存在が、呪術を操るシャーマンの女王ということで、「老女」のようなイメージがつきまとうせいではないか、と当方は推察している。

そんな定番的な「卑弥呼」像に正面から挑戦して、野望に満ちた若い女性を主人公にすえて、新しい邪馬台国と卑弥呼の物語が、この「リチャード・ウー・中村真理子「卑弥呼ー真説・邪馬台国伝 1」のシリーズである。

【収録と注目ポイント】

収録は

口伝1 日向の女
口伝2 ヤノハとモモソ
口伝3 縁
口伝4 盟神探湯
口伝5 憑依
口伝6 トンカラリン
わたしの魏志倭人伝(園村昌弘)

となっていて、シリーズの幕開けである第一巻は、弥生時代の「日向」。集落が襲われ、槍の先に突き刺された、切られた首が乱立しているところからスタートする。

今シリーズの主人公となる「ヤノハ」は、この村の生き残りで、天照を祀る女性巫師の娘という設定ですね。

そして、ここに「暈(クマ)」の国の巫女の長・ヒルメが通りかかり、彼女を巫女集団・種智院を守る「戦士」に迎えることで、物語が動き始めます。

この地名でもわかるように、本作では邪馬台国の所在はほとまず九州とされている(畿内説とのすりあわせは後ででてきます)のですが、この時代の九州近辺の日本は

といった感じに分かれていることになっていて、通説では、邪馬台国の敵国として扱われる、今の熊本から鹿児島あたりを領した「暈(クマ)」=熊襲の国が、九州南方の文化の進んだ新興有力国として描かれているのが斬新ですね。この「暈」という国名も、「日の文字の下の軍」と書いて、天照(アマテラス)の下で戦う国ということとなっているので、後世の「アマテラス神話」の中心地であるようです。

この「暈」の国で、天照を祀る「日の巫女」が暮らす種智院で、ヤノハは「戦部」という戦士部隊としての修行を積み、頭角をあらわしていくのですが、戦士である以上、いつかは戦場で斃れることが宿命です。

しかし、母親の不慮の死に遭遇し、

という望みを持つ彼女は、巫女の中でも才能に溢れ、特別な霊力を持つという「モモソ」と知り合いになります。この「モモソ」は、第7代の孝霊天皇の娘で、大物主神の妻となったが、箸が陰部をついたたため命を落とした「百襲姫」の伝承のもとになった人女性なのかもしれません。普通なら、このモモソとヤノハが強い友情で結ばれ、といった筋立てが想定されるのですが、本シリーズの場合は、そうではなく、モモソと親しくなっておいて、彼女に「ヤノハは天照の声が聞こえる」と嘘を告げさせ、戦士から巫女の身分に成り上がって、戦死することから逃れようと画策します。

ところが、霊力をパワーアップしたモモソが神がかりし、

ヤノハの嘘を見抜いたところから、ヤノハの運命は大きく変わっていき・・・という展開ですね。

【レビュアーから一言】

「日向」の巫女の娘として、神がかりの様子とかを間近で見ていたり、戦乱の中でもまれていたせいか、主人公の「ヤノハ」は博識で、かなりしたたたかな、娘として描かれています。巫女としては優秀ではあるが初な「モモソ」に「ホオリ」という男性兵士を世話したり、「モモソ」が男性と密通していない証をたてるための儀式、毒蛇をいれた壺に手を入れて咬まれなければ潔白を証明したことになる「盟神探湯」で、炭の煙から抽出した「木酢液」を塗っておけば咬まれないという方法を教えたり、とかなりの策士ぶりを発揮することになりますね。このあたり、「ヤノハ」が後の卑弥呼となるにしても単なる「巫女」ではないところを見せてます。

市役所の臨時出張所が臨時探偵事務所? ー 西澤保彦「腕貫探偵」

ミステリーの探偵役というと、かなり太ったグルメであるとか、くたびれたコートを来ている中年男、あるいは美貌の女性といった感じで、良きにつけ悪しきにつけ、とても特徴のある人物であることが通例なんであるが、今回登場する探偵は、腕貫をした公務員らしい公務員という「特徴のない」ことが特徴のような人物。そして、不定期に、街のどこかに臨時開設される市役所の「臨時出張所」で、来訪者から持ちかけられる不思議な出来事に潜んだ謎を解くといった展開の、風変わりな「アームチェア・ディクティティブ」ものがこの「腕貫探偵」シリーズである。

