李牧の周到な策略の前に、秦六大将軍の一人・桓騎敗死=「キングダム」69

中国の春秋戦国時代の末期、戦国七雄と呼ばれる七カ国同士の攻防が続く中、中華統一を目指す秦王「嬴政」と、戦争孤児の下僕から、天下一の大将軍を目指す「信」が、ともにその夢の実現を目指していく歴史大スペクタクル『原泰久「キングダム」(ヤングジャンプコミックス)』の第69弾。

前巻までで趙北部の肥下城内に避難している住民たちを襲うとみせかけて、李牧を誘いこみ、残った兵で決死の奇襲に出た桓騎たち秦軍に対し、李牧率いる趙軍の反撃が始まります。

【スポンサードリンク】

あらすじと注目ポイント

構成は

第747話 お頭の伝言
第748話 オギコの勘
第749話 家族
第750話 首斬り桓騎
第751話 一秒の差
第752話 聖地へ
第753話 最後尾
第754話 享楽の時
第755話 運命の日
第756話 次の戦略
第757話 三晋の都

となっていて、冒頭では、桓騎たち秦軍の奇襲を受け囲まれながら反撃を試みる李牧軍に向かって、上和龍や虎白公の率いる趙の本軍が救援に駆けつけます。
桓騎の作戦は、李牧に肥下城へ焦って向かわせ、彼を守る兵士が少なくなったところを奇襲するというもので、李牧が秦軍の攻撃を耐えれば耐えるほど、大軍が深得ている趙軍には有利になります。

そこで、桓騎は残っている桓騎軍全軍をあげて李牧たちを殲滅しようと攻撃するのですが、李牧のたちの決死の守りは固く・・という展開です。
桓騎軍の黒桜、ゼノウたち有力な武将たちも次々と趙軍の攻撃で削られていきます。ところが、ここで信の飛信隊や蒙恬の楽華隊へむけて、桓騎の密命を帯びた「オギコ」が伝令としてやってきます。そこで、彼が伝えてきた桓騎の指令は砂鬼一族や摩論の兵を連れて「脱出しろ」というもので・・という筋立てです。

全軍をあげて李牧殲滅に向かう作戦をとりながら、形勢が不利になるとすばやく、桓騎本軍を囮にして、飛信隊や楽華隊の脱出する形をつくるという、二重三重に寝られた桓騎の作戦は見事というしかありません。

ここから、趙の大軍に取り囲まれて、「桓騎一家」の全滅覚悟の最後の戦闘が行われるのですが、その詳細は原書のほうで。
ここでは、全てに絶望し、敵兵の坑殺や城内殺しを行ってきたと思われていて、桓騎の心のうちを垣間見ることができます。
そして、李牧に向かって

互いに剣を手にしている限り、下の奴らの血を流し続けるだけで
お前らは絶対にどこにもたどり着かねぇ

と桓騎は告げるのですが、これは仲間を虐げられ続けていた桓騎からの李牧の「限界宣言」なのでしょうか。

少しネタバレをしておくと、この戦いで桓騎軍は敗北し、秦の趙侵攻を第一弾とする中華統一の動きはストップをかけられることになるのですが、趙軍のほうも一年をかけた戦略で秦の侵攻を阻止したものの上和龍や虎白公をはじめとする有力な武将や多くの兵士を失っていて、北部防衛の兵力はかなり減衰することとなります。

後半では、趙での大敗北によって各国の反秦の動きも活発化しています。秦から」遠い北方の燕と東方の斉こそ静観の状態ですが、韓、魏、楚の三国は反攻の動きを着々と進めています。
この動きに対し、今回の趙侵攻の作戦失敗を痛感した秦の軍師・昌平君は「韓」へと狙いを変えていきます。その下見のため派遣される使節団に信も参加することなり、新たな章へと進んでいきます。
この新章では、秦国の政治体制と軍制に大きな影響を与えた「韓非子」が登場してくるようですが、詳細は次巻以降で。

レビュアーの一言

秦の趙北部侵攻は、李牧の綿密な策略と準備の前にあえなく失敗してしまい、超国内における李牧の声望はますます高まることとなるのですが、ここで不安要素となってくるのが、宮廷内で女色にふける幽繆王と自分の権勢拡大しか興味のない宰相・郭開の存在です。
昌平君の新戦略では、韓侵攻とセットで、趙国内での「李牧失脚」という謀略戦も重要な一手として仕掛けられてくると思われます。

【スポンサードリンク】

【電子書籍比較】「まんが王国」のおすすめポイントを調べてみた
新型コロナウイルスの感染拡大がおきてから、一番利用者が伸びたのは、漫画の電子書籍サイトではないでしょうか。それ以来、電子書籍アプリは、書店系から出版社系まで数多くリリースされているのですが、今回は各種の比較サイトでベスト5にはいる「まんが王

コメント

タイトルとURLをコピーしました