2017-08

阿川佐和子

ビジネスの基本の「聞く」ということの真髄は? — 阿川佐和子「聞く力ー心を開く35のヒント」(文春文庫)

「今更」というおしかりの言葉を承知の上で、阿川佐和子さんの「聞く力」である。 すでに定評のある新書なので、あえて当方がレビューを、と思わないでもないのだが、新書というものは中には旬の時期が短いものがあって、当世の流行を解説したものはえてして...
仕事術

「食費バカ高世帯」への処方箋を仕事のオーバーフローに応用できる?

President Onlineで「「贅沢してない」食費バカ高世帯の常套句」という記事が掲載されている。 そこそこの収入がありながら赤字家計の世帯にアドバイスをするもので、食費がやけに高い家庭へのアドバイスがされているのだが、食費の高い家庭...
へうげもの

茶人大名の戦国絵巻〜北条氏滅亡から利休が捕らわれるまで — 山田芳裕「へうげもの 六服」(講談社文庫)

武人にして茶人である数寄大名・古田織部を描いたコミックの文庫版の第6巻。 時代は1590年6月下旬から1591年2月まで。 事件的にいうと戦国関東の雄・北条氏の滅亡から始まる。 その後、織田長益が出家して織田有楽斎となったり、利休の娘・お吟...
観光・地域活性化

「クール・ジャパン」は「夜郎自大」にならずクールな道を行くべき — 鴻上尚史「クール・ジャパン!?ー外国人が見たニッポン」(講談社現代新書)

最近、日本古来の伝統とか「職人の技」であるとかを手放しで礼賛するTV番組が増えてきていて、NHKのクールジャパンのMCでもある鴻上尚史氏の本なので、そういったノリであるのかな、と避けて通っていたのだが、実際は、そんな薄っぺらい「クールジャパ...
ビジネス

「学校と世間の常識」の呪縛から逃れる方法はいかに? — 堀江貴文「すべての教育は「洗脳」である」(光文社新書)

<br /> 数回続けて、堀江貴文氏の著作をレビューするのだが、いくつかの共通点、ダブっている所はあるのだが、「本音で生きる」から「多動力」へつながっていく著作の間をつなぐと思われるのがこの「すべての教育は「洗脳」である」であろうか。 構成...
心理学

私は「他者」のために存在しない。他者も「私」のために存在しない — 岸見一郎「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)

<br /> カウンセリング、心理学といえば、まずはフロイト、すこし変わったところでユングといったところがメジャーで、正直、岸見先生のアドラー本が出た初っ端は、一時の流行ものかなとも思っていたのだが、どうしてどうして、その人気が衰えない。さ...
トラベル

時は経過しても、「旅人の心」は変わらない — 下川裕治「シニアひとり旅 バックパッカーのすすめ アジア編」(平凡社)

思えば、海外の旅行記といえば、下川裕治氏のタイをはじめとしたバックパッカーの旅あたりからちょっと様相を変えてきている気がして、それまでの美食やら地元で出会う珍事件といったものが旅行記の中心であったものを、「ただ、滞在する」「そこでフツーに生...
コミック

やはり登場人物の多さと複雑さは変わらないな — 石ノ森正太郎「マンガ日本の歴史 22ー王法・仏法の破滅−応仁の乱」(中央公論新社)

久々の歴史書のベストセラーとなった呉座勇一氏の「応仁の乱」を買ってみたはいいのだが、登場人物の多さと人間関係・政治的関係の複雑さに目と脳が眩んでしまって、あえなく頓挫。 そんな折に、知人から勧められたのが、この「マンガ日本の歴史22ー王法・...
ビジネス

「調べる」ことの多様さと混沌 — 木村俊介「「調べる論」ーしつこさで壁を破った20人」(NHK出版新書)

世の中の「調べる」に従事している人へのインタビューの記録である。ただ、構成は 第1章 調査取材で、一次資料にあたる 「一次情報を、引いた視点で集めたくて」(フリーライター 鈴木智彦) 「選挙活動って、やっぱりいやなものでしたよね」(ジャーナ...
仕事術

最近珍しい「熱い」ビジネス本 — 金川顕教「すごい効率化」(KADOKAWA)

最近、効率的な仕事を目指すノウハウ本やビジネス本も、働き方改革の時代を反映してか、ソフィスティケートされたものが増えているようなのだが、こちらは 一般的に仕事ができる人というのは、孤独な人でもあるのです。やはり人よりも結果を出せるということ...