【収録と注目ポイント】

収録は

「腕貫探偵登場」
「恋よりほかに死するものなし」
「ばかし合い、愛し合い」
「喪失の扉」
「すべてひとりで死ぬ女」
「スクランブル・カンパニィ」
「明日を覗く窓」

となっていて、シリーズの開幕となる「腕貫探偵登場」では、櫃洗大学の事務室に「市民サーヴィス臨時出張所」が突然オープンしているところにでくわすところからスタート。そこで、第一話の相談者・蘇甲純也は、親から頼まれた在籍証明書を取得しに来たついでに、その相談所に座っている市役所職員らしい男に、彼が出来わした知り合いが殺された事件の相談をもちかける。それは、酒に酔って帰宅途中に、純也が同じマンションの顔見知りの男が公園で倒れているのを目撃し、警察へ通報するのだが、ちょっと目を話したすきに姿を消してしまう。彼が悪戯で警察を呼んだと疑われ、マンションに帰ってみると、その顔道知りがマンションの自室の玄関で死んでいるのが発見され、といった筋立て。この話を効いた「腕貫」の市役所職員は、現場に行くこともなく、事件の推理を語り始めるのだが・・・といった展開です。そして、相談時間が経過して、その窓口から追い出された純也は、自らその推理に従って事件を追っていくと、なんと推理通りの仕立てで・・・、という展開ですね。

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SNSマーケティングの肝を学ぶ ー 飯高悠太「僕らはSNSでモノを買う」(Discover)

最近は小さな企業でも、営業担当の中にWeb担当をおいていることが多いのだが、いざ自分がその役目をすることになると、SNS全盛期とは知っているし、時分でもSNSはやるけそ、どうやって営業に結びつけていいのかわからない、上司から「若い君なら簡単にできるよ」と社内のネットの広報の担当者にされたのだが、自分の私的なことならまだしも企業のPRなんてどうやったらいいんだ、と途方にくれている人もあるのでは。

そんなあなたに、IT企業の営業から新規事業やサービスの立ち上げ、SNSメディアの運営など、ネットワークを使ったマーケティングの世界でビジネス経験を積み、数々の業績を上げてきた筆者が、SNSによるマーケティングについてアドバイスしてくれるのが『飯高悠太「僕らはSNSでモノを買う」(Discover) SNSマーケティングの「新法則」』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

第1部 僕たちのメッセージはどうすれば届くーSNS活用編
 1 SNSでモノが売れるの!?
 2 企業はSNSでガンガン宣伝すればいい
 3 じゃあ、企業アカウントで、何をすればいいの?
 4 UGCはなぜ大事?
 5 最終ゴールはフォロワーを増やすこと?
 6 まぜアカウント運用だけじゃダメなのか
 7 つまりバズらせればいいということ?
 8 SNSで売り上げを出しやすい商品、出しにくいショウビン
 9 SNS時代の購買はULAASSになる
 10 ULSSASを回すポイント① スモール・ストロング・タイの法則
 11 ULSSASを回すポイント② UGCを発生させる仕掛け
 12 Twitter以外のSNSマーケティング
 13 炎上はどう防ぐ?
第2部 僕たちのメッセージはどのようにつくればいい?-コンテンツ活用編
 1 UGCが発生しないときこそコンテンツマーケティング
 2 どうしてコンテンツマーケティングが注目されているの?
 3 まだPVで消耗してるの?
 4 誰のどんな悩みを解決するの
 5 ユーザーはどんな人?
 6 メディアは量なのか?質なのか?
 7 コンテンツって、そんなにたくさん作れるもの?
 8 どの数字をチェックすればいいの?
 9 マーケターにとって一番大事な考え方

