グルメ

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古風なグルメ本も良いものだ — 丸谷才一「食通知ったかぶり」(文春文庫)

少し前に、Kindle日替わりセールにエントリーされていて、かなり前の出版なのだがなー、思ったのが再読のきっかけ。初出掲載誌をみると、昭和48年(1973年)から昭和50年(1975年)にかけてなので、ほぼ40年まえのグルメ本ではある。 構...
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缶詰は意外に侮りがたいものの象徴であるか ー 『日本全国「ローカル缶詰」驚きの逸品36』(講談社+α文庫)

美食もの、食い物本は数々あるが、本書のように「缶詰」のみを取り上げたものは見当たらないといっていい。 取り上げられている缶詰は むきそば、またぎ汁、極上いちご汁、本格鯖、がめ煮、タコライス、ふくちり、つぶ水煮、金目鯛、炙りビントロオリーブ油...
今 柊二

食べ物で知る「今」と「昔」の隔たり ー 今柊二「定食と文学」(本の雑誌社)

文学の主要テーマは、恋愛(SEX)、諍い(戦争)、食べ物で大概のものは分類できると思うのだが、今回の定食シリーズは「文学」の中の「定食」を取り上げようという乱暴なもの。 構成は 第一章 二大定食作家 林芙美子と獅子文六  コラム 林芙美子と...
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中村安希「食べる」

「インパラの朝」という、最近は珍しかった世界放浪の旅、それもアジアだけでなく、アフリカのほぼ全域を含んでいる旅の記録について、このブログでもレビューをしたのだが、その筆者の、今回は食べ物の放浪記である。 構成は 食べる前に 第1話 インジェ...
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燻製本を買ってみたー燻製道士「男の手作り燻製」(世界文化社)

夏頃にちょっとやってみた燻製であるのだが、燻製道士さんの「男の手作り燻製ー自慢の肴で今宵も一杯ー」がKindleの日替わりセールになっていたので、買ってみた。 燻製道士さんの燻製のレシピや燻製修行の数々は、氏のブログ「燻製記」-燻製の作り方...
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向笠千恵子「すきやき通」(平凡社新書)

料理の栄華盛衰というのはあるようで、その中でもアップダウンの厳しいのは、肉料理であるのかもしれない。例えば、牛肉のスステーキなんていうのは、当方が子供の頃は、どうかするとアメリカ映画の中の出来事であったものが、いつのまにか日常のものになり、...
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山暮らしの荒々しい魅力 ー 小泉武夫「猟師の肉は腐らない」(新潮社)

6月から7月にかけて、狩猟について集中的に読んできたのだが、いわゆる「有害鳥獣駆除」の課題とかネックといったことも見聞きし、いわゆる「猟師本」にも、そろそろ飽いてきた気配もある。そんなこんなで、純粋な「猟師本」とはいえないが、その周縁部にあ...
西川治

「肉」の次は「酒」 ー 西川 治「世界ぐるっとほろ酔い紀行」(新潮文庫)

肉の次は何、となるとそこはやはり「酒」となるのが世の習いで、先の「世界ぐるっと肉食紀行」の続きとして、西川 治「世界ぐるっとほろ酔い紀行」(新潮文庫)をとりあげよう。 「酒」をとりあげる場合、どうかすると「酒」単体をとりあげるものが多くて、...
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日本は広い、獣肉も様々ー田中康弘「日本人は、どんな肉を喰ってきたのか」

マタギ本をいろいろとレビューしてきたのだが、今回はマタギをはじめとした「猟師」たちがどんな肉を食べていたのか、といったことを取り上げた田中康弘「日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?」をレビュー。構成は肉を食べに南へ北へ第1章 南の島のカマイ...
今 柊二

「言葉」化が難しい焼き肉の魅力を、あえて「文章」にすると ー 今 柊二「がんがん焼肉 もりもりホルモン」(ちくま文庫)

最近、狩猟系の調べ物をしていて、そのせいでもないのだが、食べ物系の読み物は「肉」が多くなっていて、今回は、今 柊二「がんがん焼肉 もりもりホルモン」を取り上げる。   構成は 「元気」大爆発だ! まえがき 第一部 関東モツ肉道 第二部 全国...