「春のをどり」の千秋楽、足をねん挫した「すみれ」はどうする=「舞妓さんちのまかないさん」16~19

一流の舞妓となることを目指して、青森から京都へやってきた「すーちゃん」こと「すみれ」と舞妓さんたちに日々の食事を出し、掃除洗濯など屋形を支える「まかないさん」となった「キヨ」の頑張る毎日が描かれる『小山愛子「舞妓さんちのまかないさん」(小学館)』シリーズの第16弾から第19弾。

前巻までで、故郷にいた健太が、怪我によって野球を断念し、京都でシェフ見習いを始めたところで、仲の良かった三人が再び京都に集まり、それぞれの目指す方向へ進んでいくとともに、恋バナが蘇ってくるのがこのタームです。

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あらすじと注目ポイント

第16巻 すみれ、キヨ、健太は故郷で里帰りして何を思う・・

第16巻の収録は

第163話 忘れものと里帰り
第164話 またあとで
第165話 マフラーのご利益
第166話 3人並び
第167話 キヨとばあちゃん
第168話 健太と姉ちゃん
第169話 すみれと母さん
第170話 ばあちゃんと3人
第171話 おこたで一緒に
第172話 初詣と同級生
第173話 危険な遊び
番外編 まかないさんの一日

となっていて、今巻は大晦日から正月にかけての帰郷篇となっています。

偶然にも同じ新幹線で帰郷することになった三人の姿をご覧くださいな。

そして帰った故郷では、高校を中退して料理人修行を始めてしまった健太や、母親の反対を押し切って舞妓修行を始めてしまったすみれ、そのすみれに随行する形で故郷に祖母を残してまかないさんになったキヨ、とそれぞれの家族模様が展開されています。

ちなみに、この巻で初めて、健太のお姉さんが登場してきているのですが、荒っぽい女性ながら、健太の一番の理解者でもありますね。

さらに、すみれは初詣で中学生のときの同級生と出会い、すみれ・キヨ・健太の三人が、彼女たちの境遇とかなりかけ離れてところまで到達してしまったことに気づくのですが・・といった展開です。

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第17巻 すみれは「奨励賞」を受賞し、売れっ子の階段をさらに登る

第17巻の収録は

第174話 また、いつでも
第175話 すごい人
第176話 川の向こうに
第177話 好きな人
第178話 おかしな子
第179話 忘れ物
第180話 ふたつだけ
第181話 バトンタッチ
第182話 いつもそこには
第183話 ヒーロー見参
第184話 それぞれの場所で

となっていて、「すみれ」こと舞妓の百はなは「奨励賞」を受賞して、ますます売れっ子の階段を登っていこうとしています。彼女の努力の凄さは、百はなの姉さん芸妓の「百子」も感心しているのですが、健太への恋心をぐっと抑えながら、芸事に精進する彼女の姿には何か脆さを感じてしまうのは私だけでしょうか?

そして、馴染みの旦那衆と、健太の勤務する洋食屋に食事に訪れた百子姉さんが忘れてしまったスマホのお届けに、キヨと健太が大奮闘します。キヨが乗ってきたタクシーが帰ってしまい、残る1マイルを健太がチャリで爆走して届けるといった筋立てなのですが、根本原因はキヨも健太もほとんどお小遣いを持っていない、というところにありますね。

まあ、このお陰で、すみれは、キヨと健太とのつながりを再確認できたのですから「良し」としましょうか。

Bitly

第18巻 健太はシェフ修行に頑張るが、なかなか前途多難です。

第18巻の収録は

第185話 お鍋と
第186話 ハートの形
第187話 元気の出る場所
第188話 ぬくぬくとフワフワ
第189話 冬の景色
第190話 先輩と新人
第191話 百はなとすみれ
第192話 ごはんの力
第193話 ついでに
第194話 本気
第195話 それぞれの春

となっていて、前半では、お稽古に精出す「すみれ」たち舞妓を料理で支える「キヨ」の姿が描かれます。とりわけ、つる駒はお稽古でうまく踊れず意気消沈な毎日のようですが、キヨのつくった「金柑ジャムバタートースト」に救われているようです。渋みがちょっとあって金柑の風味の漂う大人向けな一品ですね。

一方、健太のほうは厨房修行にいそしんでいるのですが、まだ慣れないせいか失敗続きですね。そこに先輩シェフの厳しい叱責がかぶさるのですが、実は意外にも健太のことを可愛がっていて・・と言う筋立てです。

まあ、このお店は厳しいながらも、皆が健太のことを気遣ってくれているので、無口なために誤解されがちな彼も安心してシェフ修行ができそうです。

後半部分では、野球への未練が捨てきれない健太に対し、先輩のキツーイ一言が浴びせられます。健太が有望な高校球児だったことに嫉妬しての発言というより、料理の道に入ったからにはそれに打ち込めという励ましと考えておきましょう。

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第19巻 「春のをどり」の千秋楽、足をねん挫した「すみれ」の行動は・・

第19巻の収録は

第196話 個別の時
第197話 今年の主役
第198話 春を呼ぶ
第199話 2人のお茶席
第200話 千秋楽
第201話 母と娘
第202話 背中を押す人
第203話 理由
第204話 おおきに
第205話 間違ってない
第206話 舞台裏は

となっていて、前半は「春のをどり」の真っ最中で、屋形の舞妓たちもそれぞれに忙しく、舞台やお座敷に駆り出されているのですが、「すみれ」こと「百はな」の評判は姉さん芸妓の「百子」と一緒にうなぎ登りのようですね。

千秋楽に向けて、悔いのない踊りを披露しようと自分にムチを入れる「百はな」だったのですが、ここで思わぬ伏兵にやられます。千秋楽の舞台に行く麻、観光客とぶつかって足を挫いたのですがそれを隠して舞台に立って、怪我を悪化させています。

「百はな」の足の捻挫を知った「市」のおかあさんから、これ以上舞台やお座敷に出るのを制止され、意気消沈する「百はな」だったのですが、その様子をみた「百子」姉さんは、「すみれ」の最大の応援団である二人に「百はな」の怪我のことを報せます。それを聞いた二人のとった行動は・・というところで詳細は原書で。二人が「すみれ」の舞台へのこだわりを応援したわけは205話でうかがい知ることができます。

そして、最後半では、料理の道を改めて志すことを決意した健太の様子を見て、先輩の健太への呼び名が「新人」から「中渡」に変わっていってます。先輩のしごきは変わってないですが、健太も一歩成長したようです。

Bitly

レビュアーの一言

第18巻では、健太やキヨが通っている銭湯で、湯上りに「ビン牛乳」を注文するシーンが登場するのですが、昭和30年代あたりに起源があるようです。当時、家の中にお風呂のない家庭も多く、銭湯が全盛期だったのですが、そこには一般家庭ではまだ珍しかった、最新鋭の「冷蔵庫」が置かれていました。これに目をつけた牛乳メーカーが売り込んだことがきっかけで、今の「銭湯の湯上りには牛乳」という環境になったようですね。

ちなみに、牛乳と並ぶ「銭湯」の定番「コーヒー牛乳」も昭和30年代に銭湯の風呂あがりメニューに登場していて、入湯料15円から19円とほぼ同じ値段だったようです。当時、コーヒーは一杯50円していたので、お得な「贅沢」といったところだったのかもしれません。

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