となっていて、Webマーケターである筆者の分身の「飯高悠太」と、インテリアメーカーのマーケティング担当でWeb担当になったばかりの新人「浅野大輔」、接客指導をメインとする会社で働いた後、今は接客指導の研修講師をしている「木下奈美」の三人が自分の仕事上の悩みを筆者に打ち明け、相談しながら、SNSマーケティングの基礎から応用、コンテンツづくりのコツまでアドバイスを受けていく、といった展開となっている。

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iPadのバレットジャーナル利用なら本書が必須 ー 五藤隆介・五藤晴菜「iPadオンリーなライフスタイル」

「iPad」は今でも進化を遂げてて、今回リリーズされるiPadOS13.5ではマウスが使えるようになった、とか。新しいMagicKeyboardと組み合わせるとMacbookのように使えるといった」ことが喧伝されるのだが、ハード面での進化を使いこなすための、ノウハウとかスキルのあたりをうまいこと解説したり、レクチャーしたりしてくれるガイド本というのは、iPadの初心者向けに機能やアプリの網羅的な紹介をしてくれるものは多いのだが、例えばiPadを書籍やファイルを扱う端末として使いたいときとか、ノートとして使いたい場合など、ちょっと凝った使い方をしようと考えた時には、意外に少ないのが現実。

もちろん、そういう使い方をしている人を探してネットを彷徨えばいいのだが、時間をかけるのも面倒。そんな人向けに「ごりゅご.com」の運営者である五藤隆介さんの奥さんの五藤春菜さんが、iPadのバレットジャーナル的な使い方から始まって、iPadを電子ノートとして使い倒すノウハウをアドバイスしてくれるのが本書『五藤隆介・五藤晴菜「iPadオンリーなライフスタイル」』である。

【構成と注目ポイント】

構成は

巻頭 iPadだけで仕事の8割を済ませる
Chapter1 15年使った手書きノートをすべてiPadに変更
      iPadでバレットジャーナルは過去に一度失敗していた
      GoodNote5の登場ででじたりバレットジャーナルができた
      Apple Pencil2の効果
      Macを触っている時間よりiPadを触る時間の方が多くなった
      (仕事でもプライベートでも)
      紙にはできない「検索」ができるのがiPadの良いところ
      (iPadは紙よりも便利になったと断言できる)
      デジタルならば写真が簡単に貼れる
      文房具を持ち歩かなくなったことが荷物が減った理由
      持ち運ぶ物がiPadだけになったから異動が身軽に
      ためて書くことが減った
      消せるし動かせることが便利
      ペラペラめくって探せる?
      アイデアはどこに保存する
      デイリーログには何を書いてる
      ノートに書くものと書かないものの違い
      失敗を治せるのがメリット
Chapter2 フローティングキーボードでキーボードを分割する
     ピンチジェスチャーでのコピペ
     メモアプリの手書き文字認識は動いていない?
     両手を使ったらもっと早い?
     iPadにマウスは必要か
Chapter3 欲しいデータをiPadからパパッと見つける
     NotabilityでPDFにしたWebページを管理
     Notabilityでセミナーを録音しながらメモを取る
     NotabilityでPDFの修正指示を確認
     標準のメモアプリは「メモの一時置き場」
     メモを移動させたりする?
     Spotlight検索を使えば大体のものは見つけられる
     すべてのファイルはiCloudに保存が基本

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鄭和はジャワにいたり、中国東北部での過去を語る ー 星野之宣「海帝 3」

コロンブス・マゼランといったヨーロッパの大航海時代の百年以上前、アジアの大国・明の三代皇帝・永楽帝から第五代・宣徳帝の時代にかけて、7回のわたって派遣された明の大艦隊の指揮をとって、アフリカまで到達した、異色の宦官「鄭和」の大航海を描いた「海帝」シリーズの第3弾。

【構成と注目ポイント】

構成は

第16話 爪哇(ジャワ)
第17話 商人
第18話 猿神
第19話 昆陽
第20話 邂逅
第21話 宦官
第22話 奪回
第23話 勝負手

となっていて、前半はマラッカ海峡の海賊とダイオウイカの襲撃を撃退して、現在のインドネシアの「爪哇(ジャワ)」へと至った、鄭和船団が描かれます。当時のこの地域は昔からの不刺頭という短刀を常備する土着民、

華僑、

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