天然釣りビギナー女子の「釣り」と「魚料理」のお気楽な日々 ー 小池田マヤ「釣りとごはんと、恋は凪」(ぶんか社)

釣り

先だって、S系のソロ釣り女子の「おひ釣りさま」と、本当はインドア系女子高生が釣りの部活活動に巻き込まれて釣りを始めていく「放課後ていぼう部」と女性が主人公の「釣り漫画」をレビューしたのですが、今回とりあげるのは、釣り初心者の女性が主人公ながら、彼氏が釣り好きで、というアベック釣り漫画です。

【構成と注目ポイント】

第1巻の構成は
1品目 キスの天ぷら
2品目 カワハギ鍋と肝寿司
3品目 低温調理牛のタタキ風
4品目 ワカサギのかき揚げ丼
5品目 自家製アジの開き
6品目 カサゴの唐揚げ
7品目 のどぐろの煮つけと炙り丼
8品目 イナダのユッケ

第2巻の構成は
9品目 テナガエビのタイ風春雨
10品目 ニジマスバーガー
11品目 あさりラーメン
12品目 タチウオの蒲焼き串
13品目 ハルミチーズとブッラータ
14品目 アオリイカのゲソ天そば
15品目 フグ刺しとナマコ酢

となっていて、釣りの漫画であるとともに、釣った魚をどう美味しくいただくか、といったことがテーマとなっています。

主人公の蒲山ユキは、釣りのほうは完全なド素人で、釣り好きの彼氏に「釣りデート」に連れて行ってほしいのだが、なかなか誘ってくれません。そこで、自ら釣り船での釣りに挑戦したのだが、波をかぶったり、買ったばかりのNYハットは風に飛ばされ、と散々な目にあっているところを、親切な釣り女性釣り師に助けられます。
それをきっかけに、でかける釣り場でその女性によく出会い、釣りの指導を受けていくのですが、釣りの腕のほうは・・・という展開です。

なにせ、主人公は釣り船では

という感じで、船酔いがひどくて釣りどころではなかったり、こんな風に

「ボウズ」に黄昏れていたりして、才能ある釣り人とはいえません。

基本的に、巨大な魚との「闘い」であるとか、釣り人から逃れてきた「老獪な池の主」との勝負なんてのはまったくなく、おキラクーな釣り漫画なので、従来型の釣り漫画に馴染んだ人たちはちょっと戸惑ってしまうかもしれないですね。

しかし、戸惑いを払拭するのが、釣り上げた魚の調理と実食で
カワハギの肝寿司の

といった姿であったり、大量のワカサギの天ぷらを載せたワカサギ天丼や

タチウオに粉をつけてフライパンで焼いて、醤油・みりん・酒・砂糖と、頭と尻尾を一緒に煮込んだタレを絡めた「タチウオの蒲焼き串」

など、他の釣り漫画では、ほぼでてこない、旨そうな料理が目で味わえるといった楽しみは、このマンガならではであります。

このあたりは釣り漫画を読むのは「釣り」が好きな人だけでなく、アウトドア飯とかが好きな人も読むんだよ、というところを作者は心得ているようですね。

ちなみに「カバちゃんCooking」と題して、一話ごとに、題材となった魚の調理法が載っているので、さりげなく家人のそばに置いておいて、料理してもらうのを待つ、といった使い方もあるかもしれません。

がっつりとした釣り漫画は、ちょっとコアすぎて・・というライトなアウトドア・マンガ好きにオススメの品です。
おバカ系タレントに似た魅力のある主人公の「カバちゃん」もいいキャラですね。

【レビュアーから一言】

釣りとはちょっと違うところからレビューしてみましたが、

といった感じで、ちゃんと釣魚法も紹介されていますので、釣りビギナーは勉強も兼ねて読んでもいいかもしれません。

Bitly
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