桓騎は自らの悪名を利用して、李牧の趙軍を罠にかける=「キングダム」68

中国の春秋戦国時代の末期、戦国七雄と呼ばれる七カ国同士の攻防が続く中、中華統一を目指す秦王「嬴政」と、戦争孤児の下僕から、天下一の大将軍を目指す「信」が、ともにその夢の実現を目指していく歴史大スペクタクル『原泰久「キングダム」(ヤングジャンプコミックス)』の第68弾。

前巻で、李牧の天才的な策略による大包囲網を、桓騎が今までみたこともない布陣で突破する一方、一足先に突破した信と蒙恬たちは、桓騎軍の大はしご車「紅春」を持つ范善軍や砂鬼一族と合流して、趙国の北方の拠点・宜安城を攻め落としたのですが、ここに桓騎軍が合流し、趙の李牧軍への反撃を開始していきます。

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あらすじと注目ポイント

構成は

第736話 重要な城
第737話 趙入の結束
第738話 桓騎の首
第739話 城壁の上
第740話 結末の意味
第741話 最後の博打
第742話 李牧の首
第743話 誓い
第744話 雁門兵
第745話 決着の刻
第746話 欠落した才能

となっていて、冒頭では、信たち落城させた宜安城へ桓騎軍が入城しています。秦軍は、宜安城に残っている住民を人質にして時間をかせぐつもりのようですが、実は宜安城の住民の多くは近くの「肥下」という城に移されています。さらに河了貂が頼みとする「赤麗城」の秦軍は、住民によって毒をもられて無力化されていて、ここ宜安城は「絶海の孤島」状態にされてしまいます。

万一のために、ここまでの備えをしていた李牧は、孤城となった宜安城へ全軍をあげて進軍していきます。ところが、宜安城についてみると、すでに秦軍はもぬけの空。城内には、城下の住民の死体でつくったモニュメントに「肥下の惨劇を史に刻む」という桓騎ならではの虐殺予告が遺されています。

秦軍は、宜安城から、宜安城の住民のほとんどが避難している肥下城へむかったと考えた趙軍は、肥下にいる住民の虐殺を防ぐため、全軍をあげて肥下に向かい。といった筋立てです。

仮に桓騎が肥下の住民の大虐殺を敢行すれば、彼らの軍は趙国の全軍の怨嗟の的となり全滅必至なのですが、李牧側としても趙北部の住民をむざむざと秦軍の餌食にしてしまったということで、趙王室に対する北部の離反や反乱がおきかねません。なんとしても、桓騎軍の蛮行を止めねばと、てんでばらばらに肥下城へ急ぐ「李牧軍」の横手に出現したのはなんと・・という展開です。

少しネタバレしておくと、肥下城の住民を
桓騎が虐殺すると思い込み、趙軍が冷静な判断力を失って統率を失って、肥下城へと向かうことを想定した桓騎の作戦で、横っ腹から李牧を襲う奇策で、これによって李牧を守る部隊は総崩れの状態に陥ってしまうのですが、ここで崩れてしまわないのが、李牧の軍の強さですね。

後半部分では、李牧の危機を察知して引き換えしたカイネの部隊と桓騎軍の黒桜軍やゼノウ一家との死闘が始まります。李牧を斃すか斃されるかの迫力あるバトルの連続なのですが、李牧を守ろうとして倒れるカイネの救援にかけつける李牧の姿が凛々しいです。

レビュアーの一言

桓騎と王翦が趙国内に攻め込みながら、李牧率いる趙軍の前に、桓騎率いる秦軍が大敗した「肥下の戦い」が紀元前233年のことです。秦と趙が激しく争っていて、秦に匹敵する武力を有していた「楚」あたりが秦本国を脅かしてもいいのではと思われるのですが、連合軍を組織して秦を追い詰めた春申君が紀元前238年に暗殺された後、幽王が即位し、春申君の食客で、暗殺の黒幕だった李園が宰相となった混乱期でその力はなかったようですね。
この時期、趙の李牧が秦の侵攻軍を苦しめていて、秦の政王の中華統一戦争もかなり苦しい時期であったのですが、周辺諸国の政情不安に助けられた感じもありますね。

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