日雇い浪人生活録

上田秀人

裏切り者をおびきだせ。獅子身中の虫の狙いは何? ー 上田秀人「金の記憶 日雇い浪人生活録7」(時代小説文庫)

前巻で表舞台に登場した「分銅屋」であったが、己と田沼意次との関係を外へ漏らしている「内通者」探しとその黒幕の意図を探るのが本巻の主なところ。 もう一つは、分銅屋を狙った盗賊たちと対決する村越伊勢こと売れっ子芸者の加壽美の勇姿で、なんとも美し...
上田秀人

元同心と目付けは密かに罠をはる一方で、分銅屋は表舞台に登場 ー 上田秀人「金の裏表 日雇い浪人生活録6」(時代小説文庫)

今までは田沼意次との関係を秘密にしていた、分銅屋がとうとう表に出始めるのが本巻。そのせいか、分銅屋の前に現れてきそうな敵の姿も札差だけでなく、権威と結びついていそうな商人や、いきずりの盗賊やら、いろんなのを引き寄せるようになってくる。 おそ...
上田秀人

札差・加賀屋の猛攻が分銅屋を襲う。左馬之助はどうしのぐ? ー 上田秀人「金の邀撃 日雇い浪人生活録5」(時代小説文庫)

今まで分銅屋にちょっかいを出しても全て失敗してきた加賀屋が、目付けの後ろ盾を得て、本格的に「分銅屋潰し」を行った顛末が描かれるのが本巻。 目付けの牽制で、町奉行所は加賀屋の動きを「見てみぬふり」を決め込む環境のもとで万全の体制で仕掛けを始め...
上田秀人

目付けの狙いは分銅屋。左馬之助には仕官の罠が・・ ー 上田秀人「金の権能 日雇い浪人生活録4」(時代小説文庫)

田沼意次とともに「米から金」の世界をつくろうとする分銅屋とその用心棒・諫山左馬之助が、反対勢力の札差や目付けたちとがっぷり四つで対決する時代物「日雇い浪人生活録」の第4弾。 度重なる攻撃や買収工作を防いでいる左馬之助ではあるのだが、戦線は拡...
上田秀人

札差の刺客の剣を、左馬之助、鉄扇で防げ ー 上田秀人「金の策謀 日雇い浪人生活録3」(時代小説文庫)

「米から金へ」という大政策がどうなるかもあるのだが、江戸の有力者である「札差」と武士が恐れる「目付け」を敵方に回してしまった両替商・分銅屋と、その用心棒・諫山左馬之助が、彼らの攻撃をどう防戦するか、がひとまず主流となっている「日雇い浪人生活...
上田秀人

札差と目付けの攻撃が左馬之助たちに忍び寄る ー 上田秀人「金の諍い 日雇い浪人生活録2」(時代小説文庫)

徳川吉宗から徳川家重へ時代が移行する時代、吉宗から「幕政を米から金に変えよ」という遺命を受けた田沼意次を軸にした「金」主導派と「米」主導派の対決を底流に、田沼の町方の主戦力として働く両替商・分銅屋仁左衛門の用心棒として雇われた二代続いての浪...
上田秀人

貸し倒れの帳面をきっかけに「田沼」の企みが動き始める ー 上田秀人「金の価値 日雇い浪人生活録 1」(時代小説文庫)

上田秀人さんの時代小説は「お武家もの」、それも江戸幕府のちょっとひねった役職についた若者、というのが主人公であることが多いのだが、今回はそれとはがらっと変わって「浪人」が主人公。しかも、活躍する舞台は、江戸城中とかの武士たちの世界ではなく、...