愛川晶 寄席は「落語」ばかりではないよ — 愛川 晶「高座の上の密室」(文春文庫) 東京の神楽坂の老舗寄席「神楽坂倶楽部」シリーズの第2弾。 寄席といえば、落語、噺家が中心となるのだが、寄席の演目はそればかりではない。手妻、大神楽と呼ばれる撥・傘の曲芸、漫談など「色物」と呼ばれる他の芸も豊富なのだが、タイたいていのところ、... 2017.01.20 愛川晶
愛川晶 現代娘「寄席」の経営者デビュー — 愛川 晶「神楽坂謎ばなし」(文藝春秋) 「神田紅梅亭」シリーズに続く「寄席」ものが、この「神楽坂倶楽部」シリーズ。発端は、神楽坂倶楽部の席亭の娘に生まれつつも、幼いころに、席亭の父と母が離婚したため、生き別れになっていた教育系出版社に勤務する「武上希美子」が、父の実家「神楽坂倶楽... 2017.01.18 愛川晶
愛川晶 いよいよ馬春師匠の復帰独演会なのだが・・・ — 愛川 晶「三題噺 示現流幽霊」(創元推理文庫) 紅梅亭シリーズも4作目となり、そろそろ馬春師匠の復帰や福の助の真打ち昇格はどうなるんだ、と今後の展開に催促をしそうなあたりである。 収録は 多賀谷 三題噺 示現流幽霊 鍋屋敷の怪 特別編(過去) の4編。 冒頭の「多賀谷」は、馬春師匠の復帰... 2017.01.14 愛川晶
愛川晶 紅梅亭シリーズの円熟味がますます — 愛川 晶「うまや怪談」(創元推理文庫) 二つ目落語家の寿笑亭福の助とその奥さんの亮子さんをワトソン役に、その元師匠の山桜亭馬春をホームズ役にした紅梅亭シリーズも三作目となって、かなりこなれて、円熟味がでようというもの。 収録は ねずみととらとねこ うまや怪談 宮戸川四丁目 の3編... 2017.01.13 愛川晶
大崎梢 出版社営業という馴染み薄い職業の持つ面白さ — 大崎 梢「平台がおまちかね」(創元推理文庫) ひと頃、書店ないしは書店員の内幕的なことが流行ったことがあったのだが、月日と流行の過ぎるのは早いもので、書店より校閲という地味なのに妙に華やかな女優さんを使ったドラマが人気を博したばかり。 「平台がおまちかね」はそのどちらにも属さない、出版... 2017.01.10 大崎梢
ミステリー 学校図書室という閉鎖空間での”ほのぼの”する謎解き人情話 — 竹内 真「図書室のキリギリス」(双葉文庫) 学校の図書室っていうのは町の図書館と違って、その学校の教職員、生徒の利用がほとんどということで、ミステリーの舞台としては学園モノが中心となる。 この「図書館とキリギリス」もそういう側面をもってはいるのだが、主人公の「高良詩織」の前任者である... 2017.01.02 ミステリー
大崎梢 中学生二人、村祭りで迷宮入り事件を解決 ー 大崎 梢「ねずみ石」(光文社) 「片耳うさぎ」と同じく、数は少ないと思われる、大崎 梢のジュブナイル。 彼女のジュブナイルの良さは、少年少女向けとは銘打っているから、主人公や協力者などは中学生ないしは小学生の少年・少女であるところは押さえておいて、筋立てや謎解きはしっかり... 2016.09.26 大崎梢
大崎梢 女子小学生”奈都”が旧家の謎を解く — 大崎 梢「片耳うさぎ」(光文社) 「配達あかずきん」など本屋の成風堂を舞台にした書店ミステリーで人気を博した著者のジュブナイルっぽい作品。とはいっても、つくりはしっかりしているので、そのあたりは大人のミステリーファンもご安心あれ。 発端は、父親の事業がうまくいかなくなって、... 2016.09.21 大崎梢
スポーツ 近藤史恵「キアズマ」(新潮社) 「キアズマ」とは染色体の交換が起こった部位をさす、といったことは本書の冒頭にあって、ちょっと面食らうのだが、どうやら「他者との交流」とか「人と人との接点」といったことと考えればよいらしい。 で、本書は近藤史恵のライフワークっぽくなってきた「... 2016.06.28 スポーツ近藤史恵
ミステリー ミステリーを古典落語とともに(第2弾)ー 愛川 晶「芝浜謎噺」(創元推理文庫) 中堅落語家の寿笑亭福の助と、その奥さんの亮子さんをワトソン役に、ホームズ役に福の助の元師匠で病気療養中の山桜亭馬春をすえての、落語ミステリーの第二弾である。 収録は 野ざらし死体遺棄事件 芝浜謎噺 試酒試 の三作で、下敷きの落語はかなりの名... 2016.05.03 ミステリー