仕事のスピードが上がらないのは「オフィス中心」の「持ち帰り意識」が原因?

先だってレビューしたグジバナ氏の「世界一速く結果を出す人は、んぜメールを使わないのか」の一節に

 

仕事を「持ち帰る」といつまでたっても終わりません。どうしてもその場で解決できないときでも、「今その場でわかること」「今返事できること」を見つけて少しでも進めておくべきです

 

テクノロジーでできることが増えた今、大抵のことはどこにいてもできます。ささいなことで「持ち帰って」いては時間をとるばかりです。

「会社が自分のオフィス」ではなく、「今、自分がいるところがオフィス」という意識をもって、「今この瞬間」で終わらせようという意識が大事なのではないかと思います。そのために使えるツールは、たくさんあります。

 

メールはというのは持ち帰り文化です。いったん持ち帰って検討してから返事1をする。でも、チャットというのはリアルタイム・コミュニケーションです。その場で解決します。このスピード感の違いが、仕事の面で生きてきます 

 

といったところがある。

 

この「持ち帰り」の意識に、今の日本のワークスタイルが「オフィス」中心のピラミッド型の剛い組織で、そのために長時間通勤や単身赴任が減らない、そして「仕事のスピードがあがらない」原因があるように思えてきた。

 

グジバナ氏の提案するところは、その場で、自分の権限の範囲で、「決めれるものは決めてしまう」という仕事のスタイルで、これが仕事をするところの自由度を高め、仕事のスピードを上げていると思う。そして、その「根幹」は仕事のやり方が「オフィス中心」なのかそうでないか、というところであると思える。

 

なぜなら、現場での決定を行おうと思っても、オフィス中心、つまりは物理的なフェイス toフェイスでの意思決定(物理的に集合する会議や紙ベースを中心とした稟議システムがメインシステムだよね)を本筋とする形態では、必ず「本拠(オフィス、本社)」に物理的に帰ってオーソライズしないと正式決定にならないから、そもそも現場では仮の判断しかだせないということになりかねず、これは、グジバナ氏の提案するワークスタイルとはかなり遠いところにある。


もちろん、欧米とは違って、社員にそうそう大きな権限が与えられるというシステムではないから、社員が個人の判断でほとんどのビジネス判断を決めるということはムリであろうが、少なくとも、チャットであるとかの正式導入で「現場」で社内の判断を求めながら「決定する」ということツールの準備とそれを認める社内慣行の整備でかなり可能になるような気がする。

特にこれからAIやRPAの導入・普及で、人間による情報収集や前例確認、あるいは単純な事務作業は「人」が必要ない環境は進展していくであろうから、「人」の役割は「決定すること」に収斂してくるのは間違いない。「現場で決定する」というワークスタイルを、どうシームレスにつくっていくか、機械的な整備や働く上での意識面での整備を、真面目に考えないといけない時期であるように思えますね。


 

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