高校生棋士「零」は死神と対局し、「二海堂」は名人に胸を借りる=羽海野チカ「3月のライオン」12〜13

両親と妹を交通事故で失い、プロ棋士に家に引き取られ、孤独を抱えながら成長し、中学生でプロ棋士となった少年「桐山零」を主人公に、彼が下町でもんじゃ焼き屋を経営する祖父とともに暮らす「あかり」「ひなた」「モモ」の三姉妹と出会い、さらに彼を取り巻く高校の元担任教師・林田や、同期のライバル・二海堂などの棋士仲間と接しながら成長していく、ハートフル将棋マンガのシリーズ『羽海野チカ「3月のライオン」(ジェッツコミックス)』の第12弾~第13弾。

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あらすじと注目ポイント

第12巻 強面の「藤本棋竜」の意外な夫婦愛と家族愛

第12巻の構成は

Chapter.115 およばれ
Chapter.116 忠実なる愛犬エリザベス物語
Chapter.117 薩摩編①
Chapter.118 薩摩編②
Chapter.119 薩摩編③
Chapter.120 薩摩編④
Chapter.121 ぼんぼりの灯る道①
Chapter.122 ぼんぼりの灯る道②
Chapter.123 ぼんぼりの灯る道③
Chapter.124 ぼんぼりの灯る道④
Chapter.125 ぼんぼりの灯る道⑤
Chapter.126 夏まつりの夜

となっていて、前巻で川本三姉妹の実父・誠次郎を撃退した後、冒頭では「ひなた」へのプロポーズを成就させるため、零は「あかり」とカップルになる相手を探しています。「ひなた」と仲良くなるために、まずは周辺環境づくりから始めたわけですね。
ここでピックアップされたのが、高校の先輩の野口や、元担任の林田あたりなのですが、それぞれに難があるようですね。

中盤の「薩摩編」では、藤本雷堂棋竜と土橋九段が対決する「棋竜戦」の第三局が行われる指宿へ、対局の立ち会いにやってきている零は、家族旅行も兼ねて川本三姉妹を同行しています。
勝負の行方は、あれこれと挑発してくる藤本棋竜に対し、まったく我関せずと長い対局に持ち込んでくる土橋九段の将棋バカぶりにかき乱され、藤本棋竜がとうとうタイトルを明け渡してしまいます。そのおかげで彼の意外な家族愛、夫婦愛を垣間見ることができますね。

後半の「ぼんぼりの灯る道」では、夏祭りが近づき、新しい売り物のアイデア出しに苦労している「ひなた」と、順位戦で相手の精力を吸い上げてしまう「死神」こと「滑川七段」と対局する「零」の姿が描かれます。
しれっとした顔をして、様々な奇手を繰り出してくる「滑川」をいかに「零」が撃退したか、を本署でご確認ください。

第13巻 二海堂は、名人・宗谷を追い詰める

第13巻の構成は

Chapter.127 遠い花火
Chapter.128 銀座
Chapter.129 風の2万空里①
Chapter.130 真夏の底
Chapter.131 風の2万空里②
Chapter.132 風の2万空里③
Chapter.133 風の2万空里④
Chapter.134 風の2万空里⑤
Chapter.135 風の2万空里⑥
Chapter.136 雨の匂い
Chapter.137 雨の匂い 河の匂い①
Chapter.138 雨の匂い 河の匂い②
Chapter.139 目の前に横たわるもの

となっていて、前半では、川本三姉妹の長姉「あかり」の恋心を抱いて、彼女の勤める銀座のバーにやってきた林田先生だったのですが、ここで島田八段と「恋の鞘当て」が展開されて言っています。

13巻の中盤の「風の2万空里」は、夏まっ盛りの8月に開催される新聞社主催の「東陽オープントーナメント」での零や二海堂たちの戦いが描かれます。
オープントーナメントとはいっても、名人の宗谷や土橋新棋竜、タイトルこそないものの宗谷名人を倒す最有力と言われている隈倉九段など錚々たるメンバーが参加する棋戦ですね。
このトーナメントで、二海堂は一回戦に勝ち残って宗谷名人と対局できることとなるのですが、残念ながら「零」は一回戦敗退です。
憧れの宗谷名人との対局で、自らの体力のリミットを超えて集中して指す二海堂は優勢のまま終盤へと突入するのですがそこで・・という展開です。

終盤の「雨の匂い 河の匂い」では弟が継いでいる実家の葬儀屋のサポートに駆り出される「滑川七段」と、後藤の妻の病状悪化で不倫関係が終わりそうになっている香子の姿が描かれています。

レビュアーの一言

前のタームまで陰鬱な風情を漂わせていた「ひなた」のイジメ問題や川本家に再来した「カッコー」のような実父問題といった雲が振り払われて、このタームは零のタイトル戦や順位戦を中心にしっかりと将棋を核にしたドラマ展開がされています。

ただ、私生活の平穏さとは反対に、零の勝率は平凡な感じがするので、これが次のタームでの課題となるのでしょうか。

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