最近流行の医療ドラマや医療コミックでも、脇役としての登場もなかなか少ない「薬剤師」にスポットをあて、市中の総合病院の調剤部門に勤務する、お団子にまとめた髪がトレードマークの若手新米薬剤師「葵」を主人公にした病院医療コミックの「アンサング・シンデレラ」シリーズの第5弾。
【構成と注目ポイント】
構成は
第21話 巨人の肩
第22話 星に願いを
第23話 果てなき地平
第24話 頼られる人
第25話 新しい戦場
となっていて、まず第21話では、院内薬局の大姉御・刈谷さんが迫力の活躍を見せます。その場面は、子供の鼻炎に自分に処方されている薬を分けているお父さんに言い負かされそうになっている「葵」の応援です。
刈谷さんが、薬を子供に分け与える怖さを納得させた話は一体・・。ということで詳細は本書で
第22話は、治療と病院を嫌っている男の子の真意を「葵」が解きほぐします。病院の七夕の行事も馬鹿にし、「葵」のことも嫌いだというのですが、彼が嫌いなのは本当は・・、といった筋立てで、ちょっとほっこりする話ではありますね。
第23話と第24話では、ドーピング問題がテーマとなります。前巻ででてきた在宅特化薬局の「笹の葉薬局」へ転職したことを決意した「小野塚」をみて、自分がどんな「薬剤師」になりたいのか心に迷いを感じている「葵」の前に、バスケットの有望選手で靭帯をいためて入院してきた中学三年生の女子生徒の服薬指導を受け持つことになります。
薬の説明をしようとする葵に対して、彼女はドーピングにひっかからないことが確認できるまで、薬は飲まないと主張するのですが、葵にはその知識はなく・・・、という展開です。
薬剤師には、アンチドーピング機構の研修と認定を受けたドーピング防止の背んもん知識をもつ認定薬剤師資格があるそうなのですが、この試験の受験を考えている同僚薬剤師・ハクこと羽倉の助けで、ドーピング問題を切り抜けます。
この体験で、彼女も将来の目標をおぼろげながら掴んだようなのですが、詳細は本書のほうで。
第25話から、葵は産休に入る先輩薬剤師のヘルプで、産科のほうも担当することになります。
産科の方は、基本的に意思疎通できる患者さんばかりなので、病院経営のほうからは難易度は高くない、と思われているようですが、お母さんがたは薬物治療というのは不安も多いハズなので、場合によっては若い「葵」には荷が重いかもしれません。その原因となりそうな女性も入院してきて・・といった展開ですね。
【レビュアーから一言】
第23話のところで、「葵」が薬剤師を目指したきっかけが明らかになります。彼女の亡くなった母親が薬剤師で、母親へのあこがれから子供の頃から薬剤師を目指していたようですね。「薬剤師になること」が最終目標で努力してきたので、病院薬剤師になった段階で目標を見失っていて、典型的な「受験ロス」のようですね。さて、この元気娘はどこを目指していくのでしょうか。
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