辺境駐在員

ワークスタイル

カメラマンもビジネスマンも「マメさ」と「現場の肌感覚」が大事 — 渡部陽一「戦場カメラマンの仕事術」(光文社新書)

その独特の喋り方と、戦場を駆け巡ってきたカメラマンとしての実績が、どうにもマッチしないことがかえって人気がでた原因でもあった、戦場カメラマン・渡部陽一氏の本。表題には「仕事術」とあるが、むしろ戦場の現場に入るスタンスといった気持ちでとらえた...
西條奈加

江戸の下町風味の庶民的ピカレスク・ロマン — 西條奈加「善人長屋」(新潮文庫)

騙りや情報屋、あるいは盗品故買といった裏稼業をもちながら、表面的には、「善人」として暮らしている輩が集まった長屋に、裏稼業のない「指物師」の加助という男が引っ越してくる。さて、何が起きるか・・・・。といった設定で始まるのが本書。 収録は 善...
ブックレビュー

シルバー世代が持つ隠された力とは — 寺島実郎「シルバー・デモクラシー 戦後世代の覚悟と責任」(岩波新書)

日本のベビーブーム世代(団塊の世代)とは1947年〜1949年に生まれた層で、この期間の出生数は合計すると800万人を超えるらしい。この団塊の世代も今は70代にさしかかろうとしているわけだが、本書は、この団塊の世代を先頭に昭和20年代の終わ...
ワークスタイル

企業社会を信じて犠牲になった人のことを忘れてはいけない — ルポ「過労社会」ー8時間労働は岩盤規制か(ちくま新書)

働き方改革法案が、裁量労働制についての調査データの問題で右往左往したのもつい最近のことであるのだが、本書は2015年8月の初版。2014年あたりから加速し始めた残業の縮減、それをてこにした裁量労働制の議論のはじまりのあたりのレポートである。...
上田秀人

将軍没後も前田家に降りかかる大老の謀略 — 上田秀人「百万石の留守居役 4 遺臣」(講談社文庫)

第1巻・第2巻では、将軍の後継ぎになるよう大老から持ちかけられ、それを首尾よく断ったと思ったら、第3巻で四代将軍・家綱が死去し、と加賀・前田家に降り掛かってくる揉め事は尽きない。それにあわせて、新米留守居役・瀬能数馬も右往左往させられる。 ...
仕事術

モチベーションの源泉は「報酬」か「満足感」か — ダニエル・ピンク「モチベーション3.0」(講談社)

ダニエル・ピンク氏の論述は「フリーエージェント社会の到来」など時代の一歩先のあたりの動きを論じてくるのが特徴で、すぐさまの利益にはならないかもしれないが、近い将来にブレイクするネタとしておさえておきたいもの。   本書の構成は   第1部 ...
観光・地域活性化

「夜の歓楽街」は、その「悪役性」を払拭できるか — 木曽 崇「「夜遊び」の経済学 世界が注目する「ナイトエコノミー」(光文社新書)

「夜の歓楽街」は、古から男たちの憩いと夢の場所でありながら、律法や道徳の守護者からは、いかがわしい悪所として非難の場所となってきたもの。本書は、国際カジノ研究所所長の手による、「ナイト・エコノミー」の振興に関する提案といったもの。2017年...
LifeHacks

染み付いた習慣を変えるにはどうしたらよいか — 島宗 理「使える行動分析学ーじぶん実験のすすめ」(ちくま新書)

一番わかっているようで、一番わからないのが「自分」というもので、何か目標をたてても三日坊主に終わったり、なんであんなことしたんだろうと自分でも思わぬ行動に出たりとか、自己嫌悪に陥ったりするのは他人事ではない。   本書の構成は   第1章 ...
上田秀人

瀬野数馬、留守居役デビュー。加賀・前田家に降りかかる難題を解決できるか? — 上田秀人「百万石の留守居役 3 新参」(講談社文庫)

第1巻、第2巻で、四代将軍家綱の後継にという申し出を見せ金にして、加賀・前田家の取り潰しを画策していた大老・酒井雅楽頭の謀略から、からくも逃れた、加賀・前田家。本シリーズの主人公の瀬野数馬は、その際の働きが認められ(?)、藩の重臣・本多政長...
仕事術

Google流の「よそ見をさせない」仕事環境の整備は、労務管理の究極目標か?

「世界一速く結果を出す人は、なぜメールを使わないのか グーグルの個人・チームで成果を上げる方法」には   話題のマインドフルネスでは、「今この瞬間」に意識を集中します。今に集中するというのは、妄想ではなく目の前の現実と向き合うということです...