ブックレビュー

トラベル

Nipponはいつの間にか住みにくいところになったようである — 下川裕治『「生き場」を探す日本人』(平凡社新書)

アジアを中心とした放浪・気ままな旅行記でおなじみの下川裕治氏ご贔屓のタイ、上海、ベトナムなどの東南アジアに在住する日本人のルポ。 時代的には2011年、東北大震災の前後で、構成は Ⅰ 日本に帰らない Ⅱ 詐欺 Ⅲ 妻 Ⅳ ひとり Ⅴ 賞味期...
出口治明

我々の血肉は「歴史」でできている — 出口治明『仕事に効く、教養としての「世界史」』(祥伝社)

ライフネット生命の社長である出口治明氏による世界史。 もともとは日本生命の重役で、ネットによる生命保険という革命的ともいえるビジネスモデルを創造したビジネスマンが「なぜ世界史の執筆?」という疑問が当然生じるわけで、詳しくは、本書の最後の「お...
ビジネス

記憶に残そうと思わないことが速読の術という逆説 — 印南敦史「遅読家のための読書術」(ダイヤモンド社)

LifeHacksでビジネス書を中心に書評を展開している、印南敦史氏の読書術が記されているのが本書。 本書によれば同氏はもともと速読の方ではなかったということであるし、 意識的にはどうかは別にして、ほとんどの人が「真剣に読まない(いい加減に...
ビジネス

“情報の達人”に至る道に”王道”なし — 池上彰・佐藤優「僕らが毎日やっている最強の読み方」(東洋経済新報社)

知的生産活動で今一番定評がある池上彰、佐藤優両氏による情報収集の方法論の集大成がこの本。 構成は 序章 僕らが毎日やっている「読み方」を公開 第1章 僕らの新聞の読み方 ーどの新聞を、どう読むか。全国紙から地方紙まで 第2章 僕らの雑誌の読...
ビジネス

トニー・シェイ「ザッポス伝説」(ダイヤモンド社)

Amazonによる高額買収劇で注目を浴びた「ザッポス」の成功に至る道筋の創業メンバーの一人 トニー・シェイによるドキュメント。 構成は Part Ⅰ 利益を求めてーザッポスへたどり着くまで 第1章 ただ、利益を追い求める日々 第2章 うまく...
ビジネス

中村好明「インバウンド戦略」「観光立国革命」

最近、デビッド・アトキンソンものであるとか観光のビジネス書を仕事の関係もあって読んでいて、この二書もその一環で読んだもの。 筆者はドン・キホーテのいわばインバウンド担当みたいな人であるのだが、関係者に聞くとドンキの社業とは離れて自由に「イン...
ブックレビュー

デービッド・アトキンソン「イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」」

おなじみ、日本の文化財を活用した観光論の辛口評論のデービッド・アトキンソンの日本文化論。 構成は 第1章 確かに優秀な「日本人労働者」という強み 第2章 「長い会議が象徴する効率の悪さ」という「伸びしろ」 第3章 「数字を重視しない刑死者」...
コミック

工藤かずや・池上遼一「信長」1〜8 (グループ・ゼロ)

このブログでもレビューしている「信長のシェフ」とか、TVドラマで話題になった「信長協奏曲」とか、変わり種の「信長モノ」が最近流行りではあるのだが、そこはオーソドックスな「信長」を押さえておいてでないと楽しみは薄いと思う次第。 そんな場合にう...
ビジネス

デビット・アトキンソン「イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る」(講談社+α新書)

「新・観光立国論」で大ヒットし、日本遺産や国立公園関係の政府のプロジェクトでも枢要な立場となっている、アナスリスト出身の文化財保護会社の社長でもあるアトキンソン氏の2014年の著作。 「新・観光立国論」ではほんのりと出ていたとは思うのだが、...
コミック

高橋葉介「もののけ草紙」壱〜四(KInlde Unlimited)

本シリーズの「もののけ草紙」はお座敷芸人の「手の目」が幼い頃から、成長して妖艶な女芸人となり、弟子ができ、「手の目」自体は姿を隠し、といった展開で進んでいくのだが、氏のシリーズ物によくある伝で、脈絡をもって進んでいくのだはなくて、突然「手の...