鯨統一郎

ミステリー

平安初期の大乱の謎を、空海が解き明かす ー 鯨 統一郎「まんだら探偵空海 いろは歌に暗号」(祥伝社文庫)

歴史上の人物を主人公にしたミステリは数々あるのだが、宗教者を主人公にしたものは余り見かけたことがない。本作は珍しく「宗教者」、しかも日本の宗教史にその名を残した「空海」を主人公に、平安時代初期を舞台にした歴史ミステリである。 いろは歌に暗号...
ミステリー

昔話の本当の真相(?)に導かれる謎解きの数々 — 鯨統一郎「浦島太郎の真相 恐ろしい八つの真相」(光文社文庫)

アームチェア・ディクティブとしては、身体に障がいのある人とか、椅子とかの無生物というのものもあるのだが、本書の探偵役は筆者の得意とする、酒場でグダグダ話をする酔っ払いに囲まれた怜悧な美女というもので、どんなお姿なのか、想像する楽しみも増える...
ミステリー

一豊の妻・千枝の内助の功は「馬」だけではない — 鯨統一郎「山内一豊の妻の推理帖」(光文社文庫)

歴史ミステリーは、歴史的な有名人物がその才能を活かして市井の事件をバサバサと解決していくパターンと、現在には伝わっていない、歴史的事実の隠された姿を暴き出す、といった二つのパターンがあっるのだが、本作はその中間あたり。 内助の功で有名な、山...