仕込みさんの「理子」もデビュー。その陰で屋形を去る舞妓も・・=「舞妓さんちのまかないさん」20〜22

一流の舞妓となることを目指して、青森から京都へやってきた「すーちゃん」こと「すみれ」と舞妓さんたちに日々の食事を出し、掃除洗濯など屋形を支える「まかないさん」となった「キヨ」の頑張る毎日が描かれる『小山愛子「舞妓さんちのまかないさん」(小学館)』シリーズの第20弾から第22弾。

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あらすじと注目ポイント

第20巻 仕込みさんの「理子」もいよいよ「店出し」です

第20巻の構成は

第207話 暑い日の謎解き
第208話 なまいき
第209話 あの頃とこれから
第210話 うちの屋形
第211話 変調
第212話 心配と安心
第213話 うるさいほうが
第214話 幼馴染と舞妓さん
第215話 あこがれ
第216話 恋心
第217話 とっておきの魔法

となっていて、前半では、なかなか店出しのお許しがでず、焦り始めている仕込みさんの「理子」の様子が描かれます。「仕込みさん」の期間は10ヶ月間から1年というところのようですが、舞の上達具合や「屋形」の方針などで違いがでるんでしょうね。そして、ようやく店出しが決まり、自分のことのようにアタフタしている「つる駒」の姿が描かれます。

中ほどでは、夏風邪をひいてしまい寝込んでいる健太のもとへ、お座敷が入ってこられない「すみれ」に代わって、キヨが看病にやってきます。ここらでは青森時代の回想が混じってくるのですが、「すみれ」の恋心に少し雲がかかってきそうな気配がでているのが気にかかります。

そして、最後半では、理子こと「駒えみ」の店出しの日がやってきます。彼女も親の反対を押し切って、この世界に入ってきたらしいのですが、理子の母親の心配も、キヨと彼女の出すウィンナコーヒーに再会して、溶けていっているようです。

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第21巻 三人ばらばらのお盆休暇の過ごし方は?

第21巻の構成は

第218話 この街で一緒に
第219話 ちょっと変わった屋形
第220話 百はなの問題
第221話 いつもと違う夏休み
第222話 百はなの育て方
第223話 ふたりの朝ごはん
第224話 思い出す夏の日
第225話 同じ目線で
第226話 ばあちゃんとの夏休み
第227話 今も、あの頃も
第228話 となりで

となっていて、第219話では、他の屋形の舞妓ちゃんが、そこの屋形のまかないさんの都合が悪くなったため、急遽お昼ごはんをよばれにやってきます。突然の二人分の食事追加に慌てずに用意するのが「キヨ」のおおらかさなのですが、それ以上に他の屋形の舞妓がびっくりしたのが、「市」の屋形の自由さのようですね。まあ、それに大きく貢献しているのは「キヨ」ちゃんですけどね。

そして季節は夏に移り、お盆休みを迎えています。いつもなら、「すみれ」も「キヨ」と一緒に帰省するところなのですが、今回は姉さん芸者の「百子」さんのお誘いで、二人で夏合宿とのこと。

実は、健太が風邪をひいて寝込んでしまったあたりから、「すみれ」の踊りに変調がおきていて、その原因は、健太に恋心を抱いている「すみれ」を、舞妓の「百はな」の時は一所懸命押し殺そうとしているらしいことを見抜いた「百子」が仕込んだものですね。そして、「百子」の夏合宿の内容はなんと・・というところは原書でどうぞ。

そして、「すみれ」が京都に居残ったため、健太も京都でお盆を過ごし、「キヨ」ちゃんだけが青森へと帰郷します。

健太は、頭に考え事が居座ってしまった時の対処法を。洋食店の先輩に教わっていますし、キヨのほうはひざびさにばあちゃんと過しています。「すみれ」と「健太」から、「キヨ」を故郷でのんびりさせてやってくれという伝言がそれぞれから入っていたようですが、キヨが一番のんびりできるのはばあちゃんと料理を作っている時のようですね。

Bitly

第22巻 舞妓の道を断念した屋形の娘が遺した傷とは・・

第22巻の構成は

第229話 屋形の記憶
第230話 この場所で
第231話 すごい姉さん
第232話 あったまる想い
第233話 お姉さんになる日
第234話 湯たんぽとむき栗と
第235話 「いってきます」
第236話 責任
第237話 大人になっても
第238話 母の悩み
第239話 帰ってくる場所

となっていて、第229話では、屋形の建具替えで忙しくしている中、手伝いにやってきた男衆の「お兄さん」から、市のおかあさんが元はここの舞妓だったこと、そして仲の良い舞妓仲間がいたことが知らされます。このあたりの昔話は次巻以降で明らかになりそうですね。

第231話では、舞妓ちゃんデビューして張り切っている、「理子」こと「駒えみ」なのですが、姉さん舞妓の「めがねさん姉さん」こと「つる駒」のドジな評判を聞いて彼女にツンケンしてしまう毎日です。しかし、あるお座敷で踊りを失敗しそうになったとき、「つる駒」のとっさの助けが入り・・ということで、「つる駒」を見直こととなります。

同じようなことは健太にも起きていて、勤めている洋食店「レストランしらさぎ」に、先輩から美味しいと聞いてやってきや修学旅行生のサーブをして、あらためて料理にやる気を出しています。

中盤部分では、「百はな」の”まげ替え”で髪型が「割れしのぶ」から「おふく」に替わり、だんだんと「芸妓」への道を歩んでいる姿が描かれます。

その一方で、芸妓にはならず、花街から引退する女の子の姿も描かれています。15歳で入門した舞妓の世界を離れ、20歳ごろなって、全く違う新たな道に踏み出すわけで、彼女を見送る「おかあさん」と「キヨ」「つる駒」の目線が暖かいながらも心配そうですね。

そして、この引退は、芸妓の「百子」さんや、「屋形」の「おかあさん」にもなにやら傷を残しているようなのですが、ここで頼りにされるのは「キヨ」ちゃんのようです。

少しネタバレしておくと、「百子」さんの出身の屋形が、この「市」であるらしいことが最終話でほのめかされるのですが、彼女はお忍びでは来たことがあっても、「事始め」といった正式な行事の時には訪問してきたことがないようです。そのあたりの理由は次巻で明らかになるようですね。

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レビュアーの一言

今回、舞妓を辞めて屋形「市」を出て故郷へ帰る女の子に対して、キヨが作って持たせたのがカツサンドです。今まで、舞妓さんの昼食や小腹が空いたときにつまむ用に作っていたのが1/4か1/8サイズの舞妓さんのおちょぼ口で食べても紅がとれない大きさだったのですが、彼女に渡したのが「普通サイズ」というのも、キヨちゃんの心遣いを感じるところです。

おそらく、舞芸妓や花街という別世界から、彼女を「日常」の暮らしへ還す特別の食べ物のような感じさえします。

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