愛川晶 落語フリークのミステリーここにあり — 愛川 晶「神田紅梅亭寄席物帳 道具屋殺人事件」(創元推理文庫) <br /><br /> 落語がテーマで、主人公ないしは主要人物が落語家というミステリーといえば、北村薫の「わたしと円紫さん」シリーズが... 2016.03.19 愛川晶
ミステリー 少女マンガ的な味わいのミステリー — 森福 都「ご近所美術館」(創元推理文庫) 美術館ミステリーといえば、美術品の贋作話や、盗難といったことにまつわるものが多いのだが、一時は売れたが今は忘れられている漫画家の記念館的美術館が舞台とあって、そうした定番美術館見ミステリーとは程遠いのが本書。 登場人物は、その美術館(西園寺... 2016.03.13 ミステリー
森谷明子 秋葉図書館の人間模様 ー 森谷明子「花野に眠る」(東京創元社) <br /><br /> 東京の郊外、秋葉市の秋葉図書館を舞台にした図書館ミステリーの第2弾。 今回の構成は 第一話 穀雨 第二話 芒種 第三話 小暑 第四話 白露 第五話 寒露 となっていて、それぞれが独立した話で秋葉図書館の... 2016.03.10 森谷明子
近藤史恵 下町のレストラン・ミステリー その2 — 近藤史恵「ヴァン・ショーをあなたに」(創元推理文庫) <br /><br /> レストランものミステリーが発展展開していくのに難しいのは、その場所の限界にもある。というのも、レストランという限られた場所・登場人物に縛られて、どうしてもその幅が拡充しないということあるからだ。この「ビ... 2016.02.26 近藤史恵
近藤史恵 下町のレストラン・ミステリー — 近藤史恵「タルト・タタンの夢」(創元社推理文庫) <br /><br /> 美食モノのミステリーといえば、ネオ・ウルフものとかがあるのだが、レストランを舞台にした連作ミステリーというのは、場所が固定されているし、登場人物も之押されがちということで結構難しいものだと思うのだが、そ... 2016.02.23 近藤史恵
ミステリー 少年の推理モノと成長物語として読むべきか — 西條奈加「無花果の実のなるころに」(創元推理文庫) 最近、ライトなミステリーを続けて読んでいるのだが、何よりもその魅力は憂き世の辛いことや陰惨なことからちょっと目をそらして、ほんわかとした謎解きに遊んで、一時、心を休ませることができること。 この「無花果の実のなるころに」も、中学生の「望(の... 2016.02.21 ミステリー西條奈加
ミステリー とてもライトな女子高生ミステリー — 谷原秋桜子「天使が開けた密室」(創元推理文庫) ミステリーの風合いにはいろいろあるのだが、どことなく食わず嫌いがあって、手にとってはみるものの読むところまでいかなかったのが、本書のような、ライトノベル系のミステリー。どこが気に食わなくてというわけではないのだが、どことなくふわふわして地に... 2016.02.20 ミステリー
近藤史恵 ”自転車ロードレース”は戦略ゲームと捉えるべきか? — 近藤史恵「エデン」(新潮文庫) 前作「サクリファイス」で、日本ではあまり馴染みの無い「自転車ロードレース」というスポーツの世界を描き出されたのだが、本書は「サクリファイス」の主人公であった「白石 誓」の続編。 「サクリファイス」の最後の方で、スペインのチームからスカウトが... 2016.02.08 近藤史恵
近藤史恵 ”アシスト”という生き方 — 近藤史恵「サクリファイス」(新潮文庫) もっぱら「モップの魔女」シリーズや「フレンチ・レストラン ビストロ・ド・マル」シリーズが中心で、何やら気が滅入りそうな気がして、自転車ロードレースのシリーズは食わず嫌いであったのだが、「食わず嫌い」の例にもれず、読んでみるとあっという間に引... 2016.02.07 近藤史恵
柴田よしき 若き女性の鉄道”旅”ミステリー — 柴田よしき「夢より短い旅の果て」(角川文庫) <br /><br /><br /> 鉄道ミステリーといえば、時刻表片手にあれこれ乗り換えの可能性であるとか、列車のすれ違いの時間差であるとか、やけに細かなアリバイとそれを崩す刑事たちの捜査が中心とな... 2016.01.30 柴田よしき